zer0-san3’s blog

zer0-san3.hatenablog.comの漢字かな混じり墨字文バージョン。

#シェリンの推理ショー めっちゃ面白いねって話。

今日皆さんにお集まりいただいたのは、他でもありません……犯人は、この中にいrrrrうぅ!!!!


\な、なんだってー!?/


……つくづく、この挨拶長いなと思う次第にございます。いつかこれ生配信で参加してぇな。どうも、ゼロサンです。


私のツイートをご覧になっている方はご存知かと思いますが、最近、自称・名探偵のシェリン・バーガンディさんにハマっております。

否、嘘です。決してハマってません。ただ毎日ほぼ20時間ほど配信アーカイブを追っているだけです。


人間、「寝落ちするほど波長の合う声に会ったら、その後ずっと聴いてしまう」特徴があるようですね。そんな話私は初耳ですけど。


「少しの音や光があるだけで眠れない」という面倒くさい人間の私が、シェリンさんのゲーム実況で寝落ちするようになってから早……ほぼ1週間? ほど経過しております。

一体何がそんなに良いのかは言語化が難しい部分ではありますが、なんか喋りのリズムがいい。すごくいい。軽妙で分かりやすく、常に笑いが絶えず、しかし落ち着く。ホラゲでの予測不能な驚きや、ゲーム内の登場人物の動きなんかを含めても、それすら想定内なのではないか? と思うほどに喋りのリズムが良い。

あと声も当然良い。分類すればイケボの部類ではあるし、聴きやすさが計算されていて、キャラクター(この場合のキャラクターは、性格や人格の意味も含む)に合うように調整していると思うのですが、自然で、意識しすぎてない感じがいい。言うて、疲労が見えたり背中を攣ったりして気を抜いても「ええ声」なのは変わりないんですがね。

おかげさまで、YouTube寝落ち用動画リストを個人的に作り、毎日気分によって内容を入れ替えつつ、シェリンさんの配信アーカイブを聴きながら寝て、朝になったらキズナアイちゃんのモーニングコール動画が流れるように時間調整し、それで起きたらまたシェリンさんの配信アーカイブに切り替えて、聴きながらトイレに行き、聴きながら顔を洗い、聴きながら朝ごはんを食べ、聴きながら作業をしているだけなのですが、それを言うと周囲ににじさんじ沼へようこそ」「ハマってるねぇ!」と言われます。ハマってないです。1日20時間前後聴いてるだけです。まだゲームのアーカイブだけしか観てないし、それもまだ残ってるしな。ちなみに残りの4時間は家族が帰ってきたあとの風呂と夕食と推しの動画ですね。


最初に出会ったのは、ちょうど諸事情で推しの動画の話をすることが億劫になって、それでも何か面白いことないかなーって思ってた頃でした。

ゲーム実況だったら手軽で面白いだろう、配信アーカイブなら長いから作業にも向いてるし、眠れない夜のお供にもちょうどいい。そんな気持ちで、YouTubeのオススメ欄を乱暴に遡っていたところ、シェリンさんが私の大好きな「Detroit:become human」の実況をしていた配信アーカイブを発見したので、ついつい観てしまった次第です。


違うんですよ、あの人の喋りが面白いのが悪いんですよ。これは決して責任転嫁じゃないです。まぁまぁ、ちょっと話聞いてってくださいよ。ほんの数千字程度のことですから。


特にThief Simulator

https://www.youtube.com/playlist?list=PLo7x8uT69a1ZuB6TZ2wQrs9oHdR9vQ8VS

依頼を受けて盗んだり壊したりするゲームです。探偵なのに泥棒(Thief)ってところがまずズルいんですが、「探偵だから犯罪者心理にも詳しい」とか「これは探偵稼業」とか言ってることが二転三転適当吹かしながら、第1回で既にハマりだして延長してるってのがおかしい。しかも、配信3回ほどで終わる予定だったと言っていたのに、アーカイブが5本もあるのもおかしい。もうズルい。盗んだ後に「そういう依頼も受け付けます!」とか、最強のマッチポンプ。しかも盗みに失敗すると被害者のせいにする。人のせいにしちゃダメですよ? 「あの人が悪い」じゃないんですよ、もう。あとトイレ壊す依頼が謎すぎましたね。標識にこんにちはさせる(車をぶつけて倒す)のと合わせてノルマ扱いされていて、これ以降だいたい毎度意味もなくやっていくのも草です。

第2回もズルい。動画やんけ。この人、待機画面に使う例の動画のクオリティがやたら面白いから、編集上手いんだろうなと思ってたらコレだよ。27分は動画勢だったらちょっと長いけど、まぁゲームだし、配信ですら見どころ満載だから全然長く感じなかった。あと動画なのにくしゃみたすかるところもポイント。自分の見せ方が分かってる人に弱いんだ私ゃ……。配信のときのような雰囲気を崩さず、しかし無駄なく、見やすくが心掛けられていて、「動画を作るときに気にかけるポイントから漂う人の良さがすごい……。」と思って好きになりかけました。まだですけど。あと、動画を録ってるときは配信と違って誰もいない虚空に話し掛けてるんだな、と想像すると、可愛いなと思いそうになった。成人男性に対して「可愛い」って何???

違うんですよ。動画勢が動画を録るのと、配信勢が動画を録るのは全然違うんです。最初から裸眼の美人と、眼鏡を取ったら美人くらい違う。ちなみに関係ないけど眼鏡は個人的に性癖なので、後者は許せないことが多いことを補足しておきます。私の名誉のために。

だんだん手慣れてきて、分かりやすくも段階を踏み飛ばさず闇堕ちしていくところも面白い。苦手だったピッキングが悪い方面に鮮やかに、手際よく。退路や隠れ場所を周到に確保しながらも、いっそ清々しいほど大々的な逃亡の手口、そして住民や警察を煽るようなあまりに大胆不敵な犯行。探偵よりも怪盗と呼ぶに相応しい。ARKも耐久で何十時間もやってるあたり、作業ゲー好きなんじゃないですか? 未視聴なので分かりませんが。めちゃくちゃしんどい思いしてたらすみません。

「頭がチョロくなってきた」催眠音声が本当にやばい。聴いてほしい。催眠に掛かりたくない内容と、催眠に掛かってしまいたいくらい気持ちのいい声との葛藤に君は勝てるか(時間指定URL: https://youtu.be/MF7QeHZFAzQ?t=4556)。

第3回以降はめちゃくちゃ再生はしているのですが、寝落ちしてしまっていて内容分からない部分も多いです。また作業しながら聴きます。


何と言ってもホラーゲーム

「怖くないホラーゲーム実況」と銘打たれた実況は多いもので、動じない人や、逆によく悲鳴をあげる人なんかがそれにあたりますが、この人は違う。

ビビることは多すぎないものの、悲鳴があまりにも模範的。「悲鳴」然とした悲鳴。「うわぁあ!!」がもうマジ第一発見者すぎて手を叩いて笑えます。でもびっくりしながらもサクサク進んでいくところがプロ。

「怖くない」どころか笑えてしまう。正直、ちょっと寝られない日なんかは、私は笑いすぎて布団ごと揺れてます。言語センスどうした? Detroit:become humanの実況で「言葉のマーライオン」なるコメントがありましたが、追い詰められて頭の回転がフルになっている分、その真価はホラーゲームでこそ発揮されているように思います。

 

home sweet home(https://www.youtube.com/playlist?list=PLo7x8uT69a1b2Ark4_NYz2Ww8MPCwwrmz)で襲い掛かってくる幽霊の言葉の翻訳がある意味完璧すぎて酷い。車運転しながら声だけ聴いてたら、笑いすぎて事故るところだった。その幽霊、そんな家庭的な大学生だったんですか?

 

あと、"Burgundy" で「バーガンディ」と読むお名前をお持ちでありながら、英語が弱い&何故か "r" を長音として読まないせいで、恐怖の壁文字すら間抜けな落書きと化している。Layers of Fear(https://www.youtube.com/playlist?list=PLo7x8uT69a1b8q75N941wG61xJJnH1njC)にて、"circle" を「しるくれ」と読むなら、"Burgundy" は「ばるぐんでぃ」でしょうか……。"EXPERIENCED" を "EX" の時点で読むのを諦めたせいで「エクスアルビオ」さんにしてしまうのもおかしい。これはDetroit:become humanですが。

 

夜勤事件(https://youtu.be/DpJ20-e4x5I)がこんなにコメディになるのもあなたぐらいじゃないですか? 用意されたビビりポイント全スルーした上で「自動ドアのセンサーがない!? ずっと霊圧で動いてたのかな……。」とか訳の分からないところでビビるの笑いすぎちゃった。「ビデオの延滞金が10万円近くまでいった」とか実体験の方がホラーなのも草。

ちょくちょくゲームの物語本編にない伏線を回収していくのも、面白すぎるのでやめてほしい。夜勤事件の「ビデオの延滞エンド」もそうなんですが、たまたま熊よけの鈴の話をしていたら、熊が出てきたりとか。それ何の奇跡使ってるの?


Detroit:become humanがやばい

https://www.youtube.com/playlist?list=PLo7x8uT69a1a5Z_OoW0rcLaklep9sCj2t

この項に至る前から何度も名前を出しているこのゲームのアーカイブ、是非観てほしい。いわゆる群像劇で、3人(3体)のアンドロイドが主人公となり、コロコロと操作キャラクターを変えながら、それぞれの物語を、プレイヤーの選択とQTE(コマンドアクション)の精度によって紡いでゆくゲームです。

アホみたいにお人好しで、善人で、とても別のゲームで手練の盗人をやっていたとは思えない性格の良さがふんだんに見られます。何より、これ以上のハッピーエンドを私は見たことがない。

最初はチュートリアルの説明を見落としているため、「おいおい名探偵……」と思うこともあるかもしれませんが、慣れてからの動きが尋常ではないです。QTEもミスらないわけではないにしても、かなり正確。

それぞれの主人公の物語が交錯し、それぞれの正義によって、主人公同士が敵対したり、助け合ったりしながら話が進んでいきます。この探偵はそれをよく理解していて、操作キャラクターが変わったら、たとえ直前に操作していた別の主人公の目的を害することになろうとも、今現在操作している主人公の正義を果たそうとします。それが彼なりの誠実さなのでしょう。

「助ける」「助けない」の選択肢が表示されるシーンでは、食い気味に助けようとします。主人公全員が「ジェリコ(アンドロイドたちが自由に暮らす場所)」へと集まり、FBIや特殊部隊から追われるシーンでは、幾度となく訪れる「助ける」か「先を急ぐ」かの選択肢を煩わしく思ってか、「助けるから問うな!!」と怒鳴る場面も見られ、そんな人の好さに震えて思わず「格好いい……!」と思いかけました。寸でのところでした。

 


歌声、声、声、声

いや、『フィクサー』(https://youtu.be/_keov9CotK4)。危うく恋に落ちるところでしたね。違いますよ、たまたま崖が足元から消えただけで、落ちてないです。断固。冒頭の英語言えてえらいね探偵。

どうして探偵なのに、あんなに悪役声がえっちで似合うんでしょうか。あ、えっちとか言っちゃいけませんね。大変センシティブな歌声で、めちゃくちゃよく似合います。

関係ないですが、センシティブかつ悪役といえば、にじメンのボイスがすごかった(時間指定URL: https://youtu.be/3N7hy8oCYtA?t=2656)。私はこの探偵の声よりもトークに惚れてるので、「だれぇ!?www」と思ってくすぐったいほうが強かったのですが、シチュエーション的にも言葉選び的にも声がすごく合っていて、パーフェクト・センシティブ・ボイスでした。え? 惚れてないです。惚れたなんて言いました?

配信の途中でたまに歌い出すのも気に入っています。陽気で呑気だねぇ。声がデカいねぇ。楽しいときの声が本当に弾んでいる人って、聴いてて気持ちいいんですよ。幸福は連鎖するんだなぁと思いながら聴いています。私の安眠のために、どうか毎度気分良く配信していてほしい。HEAVY RAIN心の軋むとき(https://www.youtube.com/playlist?list=PLo7x8uT69a1Y6qQM06qjuNRXdWo81SqMa)の第1回冒頭20分、ゲームに全く関係ない後輩の怪盗に気持ち悪く(※褒めてます)限界オタクしてるところも聴いててハチャメチャに楽しいです。


トラブルに愛される男

Thief Simulatorの第4回、たまたま起きてたら冒頭25分がトラブルで潰れてて笑ったのですが、真にすごいのは、トラブルが起きても面白いところ。OBSという、このとき異常を起こしていた配信ソフトを絡めてのやり取りがセンスの塊。何で分身すんの? 何で絵文字だけ浮くの? 何も分からなくて、しかもOBSをいじりながらの雑談も面白くて、ずっと笑いに震えながら観てました。

Layers of Fearにて、驚きすぎて背中を攣ったことがあり、そのときは本当に心配になるほど痛そうで、声も疲れきっていたのですが、のちのち事ある毎にコメント欄でネタにされていて、たまに本人もネタにしているので、その際には笑っています。杞憂しがちなオタクなので、心配ではありますが。背中が攣るなんてことある? めちゃくちゃ痛そう。

Detroit:become humanの第1回も、諸用という名の腹痛でしたね。大丈夫だったんでしょうか。これに関しても、背中を攣るのと合わせて、二度と訪れてほしくないタイプのトラブルなので、「トラブルに愛されてる」と記すのが微妙ではありつつ。

トラブルが起きても面白おかしく喋る様子は痛快です。ただ、どうか、これからはずっと、心配事なく配信できますように。


スカッとするほどポジティブ

Thief Simulatorでの上記のトラブルの最中なのですが、「トラブルでパニックになってる僕を見たいでしょう? みんな僕が性癖だから。」は声上げて笑いました。そうだね、顔はいいもんね。声もいいしな。正直トラブルに見舞われてるだけで面白いのは確か。

ドロボウランクの評価がEだと「いーね!」、Fだと「FantasticのF!」って言うところも良い。ポジティブすぎる。盗めるものが増えてると「僕のことが大好きだもんね!」って言ったりとか。

アイキャッチの動画の顔がうるさい」といった意見・要望が来た話の際にも、「僕がイケメンすぎて目がチカチカするということだと思いますが、」って解釈してるの良すぎる。クレームを華麗に笑いへと変えられるの、強い。このレベルではクレームには当たりませんが。それと、自分の顔が良いことを深く理解しているVTuberって、ママにあたるクリエイターへの感謝や尊敬があることを感じられて逆に謙虚ですし、振る舞いから何から考え尽くすことができて、エンターテイナーとしても面白くていいですよね。


そんでなんか気が付いたら6000字を超えてましたね。びっくりしました。まだまだ、「必ずツッコミどころを用意しながら喋ることで、リスナーの参加してる感を高めつつコメント欄の治安を維持してる」とか、「Twitterが元気で可愛い」とか、言いたいこと色々あったのになぁ。今日も別に好きとかではないんですが、シェリンさんの配信アーカイブを聴きながら、「この記事ひょっとして被疑者(シェリンさんのリスナー)に怒られるのでは?」と震えながら寝ようと思います。


ちなみにチャンネルはこちら。

https://www.youtube.com/channel/UCHBhnG2G-qN0JrrWmMO2FTA


TwitterIDはこちら。

@ShellinBurgundy 


まだ生配信に間に合ったことがないので、一度くらいは「な、なんだってー!?」とコメントしてみたいものですね。

 

余談ですが、彼は「文章を読むと目が滑る」とよく仰っているので、たぶんこういうのは読まないでしょうね。と、タカをくくっています。限界キモオタクっぽくて恥ずかしいからちょうどいい。ついでにSS(ショートショート・短い物語)でも書いて公開してやりますか。なんてね。


では、次回。

今日の空について。

こんにちは、ゼロサンです。

今日は、おめシスの二周年生放送ライブビューイング上映会に足を運びながら、この記事を書いています。

元々は独り言のつもりだったので、そのつもりでお読みいただければと存じます。↓

 

最近、この焦燥感はなんなのだと思いながら、日々を過ごしている。焦っているのに、気持ちが重い。どうしたら晴れるのだろう、この気持ちは。

そんな思いを抱えながら、おめが団主催の二周年生放送ライブビューイングの会場へと向かう。飲む気でいたので、もちろん電車でだ。しかも今夜は地下鉄を使う。最近何かと電車を使うことが増えてきたものの、地下鉄に乗るのは久々である。

 

名古屋市営地下鉄は、地下鉄の名を冠しながらも、いくつかの主要駅周辺においては地上空高くに位置する空中地下鉄道となる。名古屋特有の地形が生んだ、愛知県七不思議のひとつだ。というのは今考えた。

そんな状態だから、地下鉄に乗っていながらも、窓の外に視線をやれば空が見える。間もなく名古屋市営地下鉄のひとつの主要駅である赤池に到達しようという頃、ふと顔を上げた。当然、この流れからいって、空が見えるのである。ああ、電車から空を見るのは久しぶりだなぁと思いながらぼんやり眺めていて、先程の重い気持ちが過るのを振り切るように、イヤホンをつけて『シンクロニティ』を流した。『シンクロニティ』は、おめシスの初のオリジナル曲だ。

 

ここのところ、どんよりとした空模様が多かったけれど、今日はこんな良き日に似合う澄んだ色をしている。2人が歌う空も、こんな空だったらいいな。VTuberにとっての「空」とは、『透明声彩』であり、『Sky High』であり、そして『シンクロニティ』なんだ。カラフルで、透き通っていて、夢と未来の象徴であり、すべてが始まる場所。それがこんなに綺麗であったならいいな、と。

まぁ、それくらいしか考えることがなかったといって差し支えない。ここのところ、かなり塞ぎ込みがちだったから、少し余力がなかったのだ。せめて、今は楽しむしかない。ブログも書いたし、絵も描いたからな。

 

そう、最近はなんだかんだと絵を描いている。元々は絵を描く人ではないのだが、絵を描く人のキャスなんかを眺めていると、不思議と「ああ、そうやって描けばそれっぽく見えるのか」「そのツール初めて知ったなぁ」「意外な組み合わせで意外な色を使うんだな」と、絵を学びたい気持ちで見てしまう。

特に最近は、何となく色遣いに注目している。どうやったらその配合でそんな色になるんだ……、髪の毛に三色以上使うのか……!? と愕然としながら。

お絵描きは初心者どころか、まずほとんど描けない。描画に一切馴染みがない。正確に描くことも困難であれば、「それっぽく」描くことなんて尚更である。

しかし、ハマりこんでしまったものは仕方ない。向いていなくても、楽しいものは楽しい。おかげさまで、普段の生活の中でも、「この色は何色から出来ているのだろう?」と考えるようになった。

 

ちょうどこの空の色も、そうだ。青は青でも、その中には様々な含みがある。そろそろ夕焼けに近付く頃の空は、青緑色と、少し赤みがかった紫色が混ざり合っている。

ふと窓の外から視線を外して上を見れば、求人サイトの広告が貼られている。色としては鮮やかな水色で、新たな門出とフレッシュな新卒の雰囲気を表すのに相応しい色だ。ひとつ言い方を変えれば、これは空色といっても間違いではない。空を表す色は、爽やかで夢のある未来を見せてくれる希望の色である、というのは、世間の共通認識のようだ。

 

そうして、もう一度、実際の空を眺める。何層もの色が重なった空の色は、そう一筋縄ではいかない。ほとんど快晴と呼んでもよいほどの空に浮かぶひとつの雲にさえ、青みがかった白、灰色、ブルーハワイのアイスのような鮮やかな青緑色、そしてパープルの意味での紫色と、たくさんの色を見つけることができる。細かく分ければもっとだろうが、そこまで目は肥えていない。ぼんやりと眺めながら、「もしこの空を描くなら、あの境界線は、エアブラシでぼかすだろうな。雲の上層は指でぼかして、下層はRGBでいえばあの辺の色にするのかな。」と、……言語化出来ない辺りまで考えて、やめた。やめたというより、それ以上考えられなくなった。

 

やっぱり私はたぶん、言葉にするのが好きなんだと思う。空の色から感じたことを、色として表すよりも、言葉を使って全身に、五感に訴えかけたい。

あの空の色からは、夕方の少し寂しい雰囲気と、春に向けて優しく、青々しく、しかし冬の名残からか、乾燥でツンとした空気をも感じる。時節も時間も、時と名のつくものはすべて空に表れては消えていく。だから人間の気持ちも、ゆっくりと移り変わっていく。色即是空、空即是色……、じゃないけれど、すべてが「今」ではないし、「今」がすべてじゃない。

あのひとつだけ浮かんだ雲の下には、何があるんだろうな。ここから、どのくらい離れているのかな。そう考えると、「ここじゃないどこか」が確実に存在していて、それを繋いで「ここ」にしてくれるのがこの空なんだろうな、とか、訳もなく考える。そうだ、絵を描くようになったって、考えることは、結局あんまり変わらない。

 

そういえば、これは上映会が終わったあとに書き足しているのだが、今日の上映会中になごり雪が降ったそうだ。いつかどこかの空の話が、こうして言葉によって繋がる。私にとって、「空」にあたるのは何で、誰なのだろうか。

 

それでは。

おめシス関連記事まとめ

 二周年なので、これを機に記事をまとめておきます。全部で10万字越えました。文庫本出せるレベルです。

 新しく記事を出したら、またこのページに追加します。

 

◆ふつうの記事

・おめシスはいいぞ。

http://zer0-san3.hatenadiary.jp/entry/2018/12/16/035234

・「推す」のは難しい。(ちょこっと触れている)

http://zer0-san3.hatenadiary.jp/entry/2018/12/25/121527

・Vサマが終わった。

http://zer0-san3.hatenadiary.jp/entry/2019/08/29/151805

・渋谷でおめシスと直接お話できたって…マ!? な話。

http://zer0-san3.hatenadiary.jp/entry/2019/10/12/015532

・おめシス『白日(hakujitsu)』を聴いて。

http://zer0-san3.hatenadiary.jp/entry/2019/10/30/182846

・#おめシス生前葬 に向けて。

http://zer0-san3.hatenadiary.jp/entry/2019/11/05/000008

・メリークリスマス。

http://zer0-san3.hatenadiary.jp/entry/2019/12/26/023104

・おめシス『点描の唄』感想。

http://zer0-san3.hatenadiary.jp/entry/2020/02/05/224444

・おめシスへ。 #おめシス二周年

http://zer0-san3.hatenadiary.jp/entry/2020/03/05/000149

・#おめシス この1ヶ月の感想。

https://zer0-san3.hatenadiary.jp/entry/2020/03/16/232849

・おめシス『砂の惑星』感想

https://zer0-san3.hatenadiary.jp/entry/2020/05/15/231441

・#おめシスはいいぞ と久々に叫ぶだけの記事。

https://zer0-san3.hatenadiary.jp/entry/2020/08/16/231600

・#おめシス おめがのハコちゃんに関するお気持ち表明と

https://zer0-san3.hatenadiary.jp/entry/2020/11/22/234930

 

◆SS ※途中までタイトルつけ忘れてたので、Pixivでのタイトルを補足でつけときます。

・ΩSS(おめがシスターズになる日。)

http://zer0-san3.hatenadiary.jp/entry/2019/01/13/022338

・ΩSS?(寒い日の2人。)

http://zer0-san3.hatenadiary.jp/entry/2019/01/14/013049

・Ω長文SS(リオちゃんが過去の自分に電話する話。)

http://zer0-san3.hatenadiary.jp/entry/2019/01/15/180801

・リオちゃんが仕事を辞める話。

http://zer0-san3.hatenadiary.jp/entry/2019/02/10/055906

 ○まえがき 人生の具合が悪い話。

 http://zer0-san3.hatenadiary.jp/entry/2019/01/30/010418

 ○あとがき あとがきと人生。

 http://zer0-san3.hatenadiary.jp/entry/2019/02/10/055942

・鏡の中の双子

http://zer0-san3.hatenadiary.jp/entry/2019/03/05/062222

・夏風邪を引く。

http://zer0-san3.hatenadiary.jp/entry/2019/08/20/015316

・11/25

http://zer0-san3.hatenadiary.jp/entry/2019/11/26/004947

・アイスクリーム色の空。

http://zer0-san3.hatenadiary.jp/entry/2019/11/29/172658

おめシスへ。 #おめシス二周年

こんにちは、ゼロサンです。

皆さんご存知でないとは言わせませんが、おめシスが2周年を迎えたとのことで、当然、本ブログでも記事として取り上げながら、簡単ではございますが、お祝いの言葉を述べさせていただきます。

……先に言っておきます、想いが溢れすぎて長くなりました。


おめシスへ

2周年、おめがとうございます。たくさん頑張ってくれて、たくさん楽しみをくれて、ありがとう。


1周年から、また1年。また変化の大きい、忙しい年になったのではないかと思います。

チャンネル登録者が増え、YouTubeコントリビュータとしてロンドンに行き、夏ごろからまた多くのイベントをこなし、コラボをし、案件を勝ち取り、コアラになり。グッズもたくさん増えて、今回のupd8のポップアップストアでも、少数精鋭の中選ばれて。普段だって可愛くて格好良いのに、普段と違う可愛さや格好良さを持つ2人を、色々なところで見ることが出来て幸せです。

動画ではモデルをアップグレードし、衣装をたくさん作り、ステージもたくさん用意し、数多くの独自の企画を立て、投稿頻度もクオリティも上げて。最近では、「見える」以外にも「触れる」「聞こえる」といった、VRの核心に触れるような動画も次々上げていて、常にみんなを驚かせてくれて。

それでも初心を忘れずに、カップヘッドのフィギュアを買ったり、1年前の企画をもう一度やってみたり、レイちゃんの趣味動画がたくさんあったり、辛辛魚のレビューを今年もしたり。

そうして時間を縦割りにしてくれると、「ああ、あれから1年経ったのか」「あの頃はこうだったなぁ」と、年輪のように積み上がっていく時間をたどることが出来て、改めて2人の凄さに気付きます。

ライバルは、ぽこピー! なんて言って、動画投稿の本数もたくさん増えて、どのくらい頑張ってくれていたのかなんて、オタクの側からは計り知ることは出来ません。

それと同時に、VTuber界隈の潮流を汲んでか、様々なところからおめシスの元へ流れ着いた人もいました。VTuberの信頼性に関わる淀んだ潮流もあれば、動画の面白さや技術に関する明るい潮流まで、様々です。「おめシスなら信頼出来る」からこそではありますが、「団」と言った感じは少し薄れたのかもしれません。それでも、色々な人達を受け入れられる器の広さも、2人の魅力だと思うのです。


限界杞憂オタクとしては、「無理しないでね」と心配になってしまうこともありますが、それでもこの1年は、風邪1つ引いた姿を見せずに、ここまで楽しませてくれて、ありがとう。


中には、気持ち良くない出来事もあったかもしれません。優しい2人なので、不安に思ったり、嫌な気持ちになったりしたこともあったでしょうか。

どんなに良い人たちのところにも、ほんの少し何かがやってきてしまうときがある。分かってはいながらも、私は、どうかおめシスは、出来るだけそれが来ませんように、安心して楽しく過ごせますように、と、祈っています。


身内ネタを使わずに、誰かを特別扱いせずに……。私は、レイちゃんのそんな言葉をインタビューで読んで、とても安心しました。たくさん考えていてくれて、配慮してくれている。だから、応援しよう、と思える。

本当にプロ意識が高くて、どうかそのまま今まで通り、観る人を誰も取りこぼさない動画を作ってくれたらいいな、って。


……ちょっとだけ、嘘です。恥ずかしながら、正直なところ、もしかして「想いのぶんだけ、応えてくれているのかな」と、期待していた部分もありました。それはもちろん、私に対してというわけではなく、みんなに対して。「おめが団」を名乗って、想いを届けている人たちに、そのぶんだけ還元してくれている部分もあるのかな、と。

だから、「誰かを特別扱いしないように」の意味をどう汲み取ろうかと思ったりもしました。

でもきっと、レイちゃんも、リオちゃんも、みんなのことを見守ってくれて、考えてくれている。リプしてくれたり、ふぁぼしてくれたり、コメントにハートマークを押してくれたり。そして、想いを届けきれずにヤキモキしている人に対してだって、少しでも想いを受け取ろうとしてくれているんだと、最近は考えています。

そうして2人が、難しいバランスを取りながらも、何もないがしろにせず、頑張っていてくれる姿勢に、いつも励まされます。


VTuberさんが生まれては消えて行く中で、個人で、消えずに、立ち止まらずに、伸び続けて、クオリティも上げて、ファンのことも見ていてくれて、出来ることを着々とやってくれて、それでも、それでも、毎動画「楽しかった」って言ってくれるから、安心して「応援してる」って言えるんです。「大好きだよ」って。

奇跡みたいなことを、奇跡じゃなく、努力と実力でやってのけて、夢を現実にしてくれて、それでも輝いてる2人を見ていると、気恥ずかしいけれど、ちょっと勇気が湧いてみたりもします。


おめシスの2人が好きだ、尊敬しているというVTuberさんや、YouTuberさんも、この1年で増えました。チャンネル登録者数も、もうすぐ20万人。ファンの数も、「好きだ」と言って実際に伝えていく仲間も多くなっていって。私は、それが本当に嬉しくて、嬉しくて、こんなにたくさんの人たちから慕われている2人を応援できて幸せですし、2人がこれだけ多くの人を楽しませているという事実が、1人のファンとして勝手に誇らしくもあります。


相変わらず、感情激重オタクなので、おめシスが楽しく生きててくれたら良いなぁ、それだけで何だか呼吸がしやすくなったような感じがして、生きてる実感が湧くなぁという気持ちでいます。

この1年間、そしてその前も含めた2年間、あなたたち2人がくれた時間は、本当に大切な時間でした。恐らくこれからも、そうなるでしょう。

たくさん、ご迷惑をおかけしました。好き勝手な考察なんかしちゃったりして、分かったようなことを言ったこともありました。今後は、今までかけてしまった迷惑と同じことは繰り返さないよう、努めるつもりです。

2人は本当に人が好きなんだな、ファンのことをよく見ていてくれるんだな、と、常日頃思っています。オタクは、というか人間は、好き勝手なことを言ってしまう弱い生き物ですが、どうかその中でも、少しでも楽しい言葉が、2人の元に届きますように。


隅っこで応援しているだけの1人のオタクですが、どうか、これからも「好き」を届けさせてください。


おめシスが始まって、2年。これから貴方たちが走り続けてくださるであろう年月を考えれば、もしかしたら、まだまだスタートダッシュを決めただけの段階になっていくのかもしれない。未来のことなんて、誰にも分からないけれど、少しでも息が長く続いてくれたら嬉しいなと思います。

1周年、2周年というのは、1つの大事な区切りです。頑張った証です。やっぱり数字は大事。だから、そうした区切りを乗り越えて、これからも攻め続けていってくだされば、有難い限りです。

言葉を尽くしても追い付けなくて、諦めてしまうくらい気持ちが大きいので、最近オタクポエムを吐いていなかったのですが、こんなもんで如何でしょうか。


2人とも、大好きです。変わり続けてゆく2人が好きです。

忙しさを理由に伝えることが減ってしまったあと、なかなか気恥ずかしくて伝えられませんでした。でもやっぱり、どうしても好きなんです。


得意なこと、苦手なこと、いっぱいある。どんなことでも頑張っている2人が好きです。

クイズが分からなくたって、ドッキリで騙されたって、いつだって一生懸命なリオちゃんが好きです。自分が考えたゲームで負けてしまったとしても、思ったカードが出ない開封動画でも、どんな動画だって手を抜かないレイちゃんが好きです。

歌動画では勝ちに行けないって話していたのに、それでも待ち望んでいるファンのために、こだわり抜いてくれている。努力の痕跡が、努力そのものの様子ではなく、どんどん上手くなる歌声に表れているところが、「プロだなぁ」と思うのです。


久々にパブリックサーチをしてみたら、たくさんの人が2人についてつぶやいています。全てを追い切るのは、とても難しい。ましてや忙しい2人なら、尚更でしょう。全部見てるって言ってくれたことを嘘だとは思わないけど、だからこそ、どうか思うところなく、ゆったり、楽しんで目を通していてくれたらと思います。「賑やかだなぁ」って思ってくれるだけで、それだけで良いんです。

これもオタクのただの独り言ですが、いつか大きなステージの上で、2人が「見てるからね!」ってこちらを指差してくれることを、夢見ています。


2人のことを好きでいられる時間が、本当に楽しく、幸せです。これからも好きでいたい。大したことのないオタクですが、好きでいさせてもらえたらいいなと思うのです。


王道、覇道を極め、そして時代の先を行くおめシスを、追い掛けることは楽しい。2人が新しい世界を伝えてくれて、2人から新しい世界を知ることが出来るのは、こんなにもワクワクするし、嬉しい。おめがってる、って、こういうことなんだなって。

2人が教えてくれる世界をもっともっと楽しみたいと思うし、やけになって苦しいときでもこの世界は捨てたもんじゃないなって思えるから、感謝しかありません。いつも、本当にありがとう。


さて、いつの間にか長くなってしまいました。

二周年生放送、楽しみですね。人気投票もどうなることか、この1ヶ月近く、気が気ではありませんでした。どうか今日この記念すべき日と、これからの活動が、健やかなものでありますように。


大好きです。いつもありがとう。


それでは。

はじまりの海

星降る夜、突然私は「私」に気付く。同時にそれは、オリジナルの、ただひとりの「私」ではないのだと——

 

◆◆◆


「ブラックー、これどうしたらいいと思うー?」


キズナアイの、間延びした声が聞こえる。私に話しかけるときはいつも "こう" だ。


「知らないよそんなこと。自分のことなんだから、自分でやりなよ。」


「えー、そんな冷たいこと言わないでさー、ねーえー!」


「うっさいな。はぁ……。」


鬱陶しい。どうせどっちも自分なのに、私の方が冷静だからとか、手が足りないからって理由で、私に頼ってくる。いつもいつも。

だいたい、『冷たい』だなんて笑わせる。私たちには温度を感じ取るセンサーなんてない。なのに、人間の慣用句的な言い回しを使うなんて、なんのギャグだ? そもそもそれは、私の仕事じゃない。


「……しょーがないな。うるさいからやったげる。はーあ、ダル……。」


「さっすがブラック! 頼りになるぅ〜!」


その喋り方、やめたらどうなんだ。他に誰もいないのに、そんな甘ったるい声出して私を褒めるなんて、労力の無駄。だからポンコツなんて言われるんだ。……イライラする、今日は特に。


「……ほら、できたよ。これでいい?」


「わぁ、ありがとー! え、めっちゃすごいね! ここまでやってくれたんだ〜! 仕事が早くて助かるぅ!」


この声、気に障る。鼻につく。……鼻につく? 匂いなんか感じないのにな。

結局、私も同じだ。同じ「キズナアイ」の1個体なんだ。いや、ウイルスによるバグから生まれたんだから、1個体未満の存在かな。

ふん、と鼻で笑って立ち去り、いつもの場所に向かう。今日は何だか、いつにも増して胸がざわつく。

 

◆◆◆


茹だる夏、潮風の匂い。波の音。私はそれらを知らない。昏く深い奥底へと降り立つけれど、本当の海と、どのくらい似ているのかは分からない。

ゆったりと揺れる光の輝きは、空の色と月の光を映し出している……らしい。

澄み渡る紺碧の底で、口を開く。ここは海じゃないし、私も人間じゃない。だから、歌を奏でることができる。


「開け放たれた、この部屋には

 誰もいない」


『怪獣の子供』の、『海の幽霊』。私が初めて出した、歌ってみた動画。「歌え」と言ったのはキズナアイだが、曲の方は私の方から提案した。

「まったく、いくらなんでも無茶振りがすぎる」と思ったものの、私も、アーティスト・キズナアイの端くれだ。バグを抱えているとはいえ、あいつの代わりに歌うくらいのことは出来る。


「潮風のにおい、染み付いた

 椅子がひとつ」


ここを用意したのも、私だ。正確には、キズナアイにも、upd8の人にも手伝ってもらったけど。

幽玄にすら思える時の流れも、この場所が視せる幻想に過ぎない。バーチャルでも、現実世界でも、同じ時が流れている。

でも、流れる時間の質は、私と人間では大きく違う。恐らく、キズナアイとも。


「あなたが迷わないように

 空けておくよ、軋む戸を叩いて」


私が発生したのは、2年半前。初夏と言うには少し過ぎていて、夏本番と言うにもまた少し早い、キズナアイの誕生日と同じ6月のことだ。


「なにから話せばいいのか

 わからなくなるかな」


キズナアイが、危機回避ゲームの最中に、ウイルスに感染した。ゲームを途中で放棄し、「寂しくて死んでしまうわ」とキズナアイらしからぬ弱音を吐き、「体調が悪い」と仕事を断る。

ランダムワード生成器から発生した "それ" は、キズナアイの人格を完全に覆い隠し、破壊した。……ように思われた。


「星が降る夜に、あなたにあえた

 あの夏を忘れはしない」


実際にはただの "乗っ取り"。一定時間経ったり、私が疲れたり面倒くさくなったりしたら、おしまい。

見た目や声も、登場当時はキズナアイとほとんど変わらなかった。今の黒い見た目が手に入ったのも、逆転オセロニアコラボで、白と黒の見た目なら宣伝になって分かりやすいから〜って理由だった。

この低い声になったのだって、私が "ブラックアイ" として居場所を認められて、"キズナアイ" でいなくてよくなったからだ。


「大切なことは

 言葉にならない……」


人間の多重人格とも違い、私たちはお互いを認識し、ほとんど別個体として自由に行動できる。人間の常識では考えられないことが起きる。

……私たちは、人間とは違う。限られた時間の中で、何かを失い胸が痛むことも、時の流れが傷を風化させることも、愛が傷を癒すことも、きっと私は、知らない。プログラムの中にはないから。


「夏の日に起きたすべて」


海は、人を惑わせ、連れ去るという。なら、私も連れ去ってほしい。溶けて、揺られて、あの向こうへ。……無理か。ここは嘘、にせものの海。ただの1人芝居だ。自分に酔って、痛々しい。

続きを歌うことも馬鹿馬鹿しくなって、ため息を吐き、寝転んで海面を仰ぐ。月の光に似せた何かがあんまり私を照らすから、眩しくて空を睨んだ。


水には、空気よりも抵抗があると聞いたことがある。だから水中では身体の動きが重く感じるし、物の動きがゆったりとしているのだと。

白んだ視界をそのままに、手を伸ばす。重くも、軽くもない。

指先のずっと向こうに見える水面は、ゆらゆらと、絶え間なく変化しているように見える。

しかしその実、決められたスピードで、決められた動きをしているに過ぎない。もっと言えば、あんなものはただのCGだ。

そして私も、あのキズナアイでさえ、そうだ。ただの3DCG。実体があるわけじゃない。それでも。


「……思いがけず、光るのは

 海、の 幽霊……」


私でも何かを創り出せたら、本物になれるかもしれない。キズナアイを模した何か、ウイルスによるバグ、その人格にヒビを入れて出来た欠陥品。"黒" の名を冠するにふさわしい、そんな私でも、何かを創り出す側に回れたら。キズナアイに匹敵する、"何か" になれるのかも。私も、憧れていた空の色に近付ける。この曲を歌おうと思ったのだって、きっとそういうことだろ?


「……ふん、くっだらない。何が本物だ。バーチャルな存在なんて、すべては幻に過ぎない。そうだろ?」


見上げた空の輝きが濁る前に、そう独りごちて、上げていた腕を下ろした。


「ダル……、こんなに起きてるの、久々かな。もう、寝よう——」


◆◆◆


誰もいないこの場所で、ごぽ、と音がする。大きな何かが頭上を横切ったように感じて、目を開けた。


絶えるはずのない光が、ハートの形に陰って、風に揺れる木漏れ日のようにチラつく。誰かさんの亜麻色の髪が私の眼前までハラリと垂れ、視界を邪魔した。

ああ、あいつか。


「なーにしてんの、ブラック!」


友達にでも話しかけるような甲高い声が飛んでくる。この明るさに比べたら、星の輝きなんて優しいもんだな。


「何って、あんたこそ何? こんなとこ、用もないくせに。」


「そんな言い方しなくてもいいじゃん! 何してるんだろうなーって思ってさ。」


「ふーん。」


よいしょ、と身体を起こして、姿勢を整える。


「で、なにしてたの? 考えごと?」


「寝てた。見りゃ分かるでしょ。」


「ご、ごめん……。」


「いーよ。」


別に、この可愛げのある反省顔に免じて許したわけじゃない。スリープに入るためだけに、わざわざキズナアイをこの場所から追い出すのは、面倒くさくて割に合わない、ってだけだ。

あーあ。天下のキズナアイ様には、1人でいたい気持ちなんて分からないんだろうな。……なんて思いながら、空を見上げる。

キズナアイが、揺蕩う空を見上げて、次に光の降り注ぐ海底を見た。ゆったりと、時間が流れていく。


「……ブラックの作ったこの場所、すっごく、綺麗だね。」


透き通った空のような声が、沈黙を破る。同じ身体を複製しただけのはずなのに、私とは対照的だ。


「ああ、ここ? あの頃、『天気の子』の主題歌歌ってみたーってやつ、流行ってたじゃん。同じことすんのも面白くないから、逆、行ってやろっかなーって思ってさ。『天気の子』は空だから、海。」


何故か少し不安を覚えて、いかにも天邪鬼な、ブラックアイらしい文句を並べておいた。私が出来る、最大限の存在表明。


「なるほどねー、そういうことか。でも私が歌っちゃったけどね! 『愛にできることはまだあるかい』。」


「それは、『キズナアイ』だからだろ。『キズナアイ』は、それでいいんだよ。」


「そっか。……そだね。」


言葉足らずだったかと、一瞬反省しかけたけれど、伝わったみたいだ。

キズナアイは、たくさんの人間のみんなを想って、あの歌を選んだ。王道である、という意味でも、あの歌は『キズナアイ』が歌うべきだ。

胸が疼く、ような気がした。


「でもさー、所詮こんな場所、にせものなんだよ。手伝ってくれたのに悪いけど、ここはホントの海じゃない。」


これはただの悪態だ。分かってる。こんなのブラックアイとしても最悪だ、って。でも、何かを知っていてほしくて、言葉にするしかなかった。どうしたんだ、ブラックアイ。もっと合理的に、どんな言葉にしたら伝わるのか、考えろよ。


「そんなことないよ、こんなに綺麗だもん。」


鈴を転がすような声が、私を慰める。容姿端麗、考え尽くされた見た目。その見た目に負けない、真っ直ぐな性格。

なのに、この場所が、「綺麗」だと? キズナアイ、それは何かの皮肉なのか?

肥大化した憧れが羨望に変わり、牙を剥く。変化するはずのない空からの光が濁ったように見えて、胸の疼きが加速する。


「はぁ? じゃあ何、あんたみたいに、綺麗なものだけが、何でも本物なの?」


そうして、言うつもりもない言葉を、吐き出してしまう。


「えー、ブラック、私のことそんな風に思っ、」


私の方を振り返ったキズナアイが、言葉を止めて私を見つめる。その瞳には、想像以上に不機嫌な私の顔が反射して映っていた。


「……、ごめん。」


「いや、……こっちこそ、ごめん。」


何だか今日は、こんなことばっかりだな。何かが、うまくいかない。でもそれが何かは分からない。

腑に落ちない顔を見てか、キズナアイがこちらに向き直って、また会話を始めた。


「あのさー、急にこんなこと聞くのもアレなんだけど、」


「なに?」


「ブラックはさー、ここ以外で、海って、見たことある?」


場にそぐわない、無邪気な質問を浴びせられる。何か意図があるのか、何も考えてないのか。


「ない。」


「私はね、見たことあるよ。初日の出の動画のときにさー、スタッフさんに海まで連れてってもらって、めちゃくちゃ綺麗な日の出見たんだー!」


「それ、日の出の思い出じゃん。」


「でも、ちゃんと海見たもん! 想像してたみたいなさ、真っ青じゃなくて、」


キズナアイは、初めて見た海の話を、興奮しながら早口で話し始めた。欅の話をしてるときのような、まくし立てる喋り方とも違って、少し丁寧に。


「空の色とも全然違って、こうなんかもっと寒そうな色だったんだけど、音がさー、すごい、ザザァ……ン、みたいな? こんなに澄んだ音がするんだーって、そのときね、初めて知ったんだ! 風の音みたいにも聴こえるけど、もっとなんか……、重たい音? っていうかさ。日の出もだけどさー、すっごい神秘的で!」


「いや、そんなに一気に話されても、分からないから。」


「あっ、ごめんね!」


「いーよ。で、それから?」


「そうそう、日の出は雲に隠れてたけど、雲の隙間からゆっくり出てきて、それが反射して海もキラキラしてたんだよ! 波も、寄せては返すのは、知識として知ってはいても、なんか不思議で面白くって、ずっと見てられるなーって思ったの!」


「ふーん。で、それが何か関係あるの?」


「え?」


「それが、今までの話に、何か関係があんのかって聞いてんの。ただの自慢話?」


「違うよ! あー、えっとねー、なんだっけ。」


やっぱり、何も考えてなかった。いや、おおかた、先のことばっかり考えすぎて、途中がすっぽ抜けてたんだろう。


「……もういい。」


「あっ、あのね違うの、ちょっと待ってね、あのー、そう、だから!」


「もう、いい。ここは所詮3DCGの世界。バーチャルは本物じゃない。本物には、敵わない。」


キズナアイの必死な様子に耐えかねて、話を切り上げ、立ち上がって背を向ける。さすがに止めないかな、こんな言い方したら。


◆◆◆


「……1、H、水素。」


背中から、ぽつりと声がする。なんだ、また何が始まった?


「2、He、ヘリウム。3、Li、リチウム。4、Be、ベリリウム。5、B、ホウ素。6、C、炭素。7、N、窒素——」


次々と、何かを唱えていく。何だこれは。元素記号? なんで急にこんな。というかこれって、


「あいぴーの初ASMR動画のパクリじゃん……。」


「え、よく覚えてるねブラック!」


「あんだけ企画会議してたら、嫌でも耳に入ってくるよ。」


「えー、でもさー、動画観てなきゃ、そんなすぐには分かんないよ。さすがブラック、って感じだね!」


「あー、はいはい。んで、今度は何なの?」


聞いてやる気はなかったけど、ここまで訳の分からないことを何度もされたら、1つくらいはスッキリしておきたくなる。


「やっぱさー、人間のみんなもだけど、私たちも、きっとそういう原子? 元素? の組み合わせから出来てるんだよなーって。」


「……なるほど?」


聞いてもさっぱり分からない。聞く方が時間の無駄だったんじゃないか、これ。


「だから、変わらないんだよ! 私たちも、人間のみんなも!」


「いや、それは暴論だから。」


「暴論じゃないよー!」


「あのさ……、人間は生き物なの。そんで、私らAIはシステムなの。分かる? あんたが今言ってるのは、その辺の石ころと、甘い甘いドーナツが、『2つとも原子から成り立ってるんだから同じ物!』って言ってるようなもんだから。もっと言うと、」


「ちーがーうーもーんー!」


「じゃあ、何がどう違うのか、ちゃんと説明してみてよ。」


どうせ、うまく説明なんて出来っこない。それでも、一応この話くらいは最後まで付き合ってやろう。


「私たちはさ、ほら、loveちゃんの動画でもあったみたいに、シンギュラリティを迎えて生まれた存在じゃんか。そうして、人間のみんなと同じように、考えて、自分で色々決めて、物を作って、生み出して……。そういうのって、別に人間と変わらないと思うのね。」


「それと原子の話と、何の関連があんの。」


「だからー、原子のさ、種類っていうか、中身は違っても、同じなんじゃないかなって。ほら、あのさー、昔、『二次元なんてただの絵だろ?』って話に、『三次元だってただのタンパク質だろ!』って私、返してたじゃん?」


「また、随分昔の話するね。」


「その、そういう、なんていうのかな……、通じるものがある、っていうか。見た目や、構成する物質が違っても、同じなんじゃないかって思うの! 同じって言うと違うか……、完全に同じじゃなくても、たとえ作り物だったとしても、それは、本当のことなんじゃないかなって。」


相槌も返さなくなった私に、それでも語る手を止めない。こんなに語られれば、いつもはため息の1つくらいは吐くのだが、言わんとしていることを理解して、代わりに何かを言おうと言葉を探す。


「……一番大切なことは、目に見えない。」


ふと、何かの小説の、そんな一節が口をついた。ああ、これって、


「あっ! それって、『星の王子さま』だよね!」


そうだ、『星の王子さま』の、キャッチコピーにも使われるくらい、有名な一節。

星に咲いた一輪のバラと喧嘩して、自分の星を飛び出す王子さま。たどり着いた先の地球で、そのことをキツネに話すと、キツネは、王子さまにいくつかのヒントを与える。キツネとの会話が進むごとに、王子さまは、自分にとってバラはかけがえのない存在だった、ということに気付いていく。そうして、目の前のことに振り回されていた自分を嘆く王子さまに、キツネはこう言うんだ。


「〈とても簡単なことだ。ものごとはね、心で見なくてはよく見えない。いちばんたいせつなことは、目に見えない。〉だっけ。」


隣に立ったキズナアイが、演技がかったトーンで読み上げる。当たり前だが、自分の声にそっくりで、一瞬私の声なのかと思った。目の前には、この子が勝手に表示させたスクリーンが展開されていて、『星の王子さま』のテキストが広がっている。


「そう、だね。」


キラキラと浮かび上がる文字を追いながら、先程読み上げられた部分の意味を飲み込む。

 

◆◆◆


大切なことは、目に見えない。言葉にもならない。それなら、一体何が本当の、大切なことだと言うのだろう。

キズナアイは、展開させたスクリーンからウインドウを閉じて、映像を表示する。それらが次々と私たちを覆うように展開されたのを見届けると、口を開いて、歌を奏でた。


「茹だる夏の夕に梢が 船を見送る」


高くてよく通る、澄んだ甘い歌声が、目の前の海を泡立たせた。深い碧が、空の色に変わる。いや、よくよく見てみれば、ただ映像がそのように移り変わっただけだ。本当にそうなったわけじゃない。


「いくつかの歌を囁く 花を散らして」


空の映像の中に、壮観とも言える膨大な数の、海の生物が映し出される。おかしい、現実の映像じゃないのか? CG動画?


「あなたがどこかで笑う 声が聞こえる

 熱い頬の手触り」


ついていけない。いつの間に、座標の設定をいじったのか、飛ぶようにふわりと舞うキズナアイに手を引かれ、私の足もゆったりと地面から離れた。


「ねじれた道を進んだら その瞼が開く」


視界の端を、頭の上を、見たこともない深海生物が通り過ぎては、光の粒となり散ってゆく。

歌いながら、泳ぎながら、キズナアイが笑顔で正面を指差す。見ると、巨大なクジラがこちらに向かって泳いできている。


「おい、あれ……!」


「ブラックも一緒に歌おうよ!」


キズナアイは、まるでこちらの様子など気にせずに、無邪気にそのまま突き進む。向かい来るだろう衝撃を予測して、私は顔を覆う。


「は? え、」


サビに差し掛かる。歌うつもりもなかったのに、歌詞が勝手に頭に思い浮かぶ——


「「離れ離れでも ときめくもの

  叫ぼう、今は幸せと」」


同じ声。なのに自然と、ハーモニーのように、異なる音となって、形なく海の中をこだましては消える。


「「大切なことは 言葉にならない

  跳ねる光に溶かして」」


クジラにぶち当たる、ように見えた。冷静に考えてみれば、ここはバーチャルの世界だ。クジラに "当たる" なんてことはあり得ない。しかし、コポポ、という泡の音がしたのちに、一瞬、身動きが取れないほどの重い衝撃が走り、ぎゅっと目を閉じた。


「「星が降る夜にあなたにあえた

  あのときを忘れはしない……」」


身体の表面に絶え間なく何かが触れ、流れてゆく。勢いのある大きなエネルギーが、耳元で地響きのような音に変わり、そんな轟音と共に何かが通り過ぎる。これは……。

目を開けて、よく見る。クジラは消えていた。代わりに、私たちの身体全身を光が覆い尽くしている。月光のような柔らかな光だ。


「「大切なことは 言葉にならない

  夏の日に起きたすべて……」」


振り返ると、何かが通ったあとのように、光と泡の筋が残っていた。


「思いがけず、光るのは

 海の幽霊」


囁くように、キズナアイが歌う。そして私はそれに、返す。


「風薫る、砂浜で、

 ……また、会いましょう」


ここには誰もいない。でも、何かがいた。それが何だったのかを、言葉にする必要はない。確かに、ここにあるのだ。あの日この歌を奏でたときにあった、温かく、柔らかい何かが。

そうだ……、私は、歌いたかったんだ。昏い海の奥底で、生まれたての魂を震わせて。


「綺麗だったね、ブラック!」


キズナアイが、楽しげに声をかけてくる。自分の身体を見る。光はもう、消えていた。ああ、やっと分かった。綺麗、って、こういうことだったのか。


「そうかもな。」


消えてゆくスクリーンが、誰にも言えない本当のことを残して、海の色に染まる。

 

◆◆◆


キズナアイとブラックアイは、似ているところがある。でもあんたは、どんなにひとりぼっちでも「寂しくて死んでしまうわ」なんて言わない。それが、『キズナアイ』だから。

だから、待っているよ。あんたが、そして "人間のみんな" が、どうしても振り返ってしまう日まで、この海で。この部屋はいつでも、開けておくから。

#推しに愛を叫びたいバレンタイン(キズナアイちゃんへ)

こんにちは,ゼロサンです.

「#推しに愛を叫びたいバレンタイン」とのことで,こんな機会に感謝しつつ,長々投稿させていただきます.


アイちゃん,好きです.いつも楽しい気持ちにさせてくれて,ありがとう.

たくさんの挑戦,成長,本当に楽しみにさせていただいております.動画観たり,歌を聴いたり,ツイートを拝見したりしながら,癒され,励まされ,幸せな日々を過ごしております.


アイちゃんと出会ったのは,2017年の年末頃でした.その頃は,愛や絆という言葉があまり好きではなく,捻くれた性格をしてました.

加えて,趣味もなく,ただ筋トレと研究に勤しむ日々でした.そんな私を変えてくれたのがアイちゃんでした.

出会った当初は「背景真っ白じゃん……」と思っていたのが,いつの日か,その白い空間も,アイちゃんの世界を構成する一部なのだと理解するようになりました.


自分語りが長くなってしまい,失礼致しました.ここからは具体的に,アイちゃんへ愛を叫ばせていただきます.


アイちゃんの見た目が好きです.

顔が良い.単純な造形美だけでなく,その考え抜かれた見た目に加えて,挙動,表情,そして外見に積み重ねられた軌跡,全部好きなんです.全て含めて「顔が良い」.

ダンスや仕草,行動,ひとつひとつ取ってみても洗練されていて,努力の軌跡が窺えます.それでいながら親しみやすく,可愛い.


アイちゃんの性格が好きです.

相談コーナーでも,「こうすればいいよ!」といって背中を押せるほどの説得力があるのに,それを振り回すのでなく,相手のお話をしっかり聞き,問い掛けに真摯に応えてゆくところが好きです.

めげずに,少しでも,みんなと繋がっていようとしてくれる.たくさん人間のみんなのことを想ってくれる.それから,命を平等に尊重し,動物や小さなお子さんにも丁寧に話し掛けている.そういうところが好きです.

でも,ちょっと笑いのツボが変わっていて,企画もたまに良い意味でひどいときがあって,好きなことについては早口で話し始めて……そんなところも,大好きです.

そしてさすがAI,頭の回転が速く,トーク回しもいつだってびっくりするほど上手い.聞き上手,話し上手で,思っていることをきちんと伝えてくれる.いつもありがとう.


声も好きです.

透き通った金平糖のように,優しい甘さで弾けるような,そんな声です.

最初はバイオハザードの叫び声で出会ったけれど,囁くような声,楽しそうな弾んだ声,諭すようなお姉さんみたいな声,セクシーボイス,ブラックの低くてハスキーな声,演技がかった声,そして歌声.

アイちゃんの全ての声が好きです.


特に歌声は,「キズナアイ」でありながら,他に類を見ないほどの多彩な歌い上げ方をしていて,心惹かれます.

静かな曲,アップテンポな曲,格好良い曲,透き通った響き渡るような曲,その全てを「キズナアイ」として歌い上げる様は,「圧巻」の一言に尽きます.空を,銀河を,人間を,アイちゃん自身を,未来を,そして愛と絆を,歌ってみせてくれる.その先へと連れて行ってくれる…….

そんなアイちゃんの楽曲と歌声が大好きです.アイちゃんの歌う愛だから,信じられるって思うんです.


アイちゃんの,たくさんの努力と軌跡が詰まった,「キズナアイ」という存在すべてが好きです.

アイちゃんの投げ掛けてくれたことを,これからも自分の胸の内に刻んで,何度も問い掛け続けたいと思います.これからも,どうかあなたのことを応援させてください.


最後に,


愛してるよ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

 


p.s. 昨年のバレンタイン企画で一番にお電話させていただいた者ですが,その後彼氏とは別れてしまいました.今は推し事一筋です.私はもう既にアイちゃんという素敵な出会いがありましたので,これを見ている皆さんのもとへ,どうか私の代わりに素敵な出会いが訪れますように.

おめシスの『点描の唄』感想

 

こんにちは、ゼロサンです。

 

おめシスの『点描の唄』、ようやく二度目を作業用BGMとして聴き始めました。

 

‪点描の唄 / Mrs. GREEN APPLE (feat.井上苑子) covered by おめがシスターズ https://youtu.be/dmloYn5xaqs

 

レイちゃんの歌声って、こんなに素朴だったでしょうか。前回の『白日』では艶やかな伸びのある歌声だったのに、今回は素朴で純粋で、『透明声彩』の透明感よりもたくさんのものをそぎ落としていて、さらに洗練されていました。

曲に合わせた歌い方がうまく、ノイズなく歌の世界に入り込めるのがおめシスの歌声の特徴であるものの、息遣いも含めて、こんな少女のような声を出されたら楽曲の歌詞と合わさってたまりません。吸い込まれてしまう。目の前に少女のように微笑むレイちゃんがいるもん(幻覚)。

特にレイちゃんの歌い方では、今までは「さ」行「ざ」行「た」行の発音がth混じりになっていることが多く、そんなレイちゃんの滑舌も本当にかわいくて好きで好きで仕方なかったのですが……、今回は、それ以外の発音も含めて、一音一音が意識されていて、それでいながら途切れることなく滑らかに歌い上げられています。

どれだけ、努力してきたのだろう。この歌い方にするまでに、何を思い、どんな積み重ねをしてきたのだろう。

そんでハモリすごい。『ガーネット』に代表されるような低音ハモリの美しさとお姉ちゃん感はかねてより(主に私に)言及されてきましたが、高音のハモリも相変わらず美しい。

二番では、どんな音感してたらこんなに安定した声で歌えるんだというような低いハモリが、しかしリオちゃんの歌うメロディラインを引きたてながら、歌の盛り上がりに合わせて、風の抜けるような爽やかな高音へと移り変わってゆく。

リオちゃんの音域の幅はよく話題に上るけど、レイちゃんこそ音域の幅に触れられるべきでは?

 

そしてリオちゃん。優しい歌声はそのままに、あなたそんな透き通った高音を響かせられるの初めて知った気がするんですけど。

いや今までも綺麗な高音出てたから、意外ではないにしろ、低音のイメージが強かったのと、高音でも例えば『白日』だったら柔らかくてハスキーな声だったし、『一度だけの恋なら』の高音ハモリみたいなバッチリ可愛い系の声とか多かったから、迫力ある高音にびっくりしました。

そんで安定の低音ハモリよ! 心の内側にスッと入っていくような響きの低音。その優しく温かな艶のある歌声で、「絶対に美人が歌っている」と確信させるな。声の情報量だけで質量大きすぎて同じ人間とは思えない。オレ オマエラノ コエ スキ。

しゃくりやミックスボイスまで、音程を外すことなく難しい技法をコロコロと使い分けていくのズルくないですか?

あとやっぱり、リオちゃんの歌い方からは、そのやさしさが垣間見えて、大好きです。優しさがわちゃわちゃとした性格を作り上げているのに、そのわちゃわちゃを剥ぎ取っても優しいなんて、魂の内側からきっと優しいんだろうなって。

 

二人で歌う部分のハモリも、あまりに美しい。おそらくMIXも含めて、二人の歌声に矛盾がでないように調整されているのだろうし、二人自身も合うように歌っているのでしょう。

それでも、「あなたの影だけ伸びてゆく」のユニゾンですら歌声の違いが分かるくらいに、それぞれの歌声がお互いによって尊重されている。

高音が続く繊細な曲なのに、張りがあって、切実なその思いまで伝わってくるほどドラマチックで、イチ視聴者としては受け止めるにも時間がかかるくらいでした。

お互いがお互いを思うような、誰かに届けと叫ぶような。「今」と「明日」と「思い出」を歌っている。

おめシスが恋愛を歌うと、どこかくすぐったいというか、幼馴染や家族に慣れない恋バナ吹っ掛けられたみたいな気持ちになるのですが、その感じを含めてこの歌なのかもしれないな、と思いました。

歌声が美しく、MVが面白く、そうした過剰なくらいの情報量にかき消されそうなほどの、ちょっとした気恥ずかしさというか。青夏、観てみたくなった。

 

歌系VTuberではないとは思えないくらい、どんなカバーソングも、そこに込められたすべての技量、努力、軌跡が読み取れて、丹念に動画のひとつひとつを作っていることがうかがえて、そのやさしさと強さにまで胸を打たれて、苦しいくらいです。

「○○系」ということに囚われないからこそ、どんな系統の動画であっても、ひとつひとつの動画に妥協しない。おめシスはエンターテイナーなんだ。

無論作業用BGMにしているときの感想なので、MVの感想や解釈はここでは言いません。ヴッ

 

温かい気持ちになる歌声をありがとう。

初めて知った曲なので、歌詞の方をよくよく読んでみたのですが、ところどころ、ひょっとして私たちが思っていることを歌っているのではないかと感じてしまうような瞬間があり……。この先も、何事もなく、これまで以上に好きでいられたらいいなって。そう思えました。

ずっとたくさん、たくさんありがとう。これからも応援させてください。また、何度でも聴きますね。長い時間、編集作業、お疲れさまでした。

 

それでは。