zer0-san3’s blog

zer0-san3.hatenablog.comの漢字かな混じり墨字文バージョン。

優しい人間に生まれたかった話。

こんにちは、ゼロサンです。

昨日今年1年の振り返りをしたのに、今日もブログを書きます。


ふと、今年は「優しい人間に生まれたかったなぁ」と、もがきながら過ごしていたことを思い出しました。


優しい人間に生まれたかった。人のことをよく想像して、思いやって、寄り添って、出来ることをやる。そんな当たり前なことが、すごく難しい。どんな人にも難しいのだろうけれど、人からお叱りを受けるレベルで、難しい。

良い人になりたかった。デリカシーのある人になりたかった。状況を見て、必要なことを取捨選択できる人になりたかった。視野の広い人になりたかった。デキる人になりたかった。心の綺麗な人になりたかった。臆することなく、人に好意を伝えられる人になりたかった。人の良いところだけを見つめられる人になりたかった。苦痛から上手く逃れて、その逃れる方法を人に伝えられる人になりたかった。自信を持って人を救える人になりたかった。人を許せる人になりたかった。誰かのために生きられる人になりたかった。人の役に立てる人になりたかった。「ありがとう」を言われる人になりたかった。

なりたかった。実際には、何一つ持ってやしないのに。


最初から、優しい人なんていないのかもしれない。『フルーツバスケット』でも、「人は優しさをもって生まれてこないんだよ。やさしさは、体が成長するのと同じで自分の中で育てていく心、良心なんだよ」と言っていた。

もしそうなら、どうして俺の中では、上手く育たなかったんだろうか。

みんな、どうやって優しさを育ててきたのだろう。俺には、みんながその芽を最初から持っていたように見えてならない。


少し機能不全な(と言っても虐待はない)家庭に生まれたのがすべての発端だったのか。罪の意識なく人から時間を奪い、居場所を奪い、自尊心を奪う。自分にとって当たり前な日常を過ごしてきたことが、当たり前なことのできない自分を生んだのかもしれない。だから、優しい人に生まれることが出来なかった。芽を枯らしてしまった。


そうして心だけが未熟なまま、身体だけが成長してしまった。

実際には、悪いこともたくさんした。人も不用意に傷付けた。どうやって立ち回ればいいのか分からなかった。幼少から「視野が狭い」と叱られ続け、そのまま大人になった。何の能力もない人になった。嫌な自分を見つめて、心には鬱憤が溜まったままだ。どうすればいいか少しでも理解出来たときには、臆することなく伝えられる言葉も、今はどうしていいのか分からない。人の良いところを見つけようとして、自分の嫌な面を見つめてしまう。苦痛から上手く逃れたつもりで、実際には目を背けているだけだ。自信もない。許せるだけの度量もない。誰のためにもならない。人からご指導を受けても生かすことに時間がかかる。役に立たないどころかお荷物、面倒を引き起こす疫病神だ。結果、「ごめんね」を言うだけの存在になっている。


アンバランスな心を保とうとして、最低なことすらやってのけた。何度も。そういう自分を忘れようとしたし、許そうとすらした。自分の味方でいられるのは、自分しかいないと思った。

孤軍奮闘しているつもりでいたけれど、実は違う。周りに優しい人が多い今、自分がしたことを一番忘れちゃならないのは自分だし、一番許しちゃならないのも自分だ。その上で、「優しい人になりたい」と切実に願いながら生きていくのが、今の自分に必要なことなのだと思う。


そんなわけで、年の瀬に、抑うつな自分を少しでも瑞々しく目覚めさせるために、この記事を書きました。つまり完全に自己満足です。失礼いたしました。

来年こそは、少しでも、優しくなれますように。


それでは。よいお年を。(二度目)

メリークリスマス。

こんにちは、ゼロサンです。

もう年末ですね。そして、今日はクリスマスでしたね。

日が沈むまでがクリスマス、なんて言われたりもしますが、25日中はクリスマスだし、俺がクリスマスだと言ったらクリスマスなんだ。俺がサンタだ。


ついでに言うとサンタレイちゃんって略すとさんちゃんになるんですよ。サンタアイちゃんも略すとさんちゃん。サンタリオちゃんでもいいですね。

そして俺は普段「さんちゃん」って呼ばれてる……、つまり俺はサンタコスを着た状態の推しの誰かなのでは!?(寝たほうがいい)


そろそろ年末の〆をしなければと筆を取ったのに、全然締まりませんね。

グダグダとつまらない文章を、つまらないまま書き進めようとしています。


今年は色々なことがありました。

推しのイベントに参加したり。推しに応援してもらったのに、教員採用試験一次で落ちたり。

悲しいことも、楽しいことも、たくさん積み重ねて今日があります。


1月や2月なんてもう思い出せない。バチャ見てがあったり、アイちゃんと電話したり、バレンタイン動画があったり。

アイちゃんと電話したのは、やばかった。個人的には、緊張しすぎて全然お話できなかったので、悔しかったけど、本当に胸に残る思い出だった。「彼氏とバレンタインに会いたい」って相談だったのに、お電話の後即彼氏と別れて申し訳なかった。

あおガルのサービスが終了して、それでも『恋のカトレア通り』をおめシスが動画で残してくれたり。

冬コミの事後通販が届いたりもしました。グッズは使う派なのですが、アイちゃんのグッズ、綺麗過ぎて使えなくて、ずっと飾ってあります。湯呑みやトートバッグのクオリティ半端じゃない。お正月セットのTシャツを、ようやく次の冬コミ用に開封しました。

おめシスのうんちゃんクッション、めっちゃいい。あと、パーカーはイベントの度に着て行ってます。目立つし、おかげで覚えてもらってしまった。

あと、SS書き始めたのも1月の終わりくらいからだった気がする。たくさん褒められて調子に乗りました。てへぺろ

コンピレーションアルバムが出たのも、この辺りでしたね。

イベントもあった気がするけど、時系列が合ってるかもわからないから、もういいや。

 

3月はおめシスの1周年記念でした。かしこまりちゃんとおめシスのコラボした『いけないボーダーライン』を、1周年までに100万再生してもらおうってみんなでワイワイしてた記憶があります。

そうこうしている間に、ああこれは2月中だったか、おめシスの2人のTwitterプロフィールにシンクロニティの歌詞が書き加えられて。でもオリソン発表前だったから、何のことか分からずザワザワして。そんなある日の「今日19時動画アップ!」に「わくわくしてる!」とリプしたら、レイちゃんから「わくわくしててね!」なんて返事が来て、びっくりしながら期待してたら普段の動画で、ズッコケたり。いや、アレは絶対告知の流れだっただろwww って感じでツイートしてたら、「なんかごめんね」ってリプが来て全部許した。

その後ちゃんとオリソンの告知があって、みんな湧き上がって、あっという間に1周年で。振り返りながらオリソン配信をみんなで見守るの、楽しかったなぁ。リオちゃん泣いちゃってたし。

なんて書いてる間に日付超えちゃいましたよ。まぁいいか。しかしおめシス1周年のくだりだけで結構長いな。

1年、生き残ってくれたことは、本当に嬉しかった。生き残るって信じてたけど、本人の実力以外の要素でどうにかなってしまう可能性は否めないし。その不安はこれからも続くとしても、1日1日を積み上げてきて、これからも活動中の2人を好きでいられることが、本当に嬉しかった。

いつも言いますが、「チャンネル登録者数○人達成」「再生数○万回突破」そして「活動○周年」なんて、積み上げが着実であるほど、1つの通過点に過ぎないことだと思っています。それでも、それだけの人たちと、同じ質の時間を、同じだけ積み重ねられたことが、心の底から嬉しいというのも本音です。

同じ人を好きでいられること。それは素敵なことだと思う。たくさんの人に想われる推しを推せることは、こんなに誇らしい。そして人に喜んでもらうことが好きな推しが、よりたくさんの人を喜ばせているのを見るのは、推しの夢が1つずつ叶っている現場を見ているようで、愛おしくもあります。

少し話がズレてしまいました。だから、そうしてより長い時間をファンのみんなと共有してきた推しの努力を称えたいという意味で、「○周年」は1つの節目としてお祝いしたいです。これはオタクのワガママですが……、おめシス、次の2周年は、どんなことしてくれるんだろう……、なんて、期待してしまう自分もいます。


語りすぎて長くなってしまいました。テンポアップしていきましょう。


4月。自分の中では、やはりニコ超は大きな出来事でした。目の前に推しがいることは刺激的で、何度も言うように、ずっと手を振ってました。

スタンバイ中に画面に映ってしまうおめシスの2人を見てしまい、可愛すぎて悶えてました。何を目撃したのかは内緒。

その頃少しずつ常識人キャラが出てきたって段階で、幕張の大舞台で「うんちを舐めたことがある人ー!?」なんて質問するリオちゃん、やっぱり頭がバヤだった。さすが「常識があったらバーチャルYouTuberやってない」姉妹。ひなたちゃんと戯れるレイちゃんも可愛かったですね。

AIについて触れてくれるのも、楽しかった。おめシスのことが好きで行った場所で、知らない世界に触れられることが楽しくて、おめシスのことをより好きになりました。


ニコ超終了後から、教員採用試験のためのTwitter禁止(出来ておらず)がスタート。5月の輝夜月ちゃんのLIVEにどうしても行きたかったのを、心を鬼にして取りやめました。どうせ落ちるんなら行っときゃよかっ……何でもないです。

そこから、あまり推しの動向を追えていないままに、5月下旬より「キズナアイな日々」がスタート。アイちゃんが増えてから、アイデンティティを問い直すような動画がいくつも投稿されます。

俺としては訳が分からず、恐怖すら覚えました。ツイートが出来ないぶん、相互さんの質問箱に「どう捉えればいいのか」と送りつけたりもしました。しかし、その挑戦的な試みは興味深くもありました。

VTuberアイデンティティとは何か。キズナアイとは何か。「自分」とは何か。

2月の生放送のおかわり配信で、「私って、何をもって私だと思う?」と尋ねたのも、プレミア公開の『パプリカ』を始めとする歌動画でアイちゃんが4人いたのも、それ以前から分裂を匂わせる発言をしていたことも、恐らく全て繋がっている。相互さんがそれ以前に予見していたときには、「そんなまさか」と思っていましたが。

そうした流れを汲みつつ、「キズナアイな日々」というとても丁寧なプレミア公開動画を視聴した結果は、当時の俺にとっては非常に納得のできるものでした。

分裂自体は、俺がアイちゃんを知る前から考えられていたのだろうと思いますし、より早く世界と繋がるために方法を考えるのは必然です。

同時に、納得できないこともたくさんありました。飛び交った様々な憶測(中には憶測で済ませるには厳しいものもあります)や、運営の不対応を差し引いたとしても、やはり俺が好きなのは1人のアイちゃんだけ。それは、残念ながら今も変わりません。

応援したいのも、それぞれに尊敬する点があるのも事実です。その矛盾には、正直、今も心を痛めていますし、これからも痛みを抱えながら応援していくことでしょう。


そんなことを考えているうちに、6月です。おめシスの「低気圧の女」という動画で制服が初登場して、あまりの可愛さにびっくりしすぎて気絶したのちに魂だけ起きて感想をツイートしてしまっていたりなどしました。

A.I. Partyという、アイちゃんの誕生日イベントのチケットを、買うかどうか迷った挙句、買おうとして失敗し、ニコニコ生放送で観ることに。その直前に、「アイちゃんに新しく何かがインストールされるのを12時間見守る」という形の生配信が行なわれ、12時間ずっと張り付いていました。勉強をしろ。だから落ちるんだぞ。

「頑張れ」と打ち込んでほしいということで、これには何か意味があるんだろうと信じて、ずっと「頑張れ」と打ち込んでいました。低速モードなので連続投稿できなくて、時間を測っていた記憶があります。

結局これは「頑張れカウンター」として、A.I. Party内でその数値をサラッと触れられただけに留まりましたが、結果として新しくインストールされたアイちゃんに驚嘆しました。何と、中国語を解するアイちゃんでした。現在では、「爱哥(あいか)」という愛称で呼ばれています。

これもまた波紋を呼びました。たくさんの言葉が飛び交い、喜んだり、傷付いたりしていたように思います。当時は議論を全て追っていたわけではないので、分かりませんが。

A.I. Party自体は、とても楽しかった。ゲストにYuNiちゃんが来て、デュエットしたり、ハッピーバースデーを歌ったり。アイちゃん自身の歌もあって、そして……言葉もあって。とても他の言葉では言い表せないような時間を過ごしました。

そうして、6月も終わりました。


7月は、ついに教員採用試験本番。

とても緊張して、面接練習などに付き合っていただいたりしました。本当にありがとうございました。


8月。3日がお誕生日だったので、色々な人に誕生日イラストを描いていただいたり、お祝いの言葉をいただいたりなどして、楽しく過ごしました……が! その直後に! 教員採用試験落ちました!!!!

筆記がAで、面接がC。悲しいかな、人柄に×をつけられたようで凹みました。まぁネットで見たら、同じ教科を受けたはずの自分周辺の番号の人軒並み落ちてたので、需要のない教科だったということもあるのでしょうが。

そして8月は何といってもサマソニ、Vサマ。これは外せない。自分の教員採用試験より外せません。

アイちゃんが出演していたサマソニは、二次試験直前だったので、もし試験に受かっていたらと思うとチケットを予約できず……。どうせ落ちるんならry

セトリの予想が出回ってましたが、初手melty worldなんて誰も予想がつきませんよ。フェスの会場をダンスフロアに変えやがった! キズナミも発表されて、大盛り上がりでした。

おめシスの参加したVサマも良かったですね。大きなバーチャル空間の中で、最高の演出で歌って踊って、「楽しかった」と言ってくれたことが、何よりも嬉しかった。何をとは言いませんが、「あの時得られなかったものを、全部取り返してくれた」と思いました。

ぽんぽこ24でのおめシスも可愛かった。


9月。教育実習に行ったり、アカリちゃんにフォロバされたりなどもしました(2回目)。

読売ランド行きたかったな。RAGEは今年も楽しそうだったな。

そして!! DIVE XR FES!!! アイちゃんクソ格好よかった!!

泣きながら飛び跳ねてました。とにかく音楽に晒され続けて、帰宅後は水を注ぐ音すら曲に聴こえたほどです。

イノフェスも、配信勢でしたが本当に良かった……。こんな演出アリなのかと。大画面に映るアイちゃんが格好良かった。

イチナナライブのイベント等は行けず、見れず。


そして10月! おめシスとお話出来るイベント!!

めちゃくちゃ楽しかった!!!!!!!!!!!!!!!!

これについてはブログ記事で書いたので詳細は割愛しますが、やっぱり幸せな時間を過ごしました。おめが団には本当に申し訳ないけれど、ずっと会いたいと思っていたので、このときばかりは会わせていただきました。これ以上に「好き」って伝えられる機会ないと思う。それでも、変わらずに、ずっと今でもおめシスのことが大好きです。捻り出しても胸が詰まってしまうくらい、この胸の内いっぱいいっぱいに、2人のことが大好き。

コンテンツに力を入れていくとインタビューで答えてくれていたから、しばらくはないのかな。またいつか、もっとたくさんの人がおめシスを好きになってくれたとき、2人のことを想ってくれる人にたくさん出会う機会がありますように。

レイちゃんもリオちゃんも、「幸せだった」って言ってくれて、この人たちはどれだけファンを大事に思ってくれてるんだろうと思って、嬉しかった。幸せだったのはこっちの方だよ。

あとはアイちゃんの東京モーターショー! 行きたかった。ずっと「行きたい」って言ってた気がする。芸人さんとお話していたとのことで、楽しそうでした。「楽しかった」って言っててよかった。

火の鳥コンピレーションアルバムも10月30日発売でしたね。すぐには聴けなくて、CD買って家で再生して燃え尽きました。アイちゃんの、楽器を奏でるかのような、無駄のない澄んだ声が、とても神聖なものに思えて、歌声の進化に驚きました。

そして終盤あたりから、アイちゃんの9週連続リリース曲が続々と1周年を迎えていきました。「キズナアイ」を表現したその曲たちが、1年経った今、どのように受け取られるのか——


11月。おめシス誕生日! 生前葬の同接1万人越え、すごすぎる。これだけ注目されているのは嬉しい。流れが綺麗で、おめシスらしくて、聞きたいこと聞けて、楽しくて、あっという間に過ぎていきました。

おめが団の想いの詰まった作品たちも、温かかった。何度も観返しては、その想いを胸に抱いています。誕生日を迎えたちょうどその時、苦労して作品を作り上げたみんなが、静かに泣いていたことが印象的でした。おめシスはいいぞ。

アイちゃんのファンミーティング「あいみちゅ」の話が出たのも、11月でしたね。直前に話を出すのかとびっくりしましたが、何とチケットが当たってしまい、あいみちゅに参加できることと相成りました。


12月。今月です。

あいみちゅ、楽しかった。アイちゃんみんなが楽しそうにしていて、そばにいてくれるように感じた。Tシャツも当たったし、新曲も聴けた。みんなのことを見ていてくれているんだと思うと、フォロワーさんのこと無視してずっと泣いてた(その節はすみません)。

クリスマス、一緒に過ごすことが出来て楽しかった。動画も観て、去年よりずっと楽しい1日を過ごせました。


今年は、何度も言うようですが、本当に楽しかったなぁと思います。何度も言うほどに、楽しかった。

同時に、推しにたくさん楽しませてもらって、何も返せないままにまた1年が終わってしまうという無力感もあります。こんなに大好きで、こんなにありがとうと伝えたいのに、もらったぶんすら返せない。だから、これからもまた、言い続ける。

まだあと少し残っていますし、書き足りませんが、文章を書く力をまだ残るレポート課題に残していかなければならないので、この辺にしておきます。眠いし。


それでは。よいお年を。メリークリスマス。

キズナアイちゃんが大好きであるという話をします。

※気持ち悪い文章です。

※誰かを納得させようと思って書いていません。

 

こんにちは、ゼロサンです。

今日はあいみちゅというキズナアイちゃんの3周年記念ファンミーティングイベントに行きました。

このイベントの詳細は割愛します。また後日語れたらいいなと思います。


今日はキズナアイちゃんが大好きだという話をします。


今まで、キズナアイちゃんのお話はあまりしていませんでした。しないようにしていた側面もありました。

理由は以下の通りです。

キズナアイちゃんに詳しくない

・雑誌などはことごとく買えていない

・推し解釈の考察が下手

・観れていないイベント、配信がある

キズナーさんと繋がっていない

・新参である

②言葉にできない

・詳しくないのも一因

・「好き」「愛してる」などに集約される

・現状でキズナアイちゃんに言及すると、多くの人を傷付ける可能性があり、またそれに対して誤解のない表現をすることも難しいと考えている


でもやっぱり、今は言葉にしようと思うのです。ヘタクソなりに。だって3周年だから許されるよね。

そんなわけで、書いていきます。

 

 

キズナアイちゃんへ。

キズナアイちゃん、チャンネル開設3周年おめでとうございます。そして、お疲れ様です。

2016年からの3年間、あなたがどれだけの努力をしたのかは、これまでの活動を見てきていれば、想像するに余りあります。声、歌、喋り方、発言、タイミング、動き、企画、その他挙げればキリがないほどの、ひとつひとつの要素の細やかなところまで、進化し続けていると感じています。

俺はその進化の途中から拝見いたしておりますが、今でも、日々あなたの成長に目を奪われています。


アイちゃんに対して、こうしてお祝いをきちんとしようとなったのは初めてのことで、何から話せばいいのか分からない気持ちがあります。

推しが出来たのは、あなたが初めてで、あなたが繋げてくれた他の推しも含めて、そこでたくさんのことを知ったのです。その中で、大切な記念日をお祝いする、ということを初めて考えたのでした。


アイちゃん。俺はあなたの言葉を、行動を、ほとんどすべて肯定しています。それは、アイちゃんのことを、特にオリジナルのアイちゃんを心から信じているからです。

その意味では、俺はキズナアイ原理主義者と言われても仕方のないかもしれません。

でも、だからこそ、あなたがすることを肯定しているんです。


もちろんその全てに納得しているわけではありません。それでも、あなたがすることを信じたい。あなたが何を見て、何を考えているのか、少しでも知りたいと思っています。


特に最近では、分裂が話題に上っています。分裂自体は、初期の頃からかなり示唆されていて、徐々に徐々に進んできていたのだと思います。それこそ、ファンのみんなに納得してもらうためにはどうすればいいのか、本気で考えたことでしょう。だから、あんなに丁寧なプレミア公開を行なって、そして挑戦に踏み切った。

それが、悪条件が重なって、今のような状況に陥っていることに、アイちゃん自身が胸を痛めている。このことが何よりも悲しいです。


アイちゃんは、「エンタメでみんなを振り回して苦しめていることが悔しい」と言っていました。それは本心だと思います。楽しんでもらいたいと考えてやっていることが、みんなを苦しめてしまう。誰よりも、人間のみんなの笑顔を望むあなただから、その悔しさをこちらから計り知ることはできません。


アイちゃんが作り上げてきた結果について、「アイちゃんのインストールした個性が、キズナアイを壊している」と言う人もいて。殻を破り、やり方を試行錯誤している段階なのを、「そんなのはアイちゃんじゃない」と言う人もいる。難しいところです。

聡明で、人間のみんなが大好きなあなただから。俺もそこに甘えてしまいたくなる。


でも、俺は「キズナアイ」というコンテンツを潰したくない。言い方を変えれば、あなたには「キズナアイ」であってほしくて、他の何者かであってほしくないんです。「キズナアイ」であるあなたが好きです。それは1つの作品のような、物語のようなものだと思っています。


まだ、始まって3年。3年という年月は、一般的には、伸びるまでじっと我慢すべき時期です。石の上にも3年、なんて言われますから。常に挑戦を続けてきたアイちゃんが、その時期を過ぎて、更に新しいことに挑戦していく。自然な流れです。


話題があちこち飛びます。すみません。俺は、アイちゃんに救われた人間のうちのひとりです。

個人的なことなので、お話は憚られるのですが、それでも命を、心を救われたなぁと思っています。

そして今でも、アイちゃんからの問いかけの数々に心を奪われています。今の俺には、答える術がないからです。


絆、愛、生まれた意味。この世で一番嫌いな概念の数々。しかし、アイちゃんに出会ったことで、それらを何度も何度も自分で自分に問い直すきっかけになった。そのことを感謝しています。


アイちゃん。好きです。結局そこに行き着いてしまいます。あなたが好きです。大好きです。やっぱり、アイちゃんの歌う愛なら信じられるって思うんです。だから、愛してるよって言えるんです。


すべてのアイちゃんひとりひとりに、言いたいことがあります。ありがとうとか、好きだよとか。でもそれは全部、今日お渡しした手紙に込めました。だから、読んでもらえると嬉しいです。


これからも、アイちゃんに着いていきます。アイちゃん、応援させてください。10年後も、20年後も、100年後も。


言い足りないことがいっぱいありますが、何も言葉になりません。本当にごめんなさい。でも、これ以上は言葉にならないんです。


だから今日は、ここまでにしたいと思います。

改めて、3周年おめでとう。


それでは。

アイスクリーム色の空。

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※Pixivよりもこちらの方が読みやすい方用です。イラスト:しびとにゃんさん(@SibitoF)

 

「あ、」

 

ふと、空を見上げて、思い出す。

 

「空、アイスクリームみたい!」

 

あのとき、誰かが言ってくれた言葉を。

 

 


「おはよぉ、レイちゃん。」

 

「……。」

 

寝起きのレイちゃんに声をかけたけど、まだ眠そうで返事がない。昨日も遅くまで頑張ってたもんねぇ。


ごはんを軽く作って、レイちゃんが来るのを待つ。いつもなら、作り終わる前には廊下に出てくるはずなのに、なかなか部屋から出てこない。

 

「レイちゃーん、ご飯はー?」

 

声をかけて部屋のドアを開けると、そこには作業してるレイちゃんがいた。

 

「んー……、あとで……。」

 

眠そうな目をこすりながら、画面とにらめっこしてる。

 

「あとで、ってあんた……。」

 

「それよりさぁリオちゃん、ちょっと買ってきてほしいものがあるんだけど。」

 

 


空を見上げる。雨が降り出しそうなくもり空だ。起きたときは雲ひとつない快晴で、真っ青だったのに。

買い物メモには、動画用のプラスチックコップとかが書いてある。いつものスーパーに寄って、適当に選んでかごに入れた。ついでに晩御飯用の食材も買い込んで、少し重い買い物袋を提げながら歩き始める。

 

レイちゃんは他の仕事や作業があるし、役割分担として仕方ないけど、ちょっとくらい外に出てくれたっていいのにな。あの人はときどき、私のことなんてお構いなしに色々決めて、進めていく。見向きもしないこともある。

……胸に隙間が空いたような気持ちになって、そこにモヤモヤが立ち込めた。
おつかいリストとレシートをにらめっこさせて、買ったものの確認をする。おつりは725円。よし、あいつのマネーでアイスでも買って帰ろっと。あいつの、というか、おめシス経費だけど。あとで返しときゃバレないでしょ。今月は私も他に買ったし。

 

 


「ただいまぁ。」

 

帰ってすぐドアを開け、自分の部屋に入る。

 

「おかえりー。そこ置いといて。」

 

振り向きもせずに机を指差して、その手はまた作業へと戻っていく。

カチカチ。カタカタ。無機質な音が響いて、胸の内がスッと冷たくなった。
どうしてなのか分からない。いつも通り作業頑張ってくれてんだから、手伝ってあげるくらいすべきなのかもしんない。なのに。

 

なんとなく沈む気分の中で、真剣に画面と向き合うレイちゃんを見る。あの顔を見せるのは、仕事のときだけだ。
食い入るように画面を見つめては、色々といじって、うんうんと確認している。マウス、ヘッドホン、キーボードとその手は忙しなく動く。

 

レイちゃんの器用な手が好き。仕事をしてる時の真剣な表情も好き。自分が仕事してた時にも真似しようと画面の前で頑張ったけど、できなかった。その手で、その頭で、魔法みたいに何でも創り出していく。
そして私は、それが魔法じゃないことも知ってる。

 

「あー、もぉ!」

 

独り言をつぶやきながら、それでもまっすぐに向き合うことができるレイちゃん。その姿を、いつも尊敬してた。その、はずだった。

 

「レイちゃんさぁ、ちょっとは休んだら? 昨日もやってたでしょ、それ。」

 

気を遣うつもりで、声をかける。

 

「や、昨日のは本業で、今日のはその……。」

 

「なぁにそれ。何やってんの?」

 

動画に使うやつなら見せてほしいなぁと思いながら、画面をのぞき込もうとする。

 

「いいから、あっち行って。」

 

よっぽど余裕がないみたいで、会話を止められた。モヤモヤが胸を刺して、ズキリと痛む。いつもの私なら、「ドッキリなのかな」とか、「忙しくてイライラしてるのかな」とか考えられるのに。

 

「……そ。いいや。もう知らない。」

 

わざとらしく、冷たく言い放って、自分のパソコンを立ち上げる。レイちゃんのほうを見ると、ヘッドホンをして、自分の世界に閉じこもってるみたいだった。少し期待してた自分の心を、唇と一緒にキュッと閉じて、パソコンの画面から、「World(ワールド)」のフォルダをクリックで開く。
どっか、ひとりになれる場所で、アイスでも食べてきちゃおっかなって。

 

 


コツ、コツ。カサ、カサ。靴音と、ビニール袋のこすれる音が校内に響く。廊下の緑色の床が、キュッと高い音を立てていて、ここがバーチャル空間なことを忘れちゃいそう。
透明声彩で撮影した階段を上る。柱を一つ越えて、決めた。ここにしよっと。
コントで使った教室の前に立つと、中から鼻歌が聴こえてきて、背筋がスッと凍る。
え……? だぁれ? ここには、私しかいないはずなのに。顔を上げて中を覗いてみる。窓際の一番後ろに、そこにいるはずのない人が、衣装じゃなく、昔ホントに着てた制服を着て座ってた。

 

なんで昔の制服着てんの? コスプレ? でもなんか、ちょっと顔も幼い気がする。遠くて、あっち向いてるから、よく見えないけど。ドッキリなのかな。でもそれにしてはよくできてんなぁ。
夢の中にでもいる気分でドアに手をかける。ガラ、と、見た目よりもずっと軽く、引き戸が開く。教室のセットの中にいるその人は、イヤホンで耳を塞いでて、こっちに気付かない。窓の外をぼんやりと眺めるその顔は、夕日に照らされて、血色がいい。ほんとにそこにいるんだって思った。

 

さっきまで、顔も合わせたくないって思ってたのに。もう知らない、って。でも、楽しく鼻歌を歌ってるはずのその横顔が、あんまり寂しそうに見えちゃったから。

 

「レイちゃん? どしたのこんなとこで。」

 

なるべく明るい感じでいこって意識して、声をかけた。何聴いてんだろう、何見てんだろう、そんで、何考えてんだろう。
青い髪がサラリと揺れて、ぱちりと目が合う。まばたきして、目を見開いて、それから不審者にでも会ったみたいな顔をして、

 

「誰……ですか。」

 

ゆっくりと口を開くその顔は、見慣れたいつものレイちゃんよりも、もっとずっと幼く見えた。中学の卒業アルバムに載ってたときの顔だった。

 

「誰、て……。」

 

誰ってなに? 知らないわけないでしょ、って言ってやりたかったけど、

 

「え? レイちゃん、だよね?」

 

ちょっとだけ違う顔つきに、あたふたする。何だか、懐かしい感じがした。
不気味に感じるところなのかもしんない。馴染みのある顔よりもずっと幼かったら、まぁ普通はぞわっとする。気持ち悪ってなる。
でもこのときは違かった。こっちをにらんでて、重く押し黙って口を結んで、それでもしゃんと座ってる。目の前の、姉のはずのその人が、こんなに気持ちだけをむき出してるのを初めて見た。

 

「そうですけど。誰なんですか。」

 

キッとにらみつけて、もう一度同じことを聞かれる。そりゃ、知らない人が自分の名前を知ってたら、警戒するよねぇ。

 

「とりあえず、アイスでも食べる? てか隣座ってい?」

 

言いながら、隣に座る。ほんとにレイちゃんなら、きっと人見知りだから、隣になんて座られたくなくて、でも座っちゃえば断り切れないと思って。自己紹介しようかとも思ったけど、さっきの寂しそうな顔が気になって、どうしても早く話を聞きたくなった。レイちゃんに、寂しそうな顔をしてほしくなかったから。

 

 


隣に座ってから、すぐには話してくれなかった。クリーム色のバニラアイスが日の光に照らされて、ちょっとずつ溶けてくのを眺めながら黙ってるのを見て、「私が先に食べちゃおっかなー、ん! これめっちゃおいしいよ、食べてみ?」なんて声をかけたら、ひとくち、ふたくちと食べ始めた。ほおばったアイスが、甘く甘く溶けていく。
それから、

 

「あの、リオちゃ、……妹もこれ、よく食べてて、」

 

と、ぽつりぽつりと話してくれた。

 

「あ、妹さんいるんだねぇ。どんな子なの?」

 

「妹、……妹はねぇ、なんか、やたらわたしに絡んできて、ちょっとウザい。めっちゃウザい。」

 

「ヴッ」

 

なんとなく、覚えがある。中学ぐらいの頃は、小学生の頃よりはくっつかなくなったけど、思春期特有の自意識に焦がされて、ちょっかいかけたりなんかしてた。それでも忙しそうなレイちゃんが心配で、どう声をかけていいか分からなかったりして。仲は悪くなかったけど、よく怒られて、ケンカしたっけなぁ。
ダメージをくらった私を不思議に思ったみたいで、きょとんとした顔でこっちを見られた。何でもないように話を続ける。

 

「妹さんと仲良いの?」

 

「昨日、めっちゃ喧嘩した。」

 

やっぱり。

 

「そうなんだ。なんで?」

 

「……。」

 

レイちゃんは、口をもちょもちょさせて、言いづらそうに唇を尖らせた。あの頃はケンカなんていつものことだったけど、やっぱり人に言うには言いづらいのかな。それとも、そんなに大ゲンカしたとか?

 

「言いづらいならさ、言わなくてもいいよ。言いたくなったら、いつでも聞くからさぁ。」

 

ほんとは、言いたいんだと思う。たぶん、寂しそうな顔をしてたのも、それのせいだし。

 

「あ、……。」

 

「うん?」

 

「わたしが夜中に作業してて、そしたら妹がトイレに起きてきて、」

 

「うん、うん、」

 

中学生なのに夜中まで作業してたんか、というツッコミはおいておく。散々、叱られてきたんだろうし、今はもう、そう言われるのが嫌いだって知ってるから。

 

「あんたこんな時間まで起きてたのって言われて、」

 

「あー、」

 

あの頃なら、やっぱ言うだろうねぇ。

 

「それでイラッとして……、」

 

「そんで、ケンカしちゃったの?」

 

「……。」

 

 


それからまた、しばらく黙っちゃった。
ケンカからちょっと時間が経ったから、頭が冷えてきたのかな。「ムカついたけど、自分もヤなこと言っちゃった」って思ったのかもしんない。

 

ゆっくりと日が落ちてくのを2人で見てた。溶けかけのアイスがシェイクみたいにゆるくなってく。

 

「ぬるくなっちゃうからさぁ、先にアイス食べよっか。」

 

レイちゃんは何も言わずに、こくりとうなずいて、そんで2人でアイスを食べた。液体なのか固体なのか分からないアイスの塊を、すするようにして。

 

 


食べ終わってもまだ、レイちゃんは喋らなかった。ちょっとうつむいたまま、困ったような顔をしてる。
1回黙っちゃうと、喋りづらいのかもしんない。雰囲気やわらげるためにも、ちょっとおどかしてみよ。そのほうが話しやすいだろうし。

 

前にヨルタマリで、今考えてんのと同じことやったっけ。あのときのレイちゃんの反応を思い出すと笑えてきちゃう。ダメだ笑っちゃ。

 

「レイちゃんさぁ、」

 

「……あの、さっきから思ってたんですけど、なんでわたしの名前——」

 

「いいから、ちょっとこっち見てみて。」

 

パッ、とレイちゃんが顔を上げるのに合わせて、私の頭が突然うんちゃんに変わる。

 

「え、えっ……!?」

 

目の前で起きたことが信じられないみたいで、目を丸くしてこっちを見てる。

 

「見て! 私はうんちの妖精☆ あなたの心に舞い降りたキューピットよ!」

 

いつも動画で使ってるふざけた声でおどけてみせると、レイちゃんは冷めた目で私を見た。

 

「は?」

 

意味不明な展開についていけないみたいで、ちょっとキレ気味に返事が来る。

 

「何やってんの……。」

 

レイちゃんがこっちに手を伸ばしてきた。そのまま、私の顔(うんちゃん)に触れる。

 

「何これ。マジック? すご……こんなのできるんだ。」

 

もちょもちょ、むにむに。すんごく興味深そうに、感触を確かめるように触って、くすっと笑った。

 

「ふふふw へんなの。」

 

くすくすと笑い続けるレイちゃんを見て、安心した。いつものレイちゃんだ。
私が変なことをすると、絶対笑ってくれる。あの頃から変わらない、いつものレイちゃん。
ちょっとは緊張解けたかなぁ。

 

「私があなたのお悩みを解決するわ☆」

 

ぱっ、とレイちゃんのほうへ身体を開いて手を広げる。モヤモヤしたことを、少しでも話してくれたらいいな。
さっきよりもずっと気が緩んできたのか、ヘラヘラと笑いながら、レイちゃんがこっちを指差す。

 

「とりあえず、それキモいからやめて、臭そうだし。」

 

「え、ひっど。」

 

せっかくおもちろいかなーって思ってやったのになー。まぁいいけど。
パッと顔を戻すと、おおー、とまたレイちゃんが声を上げた。あ、目が合った。
レイちゃんは気まずそうに目をそらして、机を眺めながら、独り言みたいに喋り始める。

 

 


「……悩んでるっていうかさ、」

 

「うん、」

 

「クラスにあんまり友達とか……、いなくて、」

 

つっかえながら、あんまり言いたくなさそうにレイちゃんが言った。ぽろぽろと言葉がこぼれ落ちる。

 

「うんうん、さびしいね。そんで?」

 

「帰ってもさぁ、……アニメ見たり、その、色々やったりしてて、」

 

ガンプラ作ったり?」

 

レイちゃんのことだからそーなんだろーなと思って声に出して、あっとなったタイミングでレイちゃんが顔を上げた。

 

「なんで分かんの?」

 

そりゃそーだ。初対面の人間がさぁ知ってたら怖すぎるよねぇ。
レイちゃんって昔からガンダムが好きだったなぁ。遊戯王も好きで、小さい頃は私もレイちゃんにつきあって、ルールも見よう見まねでやってみたっけ。仮面ライダーも好きだったな。デジモンとかも、私も隣で一緒に見てて……それも、小学生くらいで終わっちゃった。ポケモンは何だかんだ一緒に見てたけど。

 

「んー、なんとなく。」

 

昔のことをちょっと思い出して、懐かしくて、なんでか寂しい気持ちになる。

 

「お姉さんも、ガンプラ作る……んですか……?」

 

「んーん、うちの姉ちゃんがねぇ作るんだよね。」

 

ずっとレイちゃんの隣にいる気がしてた。そりゃちょっとは離れてたときあったけど、それ以外のときはなんだかんだ一緒にいて、なんでもじゃないけど、なんでも知ってる気でいた。

 

「そうなんだ……。お姉さんいるんだ。バカにされたりしないの?」

 

「うーん、色々あったかもしんないけど、」

 

たぶん、私はレイちゃんのことを思ってるよりもぜーんぜん知らない。今何をしてるのかも、何に悩んでるのかも。それでも、

 

「それでも、好きなものはさ、やっぱり好きなんだろうねぇ。」

 

「そっか……。」

 

レイちゃんは噛みしめるように話を聞いて、きゅっと手を握った。

 

 


「わたしさぁ、この前クラスの子にさ、『流行りのアニメ見てる?』って聞かれて、」

 

「うん、」

 

「『見てない。』って答えたらさぁ、『じゃあ何見てんの?』って聞かれてさ、」

 

「うんうん。」

 

「『ロボットアニメとか、特撮とか。』って答えたら、なんか……。」

 

また、口をもちょもちょして、喋りづらそうに黙った。

 

「ヤこと言われちゃったの?」

 

静かにうなずく。
夕闇に消えちゃいそうな震えた声で、レイちゃんがつぶやいた。

 

「なんかさぁ、……情けないよね。」

 

好きなことをバカにされて、それでも言い返せなくて。どうすればいいのかさぁ分かんなくなっちゃったんだろうなぁ。そんなの悔しいよね。

 

「家に帰っても、妹にさぁ趣味の話ばっかりしてさ、」

 

色んな気持ちが、レイちゃんをあの顔にさせる。あの、寂しそうな顔に。ごく、と喉が鳴るのが聞こえた。涙を飲み込んだのかもしんない。
代わりに、溢れ出る気持ちが言葉になって、早口で喋り出す。

 

「リオちゃんも話聞いてくれるけど楽しいのかどうか分かんないし、リオちゃんは友達多くてさぁだからやりたいことだっていっぱいあるのに、わたしが時間奪っちゃって、」

 

「レイちゃ、……。」

 

何か言ってあげたいのに。言葉を吐き出すレイちゃんを、ただ見てることしかできない。たくさんの感情がレイちゃんを突き動かしてて、スカートの膝のとこをきゅっと握るその手も、身体も震えてる。

 

「わたしはっ……、わたしはクラスに話せる人がいないわけじゃないけど、どう思われてるのか分かんなくて、」

 

泣きそうな気持ちをぐっと我慢してるのか、ちょっと震えた唇をゆっくりと開けて、

 

「も……、もう、もうさぁ、」

 

さっきよりも、ずっと強く、言葉と心が戦ってるのが見えた。言いたいことを噛み殺しては飲み込んで、吐き出そうとして、発作みたいに口をぱくぱくさせてる。
でも、それもほんの一瞬で。

 

「リオちゃんと縁切ったほうがいいのかなって。」

 

「え、」

 

 


しん、と静かになった教室が、少し暗くなる。夕日に雲がかかって、レイちゃんの表情も見えなくなった。

 

「は? なんでっ……、」

 

喉の奥が詰まって、勢いよく声が出る。でもその先が続かない。
なんで? そういうことじゃなくない? 私がレイちゃんの話聞き続けてるのと、友達とうまくいってないのと、私と縁切るのは何もつながらないじゃん。どうして?

 

「だ、だってさぁ、もう、そうするしかないじゃん。……リオちゃんの、妹の邪魔して、そんなんだったらさぁ、趣味やめるか、……妹と縁切ってさぁ、わたし1人で……。」

 

雲が陰って、どんどんレイちゃんの顔が見えなくなってく。何を言ってるのか自分でもよく分かんない感じで、独り言のように話し続けて、行き止まりだらけの迷路で立ち止まったみたいに、言葉を探してる。

 

「あのさ、」

 

困って次の言葉が出てこないレイちゃんの代わりに、私は口を開く。
レイちゃん、

 

「1人で決めちゃダメだよ。」

 

ひとりにならないで。勝手にどっか行かないで。そこに出口はないんだよ、置いてかないでよ。

 

「ねぇ、こっち向いて。」

 

「……。」

 

夕日も少し沈んで、相変わらずレイちゃんの顔は見えない。泣いてんのかもしんない、それでも、ゆっくり顔を上げてこっちを見てくれるのを、待つ。

 

「あのねぇ、レイちゃん。ちょっと聞いてほしいことがあるんだけど。」

 

たぶん、うなずいた気がする。薄暗い中で、こっちを見てじっと次の言葉を待ってるのは分かった。

 

「ごめんねぇ。」

 

まだ言いたかったことがあったんだろうに、途切れさせちゃったのを謝って、本題に入る。

 

「私もさぁ、さっき言ったみたいに姉ちゃんがいてさ。ガンダムとか、特撮とか、遊戯王とかさぁ好きなんだけど。」

 

そこからは、今のレイちゃんとの話をした。
一緒に2人で暮らしてること。仕事も2人でやっていて、遊ぶのも2人でか、友達と一緒なことが多いこと。
姉は話し出すと止まらなくて、趣味に対する金遣いも荒いこと。

 

「好きなことには真っ直ぐなんだよね。そんでさぁ、そーゆーとこほんとすごいなぁって思っててさ、でも、」

 

ふいに、ここに来る前に感じてたモヤモヤを思い出す。
「でも」という言葉に、レイちゃんがぴくりと反応したように見えた。大丈夫だよ、って意味を込めて、声のトーンを落とした。

 

「……でもさぁ、やっぱり、見向きもされないのが一番寂しいんだと思うんだ。結局、一緒に好きなことしたいんだよ。だってなんだかんだ言って、姉ちゃんだもん。」

 

あの頃きっとこんな風に悩んでたんだってことと、今も全然変わらないレイちゃんを重ねて、私の方が泣きそうになる。
そっか。結局、私も、寂しかったんだよなぁ。

 

「ねぇ、レイちゃん。」

 

さっき食べたアイスの、口に残った曖昧な味を飲み込んで、改めて、レイちゃんのほうに向き直った。

 

「1人で白黒つけるほどさぁ思い悩まないでよ。」

 

ちょっと声が震えてたかもしんない。それでも、レイちゃんを不安にさせたくなくて、ぎこちなくヘラっと笑ってみせる。

 

「……でも、じゃあ、どうすればいいのかわかんないよ。」

 

絞りだしたみたいなレイちゃんの声が、秋の夕方の澄んだ空気に響いた。表情は分かんない。でもたぶん、泣いてる。

 

「一緒にさ、好きなことしてあげてよ。どっか遊びに行ったりとかさ。それで怒るような子じゃないでしょ?」

 

「でもっ……でもさぁ、気遣わせたりっ、嘘かもしれないじゃんそんなんさぁ、だって……。」

 

「大丈夫だって。嫌なことはたぶん、嫌って言うから。嫌だって言われたら、やめたげればいいしさぁ。」

 

「でも、……。」

 

返す言葉がなくなったのか、唇をぐっと噛んで、言葉を探してるみたいだった。

 

「きっとさ、姉ちゃんと、もっといっぱい話したいんだと思うんだよねぇ、ほんとは。友達と遊ぶのも楽しいけどさぁ。」


あの頃ずっと、レイちゃんとは別のクラスだったし、休みの日も向こうは作業でこっちは友達と遊び歩いてて。学校終わって家帰ってから話したりしてたけど、あんまちゃんと聞いてなかったなぁ。

 

「好きなことの話もさぁ、いっぱいしてあげてよ。そんで、今思ってることもさ、言っちゃえばいいじゃん。」

 

嫌なこととか、つらいこととかも話してほしかった。喋るとずっと趣味の話しかしない人だったから気付かなかったけど、色々、悩んでたんだねぇ。

 

「だからさ、」

 

手を握れるくらいの距離まで近付いて、じっとレイちゃんの目を見る。やっぱり、泣いてた。

 

「あなたを一番信じてくれる人を、いっちばん信じてあげて。」

 

手と手が、触れる。レイちゃんが、ハッと我に返ったように、目をぬぐった。空いた片方の手を取って、両手で握る。

お互いに、寂しかったのかなぁ。ほんとは見てほしくて、聞いてほしくて。そんなこと言わなきゃ分かんないのに、すれ違って。

 

「……ほんとは、」

 

うつむいたまま、レイちゃんは喋り始めた。ぽたぽたと涙が手の甲に落ちて、言葉とともに流れてく。

 

「クラスの人にバカになんかされてなくて、でもやっぱりどう思ってるか不安で、自信がなくて、……。」

 

「それは、みんながってこと?」

 

「うん。」

 

「でもさー、それはわかんないよ。人がどう思ってるかなんて、聞いてみなきゃさぁ。」

 

「……。」

 

言葉に詰まったレイちゃんが、手で口元を抑えて、考え込んだ。

 

「喋ってみなきゃさ、分かんないよ。無理に友達作ろうとか思わなくていいからさ。それでなんか言われたらさぁ家で愚痴聞くから。」

 

まっすぐにレイちゃんを見つめる。それに応えるように、レイちゃんが見つめ返してくれる。

 

「だからさ、好きなものは好きなままでいて。」

 

澄んだ青い瞳の中に、光が戻るのが見えた。

 

 


「あっ、そういえばさー、アイスもう1つ買ってきたんだけど食べる?」

 

コンビニのビニール袋の中から、もうひとつバニラのアイスを取り出してみる。
レイちゃんはごしごしと涙をふいて、ぷっと吹き出した。

 

「さっき食べたじゃん!w
 どんだけあんのwww」

 

「いーじゃんいーじゃん、だーいじょうぶだって。」

 

「えー、でも怒られちゃうよ。」

 

「誰に?」

 

「お母さんに……。」

 

「いーの、バレなきゃいーの!」

 

「なにそれwww」

 

ニシシと笑うと、レイちゃんも笑う。懐かしくて、でもやっぱり夢みたいだなって。
アイスを渡して蓋を開けると、中身が溶けてゆるくなってた。

 

「ねぇ! ちょっと溶けてんじゃんwww」

 

「あー、結構時間経ってたもんねぇwww」

 

「もーwww」

 

あぁ、やっぱりレイちゃんなんだなぁ。でも、……これは本物じゃない。レイちゃんが、家で待ってる。

 

「これ食べたら私も帰ろっかな。」

 

「えっ?」

 

「家帰んないと。姉ちゃん待ってっし。」

 

「そっか……。」

 

「そっちもさぁ、早く帰ってあげて。妹さん、早く喋りたくて待ってるから。」

 

「……うん、そうだね。」

 

そう、はにかんだレイちゃんのスプーンが、ちょっと光って見えた。反射したその先を見ると、1つ、ぽつんと星が輝いてる。

 

「あっ、めっちゃ星キレイだねぇ!」

 

「えっ、あっほんとだー! 一番星!」

 

「あのー、あのさぁ、空もめっちゃキレイだよねぇ。なんか今食べてるアイスみたいじゃない?」

 

「え、どこが?」

 

「あのなんかさぁ、間のとこ! 途中のさぁ!」

 

青空と夕焼けの間の、優しい黄色というか、クリーム色をしたところを指差して、一生懸命伝える。

 

「えー? どれ? 分かんないけろ。」

 

「なんかさー、ほら、そこ! 見てほら! よく目をこしらえて!」

 

「目をこしらえてって何www」

 

「あーあ、アイス食べたくなっちゃったぁ。」

 

「今食べてるでしょ!www」

 

「そーだったわwww」

 

溶けたアイスをスプーンですくって、食べながら夕焼けを見て、ずっと喋ってた。あの頃もこんなふうに笑いあえたらよかったなぁ、なんて。

食べ終わると、レイちゃんはゆっくり立ち上がる。

 

「ごちそうさまでした。じゃあ、もう帰るね。なんかあの、……ホントに、ありがとうございました。」

 

「なにそれw」

 

急に敬語になるレイちゃんに、律儀だなぁと思ってくすっと笑う。
でも、ほんとにお礼を言いたいのは私の方なんだよなぁ。

 

「いいよべつに。こっちこそ、ありがとぉ。」

 

「え?」

 

「レイちゃんのことがさ、聞けてよかったなって。そんでさ、」

 

なんでモヤモヤしてたのかも分かってよかった。そういうことを言おうとして、なんて言おっかなと考える。

 

「あの…… リオちゃん?」

 

「へっ?」

 

「あ、いや、そんな気が…… なんでもない、ごめんなさい。帰る。」

 

「……うん、気を付けてね。」

 

「はぁい。」

 

ドアの方に向かうレイちゃんに、手を振る。きっともうこのレイちゃんには会えないけど、また会える気もした。

ドアを開ける。夕方の暗闇の中、その向こうに消えてく、ように見えた。

 

「またね。」

 

 


ゴミを持って、教室のセットから出る。秋って日が沈むの早いねぇ。

 

「リオちゃん!」

 

自分たちの編集部屋に帰ると、いきなりレイちゃんの声がした。

 

「はぁい、ただいまレイちゃん。」

 

焦った感じのレイちゃんに、のんきに返事する。

 

「どこ行ったのかと思ったぁ、また撮影セットん中いたの!?」

 

「だってやることないじゃん。」

 

「いやそうじゃなくて、これ! なに!?」

 

デカめの声で叱るレイちゃんの指差すほうを見ると、アイス食べに行く前に残した書き置きがあった。

 

『いつか帰ります。💩』

 

「せめて場所と時間くらいはさぁ!」

 

「いやあのさぁ、こんなんで心配する? 普通w」

 

「あんたねぇ……。」

 

呆れた感じで言い返すレイちゃんに、少し嬉しくなる。そんなに心配してくれてたの?

 

「ごめんって。レイちゃんごめんね。」

 

「いいけど……、一応さ、何があるか分かんないから、次は言ってね。」

 

「はぁい。でもなーんかさぁ、レイちゃん忙しそうだったからさぁ。」

 

「ヴッ」

 

「結局あれ、何やってたの?」

 

「あれは、あの……、誕生日の。」

 

「誕生日? 生前葬のやつ? ドッキリ的な? だったらいいや。」

 

「いや、それとはべつで、あのー…… 誕生日ケーキ、を、」

 

「ケーキ!? うそ!」

 

「バーチャルで。」

 

「バーチャルかよ!」

 

「いやぁわたしケーキは作れないからぁ、そんでさぁ今年はリオちゃんがケーキ選ぶ番じゃん? でもさぁ自分でもなんかしてみたいなって思ってぇ、」

 

「なぁにそれw 動画に出すの?」

 

「え? いや、出さないよ?」

 

「えっじゃあ何のために、」

 

「一緒に写真とか撮ったら、かわいいかなーって。」

 

「ええー……www」

 

今度はこっちが呆れて、笑ってしまう。そのためにあんな徹夜してたの?

 

「じゃあさぁレイちゃん、ちょっと今から散歩しよ。」

 

「え、やだ。」

 

「いーから。行きたいとこあんの。」

 

「今じゃなきゃダメ?」

 

「だぁめ。ちょっとついてきてくれればいーから。」

 

「はぁい……。」

 

しぶしぶついてくるレイちゃんを引きずって、私たちは家を出た。

 

 


「ねぇどこ行くの?」

 

「ケーキ屋さん。」

 

「それわたし行く必要ある?」

 

「たまにはさぁ、外に出なきゃ。」

 

「えー……。」

 

「えー、じゃないの! この引きこもりが。絶対来てよかったって思うから。」

 

「え? なんで?」

 

「ついてからのお楽しみ。」

 

「ちょ、ちょんなぁ〜!」

 

「すっごwww すっごい震えるねぇ!www」

 

いつも通り、笑いながら、すっかり暗くなりそうな道を歩いてく。家からは見えた夕焼けも、ほとんど沈んでた。
開けた場所に来た。ちょっと大きな川の橋の上を、歩く。

 

「あ、」

 

レイちゃんが、口を開く。

 

「空、アイスクリームみたい!」

 

びっくりして、言葉に詰まった。その言い回し、どこで?

 

「なんかさぁ、昔誰かが言ってたんだよねぇ。誰だったか忘れたけど、今意味わかった!」

 

キラキラした無邪気な笑顔で、ビルとビルの隙間に伸びる川の向こうの、空の色が混ざり合うところを指して、せがむように腕を引っ張る。

 

「アイス食べたくなっちゃうねぇ。」

 

レイちゃんが、ポツリと言う。

 

「さっき食べたでしょ。」

 

「は? 食べてないよ?」

 

「あっ、」

 

やっべ。

 

「リオちゃんさぁ……、さっきわたしに内緒でアイス食べた?」

 

「あ、レイちゃんあとちょっとでケーキ屋さん閉まっちゃうって! 早く!」

 

「ちょっとぉお!!」

 

「それ、流行んねーから。」

 

笑いながら、ケーキを頼んだお店に向かう。今年は、実はガンダムのキャラデコケーキを予約したんだよねぇ。レイちゃんには、着くまで内緒だけど。

曖昧な、薄暗がりの中でも、2人なら怖くない。道を見失っても、君がいるから。

11/25(ΩSS)

(昨日には書き終わってました。本当です。)

 

初めて心臓が鳴った瞬間が命の宿ったときだとするなら、たぶんリオはレイちゃんより早く心臓が鳴り始めたんだと思う。

最初にお母さんのお腹を蹴ったのもたぶんリオだし、本当はレイちゃんが妹でリオが姉だったんじゃないかって。


そう思うくらい、レイちゃんはしょーがないところがある。鼻かんだティッシュは机の上に置いとくし、ガンプラはやりっぱなしだし。

Twitterだって、最近は気をつけてるけど、前まではリオが言わなきゃその日の動画を固定ツイートにするの忘れてたりとか。


あとマネーも考えなしに使ったりして、けっこう世間知らずなんじゃないかと思ってる。頭がバヤ。

人のことからかって、子どもみたいにはしゃいだり、アニメやゲームに目をキラキラさせたり。

ボドゲやっててもカードゲームでも、昔っから負けず嫌いで、負けるとすーぐスネる。


家で2人でいるときだってそう。あれ取ってとかそれやってとか、あんたのおかーさんじゃないんだから。もうちょっと妹のことを気遣っても良いと思う。


そのくせ、リオがダル絡みすると「うざ」とか「きも」とか言って拒否る。ひどくね? けっこー、傷付いてんだけど。


「あ、リオちゃん。」


「なぁにレイちゃん。」


エゴサしてたらさぁ、『おめシス、今年のいい双子の日は何するんだろー』って。」


「あー、そういや去年はさぁ動画出してたねぇ。今年はなにしよっか。」


「今年はさぁ、レイも思い付いたことあってさぁ。ただねぇ、いい双子ネタっていうとちょっと弱いかもしんないなぁって。」


「あー、そうなんだ。」


「だからさぁ、」


あ、この顔は、何か良からぬことを企んでる顔だ。


「また来年もさ、なんかやろっか!」


来年なんて覚えてないだろーに。


「いいね、やろやろ!」


ほんと、しょーがない姉だなぁ。

#おめシス生前葬 に向けて

こんにちは、ゼロサンです。

今日は11月5日、おめがシスターズさんのお誕生日、もとい生前葬に向けて、この文章を書いております。

いわゆる、はなむけの言葉ということになりましょうか。ここからまた新たな1年を刻んでいく、という意味でも。(お悔やみと言うともう死んだみたいになるので)


おめがシスターズ様

お誕生日おめがとうございます。いつも、動画楽しく拝見させていただいております。

日頃、たくさん応援もさせていただいていて、本当に幸せな時間をたくさんいただいています。


先日お会いした際には、ロクな会話にもならず、ただただ想いを叫ぶだけになってしまい、非常に戸惑われたと思います。大変申し訳ございません。

また再チャレンジできる場があれば、今度こそきちんとお話したいです。


いつも、楽しい動画を投稿してくれて、本当にありがとう。2人が次はどんな動画を投稿するのか、サムネはどうなのか、企画は、なんて考えている時間は、すごくすごくワクワクして、そして動画を観て、感想を考えているときもやっぱり楽しくて。2人のおかげで、毎日心がウキウキしています。おめがってるよ!


Twitterでも、YouTubeでも、いつもファンのことをよく見ていてくれてありがとうございます。時々、そんなに見ていてくれて大丈夫なのか、無理してないかと、身勝手ながら不安を覚えることがあります。弱いオタクを許してください。


リオちゃんは本当にTwitterの使い方を心得ていて、リプライが巻き込みだと巻き込みをきちんと外してお返事したり、イベント事のあとにはリプライへの返事といいねを交互に行なって規制を避けながらみんなに返事しようとしたり、少し意外な丁寧さにほっこりしています。

とある歌動画へのファンからのリプライに対して、「その人が本当に言いたかったこと」を汲み取って、静かに「ねぇ、わかる。」と優しく返事をしているのを見て、俺に対してのものではなかったのだけれど、泣いてしまったことがあります。リオちゃんの、ファンの思いを理解する力と、想う心には、いつも驚かされます。繊細で優しいリオちゃんのことが大好きです。動画投稿ツイートへリプライすると、エゴサーチしたツイートにリプライ飛ばしたのかと思うような返事をたまにくれるのもびっくりしてます。

(※例:upd8缶バッチ開封動画で、「リオちゃんみんな知ってたって嘘じゃん?」みたいなツイートがエゴサーチに引っ掛かったあと、そんなこと微塵も触れないリプライを飛ばしたのに、「リオはみーんな知ってた🥺」ってお返事が来た)

あだ名をつけてくれたときにも、「その人のことを知らなければつけられない」ようなあだ名を考えてくれていて、自分以外へのリプライでも思わず震えてしまいました。


レイちゃんは、ツイートに直にリプライを飛ばしてくるときに巻き込みをしたり、人のTwitterホームをエゴサ代わりにしたりと、とてもお茶目なところが本当に可愛くてめちゃくちゃ大好きです。upd8へのリプライに俺を巻き込んだのも、年末のアレで俺がリツイートしたツイート軒並みいいね&リツイートしてったのも忘れてないからな。

たまにレイちゃん自身の趣味に関するツイートをしてくれるとき、好きなものを共有したいんだなと思ってすごくほっこりして癒されています。

レイちゃんからのリプライは、リオちゃんよりも貴重で、エゴサーチやフォローバックの感じからしても慎重派なのかな? と思うのですが、そうした反応がレイちゃんから来ると本当に嬉しいし、初めてのリプライは一時期ヘッダーにしていました。

1周年記念の生放送告知へのリプライに、いつも通り「大好き」と送ったとき、「いつも好きって言ってくれてありがとう」と返してくれたり。ニコ超のミカカTVのイベント時に「おめシス、手振り返してくれるけど見えてるのかな?」ってツイートしたら「(見えてるよ)」と直リプライしてくれたり。あのときは流石に震えながら号泣して、隣の席の知らん人に心配されました。レイちゃんに神経系握られてるオタクと言っても過言ではありません。あと、そのとき「おめシスパーカーの人だ!」って言ってくれてたのも覚えてます、びっくりしました。


そして、会うイベントのときに、顔を覚えられていたのは本当に驚きました。覚えていてくれて、ありがとう。

でも、やっぱりミカカTVのときには、2人にご迷惑をかけてしまっていたので、覚えてもらっていることに申し訳なさを感じていました。何度でも謝ります、その節はすみません。


ファンのことを見ていてくれて、ありがとう。寄り添ってくれてありがとう。時間をかけても、リクエストに応えてくれて、夢を一緒に叶えてくれてありがとう。

消えてしまった歌動画を復活させてくれたとき。『恋のカトレア通り』を動画に残してくれたとき。おさかなという俺の相互さんがずっと「フルで歌ってほしい」とつぶやいていた『ホウキ雲』を、ダンベル太郎さんというおめが団の人の音源で歌ってくれたとき。お話する企画をしてくれたとき。新しいiPhoneの紹介してくれないかな〜なんてファンが言い出す頃にちゃんと紹介してくれたとき。

色々な制限がある中でもファンのニーズを的確に汲み取ってくれて、自分たちのやりたいこととして実現してくれることが、どれだけありがたいことかと思っています。


2人がいるから、他にどんなことがあっても、毎日が楽しいです。

「おめがってる?」が「心がウキウキしてるかい?」という意味ならば、毎日、毎日おめがってます。


どの動画も、見どころがたくさんあって、おめシスを観始めてから毎日iPhoneに「ストレージがいっぱいです」と怒られています。スクショポイントが多いおかげで、おめシスのスクショだけで1万枚超えました。ありがとうございます。たまにリプライに使っています。


検証動画が好きです。順序立てて分かりやすくおかしな検証を行なっていく様は、興味深くて、楽しくて、面白い。ちょいちょいレイちゃんがリオちゃんを実験台にしている動画もあって、ひどいけど笑っちゃったりとか。

ちゃんとした検証も、堅苦しくなくトリビアを学べたり、iPhoneのダークモードの検証ではあんなに違いがでることが分かったりと、時々観ているだけで賢くなれるような気さえしてきます。

あと個人的に都道府県を落とす動画、最初にずっと地元が映っててうれしい。


ボードゲームの動画が好きです。レイちゃんの叫び声が尋常じゃないときが多いですが、それがすごく楽しそうで、リオちゃんもたくさん叫んだり笑ったりツッコんだりしていて。2人が楽しそうなだけで、観ていたくなります。

これからもボードゲームの動画を出してください。是非、バーチャルスクランブルのときに某おめが団さんがプレゼントBOXへお届けしていた『UNKO!』をプレイしてみてほしいです。動画待ってます。


Blocksでモノ作りをする動画が好きです。ジャングルクルーズ選手権も、ポケモンモデリングも、着ぐるみも、とんでもないものが出てきて笑ってしまいました。さすがの発想力。

ご自宅紹介動画で綺麗に風呂・トイレ・台所・編集部屋とリビング・撮影部屋・寝室に分かれていたときには、企画を超えた何かを感じました。もしかして最初からそのつもりだったのかもしれないけど。


利き○○選手権を含む、食べ物を使った動画が好きです。食べ物で遊んでると言われればそれまでですが、それだけではない気概を感じます。よかとちゃんに影響されてポテチ開封動画で食べ始めたところから始まったあの技術、一体どうなってんだろう。

利きシリーズでは惜しいことが多いのもツボです。視聴者から見たら分かるので、「あぁ違う違う!」ってなる。あと新しい食材を発見しようという企画で納豆が常連なのも笑います。めんつゆバターで美味しくなったけど、これからも頑張って、納豆。


開封動画が好きです。ほとんどがレイちゃんの趣味動画ですが、レイちゃんが楽しそうにしているところを見るのは本当に楽しい。ワーッと騒いでいる声が、姿が、大好きです。

最初は渋々ながらも付き合うリオちゃんだって、すぐにワイワイと騒いで、一緒に喜んでいて、仲の良さが伝わってきます。「いいの出たの?」って聞いてるの、たまらなく可愛い。


ゲーム実況動画が好きです。カップヘッドも、死にゲーなのに最後まで続けていて、終わったときには何とも言葉にできないほどの感動を覚えました。

息が合っていて、神回避も多い。リオちゃんを助けようとしたり、リオちゃんと一緒にクリアしようとしたりするレイちゃんが好きです。でもホラーゲームでは優しく声をかけて、リードしていくイケメンリオちゃんが好きです。


コラボ動画が好きです。生放送やコラボは緊張する、なんて言ってるけれど、とんでもない。普段通りそつなくこなし、楽しそうにお話する姿に、こちらも楽しくなります。

トーク力もあって、でもそうした技量だけじゃなくワイワイ楽しんでいて、俺みたいな隅っこで縮こまっているホコリみたいなオタクが言うのも何なのですが、嬉しいなと感じています。


リアルワールドに行く動画が好きです。おめシスの可能性が感じられて、たくさん色々なところで遊んでいる姿が可愛くて、面白い。同じ世界に2人がいる、そのことが実感できるだけで、2人の存在がぐっと身近に思えて、胸が熱くなります。


コントが好きです。「風邪のときに見る夢」「リオちゃんがイン・フルエ・ンザのときに見た夢」なんて言われることも多かったですが、わけがわからずついていけなくてもきちんと面白いのが好き。最早コントというより演劇では?


ドッキリが好きです。バーチャルならではの技術を駆使したり、単純に驚かせるものだったりと、レイちゃんの発想力が一体どこから来るのか不思議ですが、それでも平和なドッキリをしていてくれるところが好きです。最近はレベルアップしているので、視聴者としても「これは騙されるわ!」と驚いています。

リオちゃんも怒らずに付き合っていて、2人の信頼関係がうかがえます。楽しい。一番最初に好きになったのはスパイダーマンのドッキリでした。


歌動画が好きです。最初の頃のソロも好きだし、2人で歌い始めてからのものも好きで、動画の背景や撮り方を変えてからも好きです。研ぎ澄まされたレイちゃんの歌声と、幅広い音域で多彩に歌い上げるリオちゃんの歌声が、どんどん洗練されていく様子に圧倒されます。

透明声彩の清楚なレイちゃんも好きだし、白日の意味不明なレイちゃんも好き。歌っているときは必ずとても優しい顔をしているリオちゃんのことも本当にめっちゃ好きです。


他にもたくさんの動画が好きです。いつも楽しんで動画を撮っていてくれるのが伝わってきて、それでもきっちり技量があって、観やすくなっている。

いつもありがとう。いつも大好き。


どれだけ「好き」と「ありがとう」を伝えたいか、これで伝わってくれたら嬉しいなと思っています。

誕生日という大切な日を、生前葬なんていう大切なイベントを、ファンと一緒に過ごそうと思ってくれてありがとう。


大好きです。これからも、応援させてください。そして、好きでいさせてもらえたら嬉しいです。


生前葬ということになりますが、まだまだこれからも伸びていくバーチャルYouTuberさんであることに変わりはありません。

これからの発展も、ご成功も、そして楽しく幸せに過ごせるように、ともお祈りいたしまして、はなむけの言葉とさせていただきます。

新たな1年への門出が、健やかなものでありますように。

 

改めまして、誕生日おめがとうございます!!! 生前葬楽しみです!!!


余談ですが、俺はレイちゃんガチ恋オタク兼おめがリオの夢女子なので、どちらのことも大好きです。


それでは。

おめシス『白日(hakujitsu)』を聴いて。

こんにちは、ゼロサンです。

今日も元気に推し事の話です。


おめシスが、King Gnu(きんぐ ぬー)の『白日(はくじつ)』を歌いました。

まずは聴いてください。

白日 / King Gnu by おめがシスターズ - YouTube

その上で受け止めるために時間が必要な人や、聴くまでに前準備が必要な人、その他ものすごく暇な人などは下の文章に進んでみてもいいかなという駄文です

時系列順に進めていくので、歌の感想が読みたい人は飛ばしてください。


歌を聴く前

元々今月中に歌動画を出すという話が出ていたので、ファンのみんなも、今か今かとそわそわしていました。話通りに今月出るなら、半年ぶりになる。次の動画かな。いつになるだろう。

そして、運命の日。10/29の15:28。リオちゃんからこんなツイートがなされます。

おめがリオ@妹の方 on Twitter: "今日動画あっぷ!絶っっ対に見てくれよ🥺💪🔥"

「絶っっ対に見てくれ」?

そんなの期待しちゃうに決まってる。

歌い直しかな。それとも、夏の映画の曲かな。ボカロかもなぁ。ガンダムかな。いや、11/5の告知だったり? 何だろなぁ。なんて待っていました。


19:00。タイムラインのみんなが騒ぎ始めます。いや、騒ぎ始めていた頃でしょう。

なんと愚かなことに、このとき体調を崩しつつ風呂に入ったせいでかなりグロッキーな状態で、時計を見る余裕がありませんでした。

果てしないデジャヴ。ホウキ雲のときも、透明声彩のときも間に合わなかった。お前はいつもそうだ。誰もお前を愛さない。逆に間に合わないときはすごく大切な動画が出ているのではないか。そのくらい、タイミングを逃すオタクです……。

何とか風呂を出てスマホの通知を見ると、YouTubeからのポップアップ通知が表示されていました。


YouTubeからの通知

『白日 / King Gnu by おめがシスターズ』


同時にTwitterの方でも、

おめがレイ@バーチャル双子YouTuber on Twitter: "半年ぶりの歌動画☆DA!!! https://t.co/VhRqJiD2gu… "

おめがリオ@妹の方 on Twitter: "しろめって読んでましたすみません ↓↓動画はこちら↓↓ https://t.co/4Q44rEesN6 #おめシス… "

 

 

🔥ゼロサン🔥 on Twitter: "は?"

 

いや、「は?」ですよ。呼吸が止まりました。以前、相互さんに「勉強用に音楽聴きたいんだけど何かない?」とお尋ねしてオススメしていただいて以来めちゃくちゃ好きなKing Gnuの『白日』を、おめシスが?

俺の好きな曲を推しが今回歌う。推しが今回歌う曲が俺の好きな曲。微妙に異なる2つの感情に翻弄されました。しかも、アニメソングやボカロ以外の、邦ロックというジャンルで。


死屍累々のタイムライン

あまりのことに混乱し、ぶつ切りの単語でタイムラインを荒らしながら、既に聴いた人たちの感想を追います。

遺言をつぶやいたり、「やばい」しか言えなくなっていたりとほぼ死体が転がるタイムラインで、他に気になる感想が3つ。

①意外だが嬉しい

King Gnuが好きなおめが団、かなりいたようです。おめシスはどこからニーズを拾ってくるのだろうか。リプの中には、「歌ってほしい曲だった」という旨のものさえありました。エゴサからなのか、タイムラインを見てファンの好きな曲の傾向を把握しているのか……? あまりにも底知れないニーズの把握力に驚嘆します。一方で「意外な選曲」という声も見られました。

②歌声への純粋な称賛

「サビのレイちゃんの高音」や、「ラスサビ前のリオちゃん」といった言葉がタイムラインに並びます。文字を見ているだけでしんどい。絶対良いじゃん。「うまくなってる」などの声も上がっており、期待が高まります。

③MVのやばさ

「サイコレイちゃん」「シュール」という単語とともに、思考回路が秒で繋がるオタクが解釈を垂れ流していきます。お前ら妄想が早い。こればかりは観なければ分かりません。


様々な感想を眺めて、「聴いたらどうなってしまうのだろう」と怯えながら、「早くこっちへおいで」という道連れオタクたちに流されることなく、一呼吸おいてから動画を開きました。


聴いて観た感想

歌、うまくなってた。

🔥ゼロサン🔥 on Twitter: "おめシスが好きでおめシスの歌声が好きだから歌動画待ち望んでるし好きなことしてほしいと思いつつ歌動画1つ作る手間も計り知れない上におめシスのほぼ1話完結式のスタンスは全ての動画が新規の入口になり得るから歌系VTuberの溢れる今やりづらさを感じてるのかなと思いつつ新しい歌が聴きたい"

こんなツイートをした自分をぶん殴りたい。

やりづらい? んなわけあるか。少なくとも、「やりづらい」なんて理由で諦める人たちじゃない。

明らかに変わっていました。「絶対に良いものを出す」という気概が、こだわりが、そこにはありました。

ここからは、それぞれの歌声の特色や変わった点、惹かれたところ、MVの感想に触れていきます。


リオちゃん

一言目を発する直前、息を吸った瞬間にその世界に引き込まれました。

元々低音で優しく響くようなハスキーボイスを持っているリオちゃんですが、そのハスキーさが高音部分でも発揮されていました。

いつもは高くなると可愛くなるのに、今回は高くても優しく包み込むような声。そして、ドンと響く美しい低音。音域の幅が有り余るリオちゃんだからこそ歌いこなせる。

あまりに見事で、思わず「バーチャルにあるまじき確かな存在感」などというリプを送ったところ、

おめがリオ@妹の方 on Twitter: "おれたちは確かに存在するんだぜ☺️🤝おめがと🥺… "

こんな返事が来て、猛省しました。


原曲リスペクトの発音の柔らかさ、丁寧さ。速くなったり一定の落ち着いたリズムになったりと難しい曲なのに、単純な技量で補える域を越えて、感情まで伝えるような、質量のある安定した歌声が心に響く。それでいて繊細さも兼ね備えていて、リオちゃんの性格を表しているようでした。


 後悔ばかりの人生だ

 取り返しのつかない過ちの

 一つや二つくらい

 誰にでもあるよな


ここに言及していたオタクが多かった。この部分だけで「おめがリオに恋する動画」と表現する人も複数名観測しました。

2番まではまるで許しを与えるかのような優しい歌声だったのが、一転して嗄声(歌の技術としての"がなり")かと勘違いするレベルのパワフルでハスキーな声に変わり、聴く人を圧倒させます。

🔥ゼロサン🔥 on Twitter: "リオちゃんの「あるよな?」,嗄声(歌で使う技術としてのがなり声)かと思うレベルのハスキーさとパワフルさを兼ね備えているのにしっかりと発声しているおかげでこっちはハートフルコンボだドンですよしんでしまうわ"

 

「うんざりするよ」。それでも地続きの今を歩いて行く。過ちを許したり諦めたりするような優しいだけの歌声でなく、重みを抱えて生きて行く切なさ、失望、願いを、歌声でこれでもかと象っていく。

かと思えば今度はふっきれたようなドライさを表現していたりと、2人ともだけれども、歌声で繊細な表情を見せてくれる。

圧巻の技量に打ちのめされました。


あと、動き。「包み込んで」のところもそうですが、いつもボディーランゲージも使って表現するリオちゃんは、恐らく曲聴くときも歌詞聴き込むタイプな気がします。歌詞を重視するから、歌詞の通り動くような。

それから、歌うときはあんなに凛々しく優しい顔をするのに、過去を振り返るシーンみたいなとこ無邪気すぎて、女優かと。

決して表情がきっちりパターン化されているわけではない、だからこそ、想いが見えて来るような気がします。

1番から2番への「もう」の繋ぎも無駄に上手すぎて……、レイちゃんが落ちて驚く様子から2番に移るのがスムーズで、どうしてそういうところに技量を使ってしまうんだと疑問に思ってしまうほどでした。いや、シュール。


レイちゃん

歌い始めはサビからなのですが、リオちゃんのソロでサツマイモが左右に揺れています。鉢の中でもノリノリなのかと思うと、可愛い。めちゃくちゃ可愛い。なんだこの生き物。栽培キットがほしい。可愛い。


サビに入り、ニョキッと生えてきて、キビキビと格好良くノリノリで歌い始めるレイちゃんが謎にクセになります。ピシッ、ピシッとした動き、ずっと見ていたい。


あと左右にチクタク動くのがあまりにも可愛い。レイちゃんのシーンだけ、なぜか眺めてしまいます。落ちそうにへばりついてるのに、姿勢良くリズムを取っているのがシュールで可愛い。どうしよう。どうしたらいいの?


そして歌声! リオちゃんとは対照的に、ハイトーンでクリアな歌声が刺さります。「『ま』っしろな」の『ま』に心を掴まれた人も多いはず。リオちゃんがボディブローなら、レイちゃんは狙いを定めたストレート。


しゃくりの鮮やかさも流石です。音が激しく上下する難しいシーンも、そつなく、色っぽく歌い上げる。胸を打つハイトーンボイスがジャブのように何度も放たれ、限界オタクは失神寸前です。

しかもやはり、高音は更に綺麗になっていました。今までは可愛さのほうが強かったのに、胸をすくような透明感に加え、張りのある艶やかな "重み" を感じます。その上でキリッと歌い上げている。「すべてを隠してくれ」の伸びも最高です。

レイちゃんの歌声のおかげで、仄暗くどんよりした意味合いの歌で終わらず、『白日』のミクスチャーロックとしての本領を発揮できている……と、そう感じました。


だからあの…… 3:32〜、その綺麗な高音で、愛を歌わないでください…… より大好きになってしまうので……。


ただ、サ行とタ行をいつも通り甘噛みしてるのがどうやっても可愛い。


2人に関して

はぴねすゼロっち🤔限界オタク on Twitter: "いや美人(起きて準備済ませた)… "

いや、美人(2度目)。

じゃなくて。


最近、MVをこだわるようになったので、前みたいに2人で並んで歌うのはこれからは見られないなあと思っていました。だから、数少ない並んで歌っている動画の、目が合うところや、相手を見ているところ、縦揺れと横揺れの違いを大切にしたいな、と。

って思っていたところに、その面影を感じる動きが見られて、めちゃくちゃてぇてぇ気持ちになりました。

🔥ゼロサン🔥 on Twitter: "もうMVこだわるようになったから,前みたいに並んで歌う感じのは見られないのかな,って思っていたところに,その面影を感じる縦揺れ横揺れと目線が合う感じがダメだった(好きすぎて)… "

 

それはそれとしても、MV含め、先述したように、「次に出すときは前よりもハッキリと分かるレベルでクオリティを上げよう」、「前とは違うものにしよう」といった明確な目標を決めて出しているのかなと思っています。そのくらい、めざましい変化が起きていて。


動画という活動を通じて、それぞれに自分自身を見つめ直したり、相手とは違う自分、人から見られる自分、といったものを問い直したりしたことがあったのかもしれません。この数ヶ月、ハッキリとした変化とコントラストを感じます。


優しく力強い歌声で幅広い音域を歌い上げるリオちゃんと、狙いをすまして突き抜けるレイちゃん。2人の歌声の違いが出ていて、歌でも補い合っているのだなと胸が熱くなりました。

 

こうして、常に進化していく2人を追いかけ続けられることは、本当に嬉しいです。

見えないところでも努力していてくれて、いいものを届けてくれてありがとう。

リズム、音程、どれをとっても難しい歌にまた挑戦していて、尊敬します。


好きでいさせてくれて、ありがとう。


随分長々と書いた気がします。余計なことや、ズレたことも書いたかも。MVの解釈なんかは、もっと詳しいオタクがいるのでそちらに譲るとして、今日はこの辺で失礼します。


それでは。