zer0-san3’s blog

zer0-san3.hatenablog.comの漢字かな混じり墨字文バージョン。

#ういしぐれぇ しぐれうい先生にハマっている25歳女の感情

 こんにちは、ゼロサンです。先に言います、酒に酔って文章が推敲できません!!!!! ものすごく面倒くさい女からの7000字の長文怪文書!!!!!

 

 昨日友人と、お互い推しの配信やアーカイブを観ながら作業通話している最中に、無意識で「しぐれうい可愛いな……」とつぶやき「オタクの鳴き声じゃん」と言われました。

 そう、最近、イラストレータしぐれうい先生にハマっているのです。

 

 結構やばいハマり方をしている自覚はあります。VTuber含む二次元界隈に興味を持っていない人にすら魅力を熱弁し、仕事中にも当該人物について考えてしまっているのに、今ならまだ取り返せると思っている辺り、私はもう正気を失っているのかもしれません。アイコンやツイート通知を見るたびにドキドキするのは、本気でダメなやつだからやめろ。やめたい。

 このままでは、マズい。色々と。ちょっと助けてほしいくらい好きになっている。なのでひとまず考えを書き起こして、備忘録として個人的にまとめつつ、感情を発散させていこうと思います。

 

 はあ、しんどい(好き)。

 

◆ 知った経緯

 うい先生について、一応基本情報などをさらっておこうと思ってWikipediaを見たところ、「絵柄で影響を受けた人物」の中に私の大好きな漫画家さんがいらしたのでひっくり返りました。しぐれうい、好きだな……(オタク鳴き声)。私はまだうい先生を追い始めて間もないので、略歴などはWikipediaをご参照あれ。

https://ja.m.wikipedia.org/wiki/%25E3%2581%2597%25E3%2581%2590%25E3%2582%258C%25E3%2581%2586%25E3%2581%2584

 

 彼女はイラストレーターかつ、バーチャルな活動者です。

 私の周りはバーチャルYouTuberを追いかけている方が多いので、彼女がホロライブ所属『大空スバル』さんのママであったり、彼女自身がYouTubeでご活動されていたりといったところから知った方も多いと思います。かく言う私も、スバルさんに興味を持った際、「ママも可愛い方ですよ」という相互フォロワーさんからのリプライで、彼女の存在に触れました。

 それが2020年8月のやり取りだったんですが、よくよくリプライツリーを読み返してみると、既にこの時には「ういママ」として存在を知ってるんですよ。

※ 「そらママ」と同じ文脈で、バブみを感じるタイプの方だから「ママ」呼びされてると思ってた

 2019年1月からゲスト出演という形で配信に声を載せ始め、同年5月から自身のチャンネルでバーチャル世界での活動を始められているわけなので、どこかで知っていたとは思うのですが……。記憶が薄れていて、思い出すのが難しい。

 ただ、このときのことはよく覚えています。第一印象は、「顔がいい」。今(2021/5/17現在)とアイコンは同じだったかと思いますが、アイコンの顔がよく、好きなタイプだと感じました。だからこそ、その印象がどこまで配信で保たれているのか分からず、勇気が出なかったため、そのときはチャンネルのチェックをせずに終えました。

※ 「清楚」を謳って実際には清楚とは程遠い、みたいなタイプが表に出てきていたため、見た目とのギャップを危惧していた。そういうタイプの人は面白くて好きだが、うい先生の見た目だったらギャップが少ないほうが良いな、と。

 基本保守的な私の思考に、後悔することになるとも知らずに。

 

◆ 初めて、声を聞く

 私は終生、キズナなので、実はキズナアイさんとのコラボが、初めてうい先生の声を聴いた瞬間でした。うい先生は、犬山たまきくんとのコラボを始めとして、その繋がりから多々アイちゃんともコラボしていますが、その最初は確か2020年10月の『【BANトーーク!】#ゲーム下手くそVtuber』だったかと記憶しております。

 

 ここで初めて、「ういママ並」という大変不名誉な誹謗中傷/罵詈雑言にお名前が使われていることを知り、めちゃくちゃ笑いました。正直、これが第二印象です。わちゃわちゃしていて声の聞き分けがつかなかったので、改めて「声可愛いな」と思ったのはもっと後の、麻雀のときだったりします。

 

 麻雀でアイちゃんを甘やかすうい先生の図が微笑ましくて可愛くてしょうがなくて、この頃からほんのり「この人…… 好きなタイプの人だ……」となっていた気がします。

 ポンコツぽいムーヴをするけど、頭の回転が早くて、喋りが面白い。求められるリアクションもする。うい先生への言及が若干増えたのも、この辺りからでした。

 

◆ 少しずつ気になってゆく

 このタイプの人は絶対に好きなので、これまでの経験から恐らく本能的に避けていたのですが、アイちゃんとのコラボなどで必然的に接触回数が増えていきます。「ゲーム下手くそ」「麻雀」どちらもリアクションとトークが求められる企画の中、喋りの上手さに少しずつ惹かれていくのを感じました。

 二度ほど発言集をまとめた画像をツイートしたときに、「何故かアイちゃんよりうい先生やたまきくんの発言を多くまとめてしまっている」辺りで、もう怪しさ満載です。

 決定的だったのは、FallAIsという、キズナアイさん主催のFallGuys大会でした。

 全員がキズナアイさんのスキンで走るこの大会で、誰の視点を観ようかと考えた際のことでした。キズナーとしてキズナアイさんは当然のこと、KizunaAI株式会社所属loveちゃんもアイちゃんの身内枠として取り、元から応援していたおめがシスターズさんの枠も開き、スマホからならもう1枠くらいいけるかな? と選んでいたそのとき。なぜか、「あ、ういママ、おもしろそうだな」と思ったのです。

 

 なぜかは分かりません。喋りと、ゲームの下手さと、それでも何か起こしてくれそうという予感からだったのでしょうか。実際、うい先生の枠は喋りが面白くて、ドラマもあって、私自身実況にも熱が入っておりました。

 

 これもう好きでしょ、自覚してないの罪じゃんというレベルでこれ以外にもうい先生に言及しているツイートが多々あり、今読み返すとやべぇことこの上ないです。お前…… キズナーじゃ……?あっ

 

 

 そんなこんなで、FallAIs大会にて、うい先生のことが結構好きなんだなと、半ば自覚したのでした。

 

◆ じゃあお前は『イラストレーターとしてのしぐれうい』をどう見るんだ

 気になったら配信を観に行くのが手っ取り早い。でも、私が実際に配信アーカイブを観るのは、FallAIs大会からおよそ半月ほど後になります。これには、2つ理由がありました。この辺りの話は、動画にまとめているので、動画を観てくださった方は少しだけ飛ばしていただいて大丈夫です。(この動画が本稿のタイトルの元ネタです)

 

 一応テキストでも残しておくとして。

 「好きだなということを自覚しなければならない」と思った私は、アイちゃんとのコラボのおかげでYouTubeのオススメ欄に現れるうい先生を観ないよう格闘しながら生活していました。

 元々私は、顔がよくて声が可愛くて頭の回転が早くて喋りが上手くて絵が描ける女地雷なのですが、そういう女しか好きになれません。いや、そんなん、手持ちの自己肯定感では太刀打ちできない。今生でどんな徳を積めばそんなんになれるんだ。ドチャドチャにタイプなのに、怪物みたいに怖い。

 そうして、好きだから観たい気持ちと、好きだからこそ引きずり込まれてしまうという気持ちのせめぎ合いから、逃げようとしたのです。これが1つ目の理由でした。

 

 そして、もう1つ理由がありました。それは、とある女子大生のブログを読んだからでした。

 ざっくり説明すると、「ホームレスの街で、社会復帰しようとする人を支援するバイトを始めたとき、『他の子はもっと有意義な時間を過ごしているのに、私は何をやっているのか』と思ってしまった。初日に辞めるのは失礼だから続けたけど、続けるうちに自分の良くない感情が薄らいで、慣れていってしまう自分がいて、それが怖くて辞めた」みたいな内容でした。

 このブログに対して、私はこうした感想を抱きます。

 

 「自分が自分で嫌悪感を抱くような感情を持ったとしても、自覚できなかったであろう」ということがショックだった、という意味でツイートしました。自分が「そんなこと思うなんて間違っている」と感じるような、反規範的な気持ちや考えを抱いたとき、「私はそんなことを思う人間だったんだ」と自分の気持ちを精査して反省するより、「私はそんなことを思う人間じゃない」と自分の気持ちを塗り替えてしまうのではないか、と、危機感を抱いたのです。

 

 そして、不意に思い出しました。私はこのまま、"ういママ" を好きになってもいいのだろうか? 私は、自分の感情を精査せず、自覚しようともせず、しぐれういさんのことを、"ういママ" として好きになろうとしているのではないか? と。

 積極的に「うい先生」と呼ぼうと思ったのも、このときでした。

 私がうい先生のことを好きになろうとしているのは、この人がVTuberのママだから? 喋りが面白いから? 可愛いから? 問い直すたびに、不安が募ります。私はきっと、この人のことを今以上に好きになったら、この人が作るものは全部好きになってしまう。そんな盲目さがあることくらい、自分でよく分かっている。じゃあ、それでいいのだろうか。「好きなんだから好き」と思うことで、「私は最初からこの人の描く作品 "も" 好きだった」と、自分の想いを塗り替えてしまわないだろうか。

 

 うい先生は自己紹介をするとき、決まって「"イラストレーター" の、しぐれういです」と仰います。この人は、バーチャルYouTuberではなく、イラストレータなのです。そう名乗って、全ての仕事をしている。だったら、それに応えたい。そう思いました。

 画集などを買おうと思いましたが、一旦踏み止まりました。確かに、作品にお金を払うのは、プロに対しての礼儀です。でもそれ、本当に "作品" に払おうとしてる? スパチャのつもりで買おうとしてない? ……そう思うと、自信がありません。なので、まずは手っ取り早く絵を見ることができる、Pixivを漁り始めました。

 

◆ 作品の感想

 ぶっちゃけ、想定以上でした。絵を眺めている間は、この作品を描いている人が「バーチャルで活動している "ういママ"」であることを忘れられました。

 ひとつひとつの作品が、キラキラしていて、「こんなキラキラした世界に生まれたかった」と思えます。吸い込まれそうな瞳、柔らかそうな髪、どの要素も愛らしい。表情も豊かで、ひとつとして同じ笑顔はなくて、写っていない視線の先まで描くような、「読ませる絵」だなと感じました。

 特に好きなやつを挙げようかと思いつつ、色々思ったので、ここではあえてやめておきます。

 

◆ 完全降伏したわけ

 ここでは、初めてソロ配信のアーカイブを観たときの話をしようと思います。

 Pixivを全て漁ったものの、自分に対する悪魔の証明のような問いに、答えが出ずにいたため、Pixivの「すき!」ボタンとフォローは保留にしておりました。「本当に作品が好きなのか?」なんて、いくら疑ったところで、根拠を持って「はい」と答えられない。「好き」という気持ちは曖昧で、理由のある「好き」は他に取って変えることができてしまう。そういう風にも考えていました。ここでいっそ、作品が好きになれないと分かったなら、どれだけ楽だっただろう、とも。

 そんな弱った気持ちのせいでしょうか。YouTubeのオススメ欄に上がっていた、うい先生のアーカイブに、ついに手を伸ばしてしまいました。

 観たのは、こちらでした。

 いやこんなんが隣の席だったら私、高校時代どころか一生彼女なんかできませんでしたけどとビビりながら再生したら、隣の席のしぐれさんロールプレイから始まって最初から最後まで可愛いのでびっくりしました。そして、改めて顔がいい。

 ここで、思い出しました。そうか私は、この人が描いた、本人の顔を、他の要素よりも一番先に好きになったんだった。こんな、強いて言えばイラストレーターであることも女子高生ということも属性のひとつと言えるのかもしれないけれど、他に何の属性もないただの可愛い女意味もなくこんなに可愛いことに慄きつつ、「私はこの人の描いた作品が、ちゃんと好きだ」ということに安堵しました。

 そして、うい先生がこんなことを仰っていたおかげで、より好きになれたのでした。

 あ、言い忘れてましたが、私、性格の良い女も地雷です。

 

 それから。

 お絵描き配信のアーカイブを、観たことがあります。左手デバイスを使いながら、描いては戻り、描いては進みをよどみなく繰り返す辺り、「ああ、絵を描く人なんだなぁ」と当たり前のことをじんわり実感し、そこで初めて「私はこの人の描く作品 "だから" 好き」なのだと、納得できました。

 作品 "が" というには、作品以外を見すぎた。作品 "も" や、 "まで" と表現するには、描くものが好きすぎる。作品を知ってより人柄を好きになれたし、人柄を知ってもっと作品を好きになれた。バーチャルな活動から、この人のことを知ることができて、結果的には良かったのかもしれません。

 願わくば、もっと前から知っていたかった。もう叶わぬ願い……。

 

 というわけで、私はうい先生に堕ちることに、抵抗するのを諦めました。

 しぐれうい、好きだな……(オタク鳴き声)

 

◆ 周年おめでとうございます

 なんかこの記事を書き始めた辺りでうい先生がツイートされてましたわね。

 毎度胸を抑えながらやっとの思いでアーカイブを観、20秒くらいで「は? 可愛すぎんか?」と止めてから再生ボタンを押すのを繰り返しているうい先生ニワカなので、まだ初配信のアーカイブにたどり着けていませんでした。不覚でした。今日周年か〜〜!! おめでとうございます!!

 記事を書き始めてすぐのツイートだったので、「周年なら0時に合わせよう」と思って時間調整してたら普通に今、朝の4時でした。南無。

 本当におめでとうございます。歌枠なのかな〜〜〜〜楽しみだな〜〜〜〜 という気持ちです。ワクワクしています。いぇい。

 

 

 

 ……また、激えぐ文字数怪文書を書いてしまった。

 

 ひとまず、ここまでご高覧賜りまして、誠にありがとうございました。それでは。

 

関連URL

◆ しぐれうい先生

YouTube:

Twitter:

Pixiv:

 

……壁|ω・`)チラッ

キズナアイさん

YouTube①:

YouTube②:

Twitter:

 ……い、一応、ね。キズナーだからね

 

 

2022.01.22加筆

喫煙したら心配性すぎて大変だった話。

 こんにちは、ゼロサンです。

 

 71番。

 

 これは好きだった先輩がよく使っていたロッカーの数字…… ではなく、鉄道唱歌の1番好きなパート…… でもなく、

 今日頼みたかったタバコの番号です。

 

吸うまでの経緯

 タバコを吸おうと思ったのです。半分は好奇心、半分は「喫煙者の友人と遊ぶのにいつも気を遣わせては申し訳ない」という気持ちで。

 私は非喫煙者であるというのみならず、喘息持ちで、タバコの副流煙ですら症状が出てしまうほどだったため、喫煙者の友人と遊ぶときには、とても気を遣わせてしまっていたのでした。

 しかしそれが、最近は特に症状が出なくなっていました。ストレスが軽減されたから? よく分かりませんが、改善されたのならば有難い限りです。身体のことはよく分からない。喘息持ちでもタバコは大丈夫という人もいるので、人によるのかしゃん。

 もし本当に大丈夫になっているのならば、吸えるはず。「大丈夫だ」という保証のためにも、一箱買ってみよう! ダメだったら即捨てる! という気持ちで、標題の事態になりました。

 

 ちなみに71番という数字は、献血後にセブンイレブンに寄った際、レジで前に並んでいたお兄さんが頼んでいたタバコの番号です。お兄さんは番号とともに銘柄も言っていて、その名前がどうにも口当たり良さそうな響きだったので、自分が頼むときにはそれにしようと思いました。ただ、肝心の名前は忘れてしまい、覚えていたのは番号だけになってしまいました。

 

 全然エモくない理由なのでした。

 

下調べ

 献血から日も空いて、身体の不調もなく、時間もしっかり取れる日に喫煙デビューをしようと思いました。店員さんに迷惑をかけず、「タバコデビューだな」とニヤニヤされないように予習もしなくては…… と計画を立てます。

 まず、タバコを注文するのに必要なものを調べます。昔聞いた話だと、確かtaspoなるものが必要なんだっけ? と検索すると、そうでもないらしい。自販機ではtaspoが必要なことが多いですが、コンビニでは免許証だけで買えるとのこと。へぇー!

 タバコを注文する際、番号での注文が一番親切なようですね。番号はコンビニの店舗によって変わるとのこと。レジ前で番号の確認をしてモタつくよりは、銘柄を覚えているなら銘柄だけでも先に言ったほうがいいですよ、とのことでしたが、とりあえず商品が違ったとしても71番にしようと思っていたので、一旦スルーします。

 行くコンビニは、献血の日に行ったところではなく、近所のコンビニ。なので、71番は思っていた商品とは異なるかと思います。まぁでも、71番があればいいでしょう。たぶん、パッケージの細かい部分まで覚えていられません。タバコの番号表のようなものがなかった場合、距離によってはパッケージや商品名が見えないこともあるかと思います。よっぽど71番がないことはないと思いますが、なかったら緑系のミントっぽいパッケージのものを選ぼうかなと。大丈夫、大丈夫……。

 

 次に、近くの喫煙所を調べます。コンビニの側に簡易的な喫煙所があるとは思うのですが、外の喫煙所は、非喫煙者(だった)の私には迷惑だなぁという印象がありました。屋内喫煙が禁止された近年、外か、もしくは店に入って喫煙スペースで吸うしかないという状況になっています。コンビニの出入り口の近くにある喫煙スペースは、副流煙流れ放題なので、毎度顔をしかめながらコンビニに立ち寄っていました。お願いなので、排煙設備のしっかりした、ドア付きの喫煙スペースを作ってほしい。

 調べてみると、喫煙所マップなるものがJTさんのサイトにあることを知りました。これは便利だ! 外の喫煙所なのか、分煙化された飲食店なのかも分かります。

CLUB JT

 

 調べていてふと、思い当たります。私の住む場所は豊田市。3歩進めば喫茶店な愛知県では、皆さんそれぞれに行きつけの店舗があり、こだわりの方向性で差別化されているため、客がバラけ、必然的に密は回避されます。

 確か近所の私の行きつけに、ドアで仕切られる形で分煙化された喫茶店があったはず。非喫煙者だからこそ愛着を持って通っていた喫茶店へ、まさか喫煙するために向かうときが訪れるとは、想像すらしておりませんでした。

 

 下調べはバッチリ。ようやく、初めての喫煙チャレンジです!

 

買いに行こう

 調べたことを頭に入れ、コンビニへ向かいます。家族には、心配から喫煙を止められているので、バレないようにしなければなりません。タバコのにおいが嫌いな人もいますし。

 親が出掛けてから作戦スタート。午前中に買い物へ出掛けたこと、リサイクルする資源ごみなどを持っていたことから、母方の祖母の家へ行く途中のリサイクルセンターへ資源ごみを置いて、畑などを手伝いに行くのだろうと推測を立てます。買い物ならば30分程度ですが、祖母の家ならしばらく帰ってこないはず。

 ここで着替えを始めます。着替えやすく、すぐ洗濯でき、繊維が複雑でなくにおいが落ちやすい素材で、ラフで、いかにも「休日にタバコが切れて急遽買いに来た客」のような格好をします。

 Aプラン、ずっと家にいたことにする作戦のため、帰ったらまたパジャマに着替えられるよう、脱いだパジャマを一階の風呂場に放っておきます。Bプラン、買い物のために外へ出掛けた説明をする作戦のためにも、怪しまれない位置にパジャマを置いておく必要がありました。

 前者は完全に知らないフリをし、かつタバコ臭さを抑えて家で過ごせるようにするためのプランで、後者は前者が失敗したとき用のプランです。アリバイ工作は複数同時に進めておくことで、何とでも言い訳出来るようにしておくのが私の流儀。

 父方の祖母が部屋で寝ており、兄も自室にこもっています。祖母がリビングにいる可能性も考慮して行動していましたが、A、B両方とも問題なく遂行できそう。

 持ち前の足音のなさを活かして、玄関でなく勝手口から家を出ます。車は使いません、エンジン音でバレるので。ついでに、後払いにしていたグッズの支払い番号をスマホ画面に表示させた状態で、画面をオフにします。もし見つかって何か聞かれたら、これの支払いに行ったことにします。

 外へ出ると、玄関のドアが開いた音がしました。バレたか!? いや、まだ大丈夫だ……! 玄関の前を通過してコンビニに向かう道が閉ざされたため、反対側の道へ出て、少し遠回りをしてコンビニへ向かいます。

 雨の予報でしたが、傘は持ちませんでした。予報を知らなかったことにします。雨に濡れれば、においも落ちやすい&気になりづらいですし、着替えざるを得ず、出掛けたことがバレた場合に好都合なので。だから今日を選んだ、というのもあります。

 最悪の場合には、喫茶店に行ったから、においがついたということにも出来ます。分煙の進んでいない喫茶店へ行ってしまった、次からは気をつける。これでよし。

 せっかくの遠回りなので、道なりにある喫茶店以外の喫煙所も確認しておきます。喫茶店へ向かうには、帰りに母が通る道も通らなくてはならず、リスクが高いためです。気分はさながら、デトロイトビカムヒューマンでデトロイト市警に追われるカーラ。リスクがパーセンテージで見えそうです。

 人通りの少ないところにある、(棚に一切商品を置いておらず、ほとんどコンビニとして機能していない)コンビニや、薬局の裏手など、なかなか使えそうな喫煙所も見つけたところで、目当てのコンビニに到着します。タバコに近い方のレジを確認し、ライターを買うのにレジ付近を探しますが…… ない!?

 ライターってレジ付近に置いてあるものだと思っていたのですが、そうでないことを知り戸惑いました。コンビニの中をウロウロ探し回る様子は不審者。これはまずい!

 仕方ないので、ストレスを誤魔化さないと生きていけないような限界人間を装うために、エナジードリンクを手に取りに行きつつ、ここで買うのは初めてだという体(てい)で探します。横目でチラリとタバコの棚を確認。横6×縦7の棚が2つ、84種類ということは、71番がある! エナドリは、ローヤルゼリー配合だと飲めないので、手軽にモンスターにでもしておきます。

 たぶん電機コーナーにベープがあるから、そこだな!? とようやく目星をつけ、店内を2周して発見。あった……! なんか種類あるけど、安い方でいいや。そうか、普通は電機コーナーにあるのか。

 モンスターとライターを持ってレジに並び、会計を始めるときに「あー、すみません」とダルそうに奥を指差すと、店員さんが察してどいてくれます。ペコっと頭を下げて番号を確認すると、……ええ!?

 71番がない。番号は80番から。そんなことある!? ダメだ、ここで狼狽えてはいけない。「えーと、」私はここのコンビニで買うのが初めてなだけの喫煙者、私は喫煙者、喫煙者なんだ……! 「あれ、何番だったかな?」なんかあの緑のやつがミントっぽくて吸いやすそうだぞ!「えー、124番か。お願いします、すみません」

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 無事に買うことが出来ました。500円、たっか! いや、一本がコーヒー1杯と同じくらいのリラックス度と考えれば安いのか。Menthol 5と書かれており、何となくスーッとするのかな? と思いつつ、モンスターを飲みながらパッケージを破ります。

 喫茶店へ行こうとしたのですが、向かう途中で見つかったら面倒なのでやめにし、下調べした薬局の裏手へ向かいます。

 

吸う、吸うぞ!

 周辺20m以内に人がいないことを確認し、まずはライターのつけ方を調べます。以前友達と花火で使った際には、指を火傷しそうなほどの熱さだったような。ぐっとチカラを込めてみますが、ちっともつきそうにありません。おかしいな? と思い、つけ方の書かれたサイトを読んでみると、このタイプは握力が必要とのことで、思い切りチカラを込めます。何とかつけることが出来ました。

 つけ方が分かったところで、タバコを出します。一箱12本だったっけ、一本吸えたら1ヶ月で全部吸えればいいかなぁという気持ちで開けたら18本入っててビビり上がりました。お得じゃん……。

 箱の底を叩けば一本出てくるんだぜ、俺は詳しいんだと独り言ちて叩いてみても出ず。ぎゅうぎゅうに詰まっていたので、指でほじくり出しました。

 咥える前からミントの香りを感じ取り、早速咥えてライターで火をつけ…… つかない! 風つっよ!

 片手を風除けに、うーんうーんと捻ってカチッと音が鳴るも、5〜6回は失敗し、10回ほどで何とか煙を燻らせることに成功しました。念願の一吸い目、いざ……!

 二次創作やエモめの創作で見かける、「あいつのタバコを吸ってみたらむせて泣いた」みたいなのが起こるんだろうなと思ったのですが、案外初めての喫煙なのにむせませんでした。「君のにおいがしたのさ 君のにおい 一口吸ってしまった…… でも、やっぱりむせた」と、コレサワさんの『たばこ』でも流そうかと思ったのに、全くむせません。しかし、正直これが狙いだったことも事実です。

 むしろ、ミントが効きすぎて、それで鼻をやられそうでした。あと、ストレートに吸えば全くむせませんが、口の中に溜めてから吸うとむせます。不思議な気分でした。自分の口から、異臭をまとった煙が出る。非喫煙者だったからこその、周囲の環境に対する申し訳なさと、くっせぇなぁという嫌悪感はありましたが、特に頭がぼんやりするとかそんなことはありませんでした。

 一本吸い終わった後で、キッチリ火を消します。火事になるといけないので。そして、18本は吸い終えるのに結構かかるのでは? と思い、もう一本吸うために箱の底を叩くと、今度はピョコっと出てきます。2本目も難なく吸い終わり、さすがに初めてなので一度に3本はやめた方がいいと思ってやめにしました。

 

事後処理

 大変でした。まず、思ったより口が臭う。めっちゃヤニの臭い。息を吐くと「あ、これがヤニの臭いか」と。焦げたような重い臭いに化学薬品的なツンとする刺激が合わさって、驚くほど臭い。

 思わずツイートしてしまいました。

 すると相互フォローの方からリプライで、「タバコ用のブレスケア」の存在を教わりました。自販機で買ったフルーツ味の水でうがいをし、コンビニに向かうと、次第に雨が降り始めます。ラッキー。風邪引きませんように。

 びっしょびしょになりながらコンビニに寄り、においケアの方法を調べつつブレスケアを探すと、タバコのにおいは脂溶性という事実を知り、タバコ用のブレスケアは見当たらなかったのでブレスケアとフリスク、そして、いけないとは思いながらドレッシングを買って服用します。脂溶性だから……。

 家に帰るところで電話がかかってきました。親からです。バレました。「出掛けてるんだけど雨が降ってきちゃった、あと少しで家に着く」と言うと「風呂沸いとるよ」と言われ、運が自分に味方したことを感じました。すぐ洗い流せる! 帰宅して即、誰とも話さずに風呂です。

 

 前に、特殊清掃の人が、「洗っても洗っても手から血のにおいが落ちないという犯人などは、大抵鼻の粘膜ににおいがついているだけ」と言っていたのを思い出し、きもち入念に手洗いうがいしたあと鼻毛を処理して鼻うがいをしました。だいぶ、自分の感じるにおいは落ちた!

 風呂ではまず、体毛から先に処理をします。体毛は身体の表面積を増やすので、においを保持しやすいためです。

 きちんと剃り上げ、今度は皮脂をしっかり落とすために身体を隅々まで洗います。脂溶性なら身体の皮脂にまとわりついている可能性が高いためです。指や、ひかがみ、耳の裏などが皮脂が残りやすい場所です。

 普通のことですが、剃毛はしっかり効果ありました。その後は保湿をして残った臭いを閉じ込める!

 

 だいぶにおわなくなりました。あとは、今日は口を開かずに過ごすだけです。今のところ、バレてはいません。念のため、寝るときにはマスクをして寝ます。

 

 また知見が溜まったら放出しますね。

 長々と読んでくださって、ありがとうございました。それでは。

献血した話。

 こんにちは、ゼロサンです。

 昨日4/29(木)、人生初の献血に行きました。

 

 場所は、豊田献血ルームです。愛知県の豊田市に住んでることは明かしているので、まぁここが妥当だろうということで。

 豊田市駅新豊田駅の間にある、ペデストリアンデッキというクソデカい陸橋へ上り、松坂屋の9階まで階段を上っていきました。エレベータもエスカレータもありましたが、エレベータは何となく密だし、エスカレータの場所は分からなかったので階段にしました。

 

 献血、ずっと気になってはいたのです。以前豊田市駅を通ってたとき、よく旗や案内を見かけてました。あの時からずっと、「やってみたいなぁ」と思いながら、あの頃は睡眠薬を常用していたので行けませんでした。今はもう、精神疾患寛解しているので、薬も飲んでないし行ってみるかと思い、足を運んだ次第です。

 

会場到着前のこと

 事前に献血の情報は、サイトを検索してある程度知っていました。それから、どのような場合に献血を断られるのか? は、こちらのしゅんPさんというドクターYouTuberさんの動画を参考にしました。

 実際に献血してみても、聞かれることはこの動画の通りでしたし、何故断られるのかという理由も説明されてらっしゃるので、参考になると思います。

 一番不安だったのは「輸血を受けたことがあるか?」という項目でしたが、全身麻酔の手術を受けたときの書類等を確認しても、輸血はされてないようだったので、献血へ向かいました。

 

 体験記も目を通したことがあったものの、「無料でお菓子が食べられるよ!」ということしか覚えておらず、他のことは説明されるやろ! と思って突撃しました。

 

 さて、9階にたどり着くと、子どもさんや就労に困ってる方向けの福祉施設・設備が立ち並ぶ中、分かりやすく「献血ルーム」と示されていました。早速向かってみようとすると、困ったことにトイレへ行きたくなったので、トイレへ向かいます。

 血を抜かれるのだからそれなりに時間もかかるし水分も必要だろうと、トイレは心配ない程度に充分に済ませ、水分を摂ろうとしたものの、自販機が見当たりません。仕方なくデパート内を探しながら下り、発見できずに豊田市駅まで戻って自販機で飲み物を買って戻ってくると、9階に自販機がありました。不覚。献血ルーム内に無料の自販機もあった。更に不覚。

 そう、自販機なのに無料なんですよ。お金入れなきゃ〜って見た目してる自販機なのに、押すだけで出るの、結構ビビります。

 

会場内でのこと

 色々と済ませて中に入ると、受付の人がすぐに話しかけてくれます。献血何回目ですかと聞かれて初めてですと答え、数項目デカデカと書かれた超簡単な問診表を見せられ、「この中に当てはまるものはないですかね」と聞かれます。ないです、と答えると、献血カードなるものを作るための個人情報記入用紙を渡され、それを受付の人に見守られながら記入します。

 その後「準備が出来たらお呼びします」と言われたので、茶菓子パーティだ! と思い、先程述べた通りビビりながらお茶を入手、したところで名前を呼ばれます。お茶を持って行こうとすると、「精密機械がありますので置いてきてください」とのこと。その辺の座席に置いて、改めて受付開始。

 タブレット端末による再度の問診と、献血カード用の暗証番号と生体認証の設定をしました。その後は整理番号のバンドを手首につけられ、血圧を測定します。

 さて時間が空いたので茶菓子パーティ、と思ったら、カップのお茶を飲み干したところでまた呼ばれる。簡単な血液検査をするため、指先にプチっと穴を開けられ、採血する方の腕に湯たんぽを当てられ、また問診されてフロアへ帰されます。

 隣の親子がお菓子を取っていってたので、お菓子ここにあるんだ〜と眺めに行こうとしたらまた呼ばれる。今度は最終確認、医師による診察ですが、先生もルーティンなのかサッサと聞いて終わりって感じでした。

 献血って、問診が厳しいイメージがありましたが、厳しいというより何重にも問診されるって感じでした。確認、確認。

 今度こそ、茶菓子パーティのためにすぐお菓子を手に取って飲み物を準備…… したところで、また呼ばれます。今度こそ、採血です。あまりゆっくりしている時間はありませんでした。

 

ついに献血

 中に入ると、「飲み物はいいけどお菓子はダメかな、お腹空いてたの?」と聞かれました。や、食べる時間あるかと思ったらなかったんです。「あとで食べます」と言って持って入ります。

 歯医者の椅子みたいなやつに横になって、血圧を計り、献血する方の手を差し出します。ヨードで消毒をし、それが乾いたら採血を始めますと言われ、震えながら待ちました。そう、何と言っても私は、注射が苦手なのです。どのくらい苦手かというと、20歳を超えてからの予防接種で、「これ痛くないですか!? 痛いですよね!? 痛いですよね!!?!?」と喚いて看護師さんに取り押さえられたほどです。

 ただ、もうあの頃とは違います。全身麻酔による手術の際に、嫌というほど色々な種類の注射をされたのだから、耐えられないわけがない。そう、もう大丈夫。大丈夫、大丈夫…… だけど……、「あのー、これ、痛いですか?」と、不安になって聞いてしまいました。

 「そうですね、病院の検査で採血するときの針より少し太いので、やっぱりチクっとすると思います」

 ふ、太いとか細いとか、そんなに違いあるんだ…… それってどのくらいなんだろう、と思いながら、でも、これで採血する看護師さんも、私が注射苦手な人だって分かっただろうと思い、「お願いします……」と一応断っておきました。何を? どうしたって痛いのに?

 そして、その時が来てしまいました。看護師さんが、針を準備します。私も太って血管が出づらくなってしまったため、慎重に腕を探りながら、おもむろにヌッとそれを取り出しました。え!?!!?

 いや、あの、もう、太いとかそういう次元じゃない、あの、ちょっと、針の先っぽに裁縫針の糸通しみたいな大きな穴が見えるんですけど、採血用の穴ですかね!? それ、それ血管に入るってマジですkあああああ!!?!?!??

 恐怖を覚えるが先か針を刺されるが先か、あっという間に入りました。チクッとした痛みと同時に、ぬるり、と体内に入っていく感覚がたまらず、身体にチカラが入ります。背中に体感サーベルみたいな太さの注射をぶっ刺したことはありますが、今回は腕なので勝手が違います。

 ただ、痛みはそんなに長く続きませんでした。時間は、全血献血だったので15分程度でした。問診から考えると、全体で45分くらいだったかな? 成分献血だと、血液から成分を分離して、使わない方を体内に戻すので、もっと時間がかかるそう。

 採血中も、血の巡りが悪くならないように足を動かしてねとか、こういうリスクがありますとか、こういう場合は相談してください、こうだったら連絡してくださいという説明で、あまりぼんやりしている時間はなかった印象です。

 血が抜かれていくとともに、何となく、頭痛を覚えた気がしました。

 

採血終了

 採血が終わると、タイマーで5分測り、その後再度血圧を計ります。ふらふらしそうで心配でしたが、健康的な血圧だったので、そのままゆっくり立ち上がって帰ろうとすると、案の定足が言うことを聞きませんでした。看護師さんの指示で横になり、「飲み物飲みましょうか、どれがいい?」と聞かれたので緑茶を頼みました。

 血圧は正常で、体重からしても400mlは特に問題ない量のはずでしたが、「緊張していたのも大きかったのかな?」と言われました。自分では実感ないけど、どうなんでしょう。

 しばらくしてから、起き上がれるようになったので、看護師さんを呼んで起き上がり、フロアに出ます。「よく水分摂ってね」と言われたので、水分を摂ろうと自販機へ向かうと、すぐ呼ばれました。茶菓子パーティできるなんて嘘だよ! 時間ないよ!!

 整理番号を外すのと、献血カードや駐車券を渡されるので呼ばれ、その後「ラブラッド」というサイトに登録すると血液検査の結果や献血の予約が優先されるようになるとの案内をいただいたので、登録。献血カードをめっちゃ格好いいやつにしてもらいました。提携している若宮パーキングに停めたので、3時間駐車料金タダでした。

 ここでようやくお茶菓子を食べ、お茶を飲みきり、献血ルームを出ました。感染対策もバッチリだったので、安心です。

 

気になること

 献血では、血液が11ヶ月間冷凍保存されるとのこと。といっても全てではなく、赤血球は21日間、血小板は4日間まで保存され、血漿のみ最大で1年間保存がきくんだとか。その血液がどのように使われるかというと、これが手術用の輸血に限らないようで。

 最近はCOVID-19の流行により、ウィルスに関する研究が以前よりずっと必要とされてきています。その研究に、献血で得られた血液が使用されることがあるらしい。どのような研究に使われるかというリストが配られたので読んでみると、これから先の研究はほとんどウィルス関連ばかりでした。

 自分の血液なんて、A型のよくある血液なんだから、使い物にならないなぁと思いながら、それでも興味本位と「少しでも使えたら」という気持ちで献血に行ったものの、そうか、血液型関係なく世の中に貢献できるんだなぁと少し嬉しくなったのでした。

 それから、献血ルームの皆さん、仕事に慣れてらして、意外とドライ。近所の皮膚科の看護師さんの方がすごく感情労働してくれる。でもいいんだ、きっとギリギリの現場で働いているんだと思うから、そのくらいドライでいてくれ。ほとんど「作業」なんだろうし、献血の現場で働いている方々が、どのような待遇なのかもよく分からないので。人々の命を守るために時間を注いでくださって、ありがとうございます。

 

 そんなわけで、人生初の献血でした。

 今後も時間を見つけて行こうと思います。それでは。

イボ治療した(する)話。

 こんにちは、ゼロサンです。コーヒーを飲み過ぎて、トイレが近いです。カフェインはアルコールと一緒!

 

 今日はイボの治療に行きました。以下写真載せるかもなのでワンクッション挟みつつ。

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 イボってご存知です? そう、皮膚にできる出っ張りのことです。私は「イボ」と聞くと、血豆のように赤い塊がポッコリと出てくるのを想像していました。

 私は、数年前から、足の裏にウオノメのようなものがありました。ウオノメ。魚の目のように、真ん中が黒くなり、周辺が白くなる状態のことです。イボや水虫よりも、どちらかというとタコやマメに近く、皮膚の使い過ぎた部分に出来るものを指します。

 左足の親指に広がり、ずっとずっと、すごく邪魔でした。調べてみると、それがどうやらウオノメのようだとのことで、ハサミや爪切りで応急処置的に切除しながら、自然治癒するまで待とうと思いました。基本的には、どうすることもできないものですし。

 しかしこの1週間ほど、親指のそれが酷くなってきました。考えられる原因といえば登山ですが、それにしても尋常じゃありません。ハサミでめくっても根っこが深くて血がたくさん出るし、数も増えてきました。まるで水虫のように広がってきます。ウオノメコロリを塗りながら、数日ねばっても、成果なし。

 心配になって親に相談すると、「皮膚科に行けばいいよ。焼いてくれるよ、痛くもないよ」と言われたので、皮膚科に行こうと思い立ちました。そこで、こんなツイートをしました。

 すると、フォロワーさんからリプライが。「ウィルス性のイボじゃない?」と……。

 イボ? イボってあの、ポッコリと出っ張るあの、イボ? と思いましたが、どうも違う様子。写真を見てみると、ウオノメとそっくりでした。

 なるほど、これでは治るはずがありません。ウィルス性なので、足の裏に移りまくります。皮膚をどんどん侵食していくので、根もどんどん深くなっていくことでしょう。

 早めに対処したいと思った私は、1週間後の今日(昨日)、早速皮膚科にかかりました。……え? 遅い? 私にしては早い方です!

 

 痛くないよ、とのことだったので、呑気に病院へ向かい、幼稚園児以来出してなかった診察券を出して待っていました。予想外に人が多かったので、早く順番来ないかな、なんて思いつつ。

 そうしてついに看護師さんに呼ばれ、中に入った後には、覚悟を決めていなかったことを大きく後悔しました。

 

 「足にウオノメのようなものができまして」と言うと、お医者さんの「足出して」という少ない指示を、「靴下を脱いで足をこの台の上に乗せて、指をピンと上に向けてくださいね」とベテランの看護師さんが補強する形で診察が進みます。お医者さんが「いつ頃からなの」「どこらへん」と素っ気なく、早口で質問してきます。こちらが状況を説明するよりも早く、次の質問を繰り出し、気が付いたら診断までお話を終えていました。

 周りでは他の看護師さんが、様子を見ながらやるべきことを判断して、何やら器材を並べたり診察台を整えたり、慌ただしく動きます。まだ何も診断されていないのに、準備が早い。その場にいる全員がテレパシーで通じ合って、私だけが分からないような、そんな感覚に襲われました。

 

 「これ、イボだね。ウオノメじゃなくイボ。ウィルスで感染するんだよ。ご家族はいらっしゃる? 独身? 家族と暮らされてるなら家族から移ったかもしれないね。薬をつけたんだね、これからは絶対つけないでね」

 こちらの答えが必要ないかのような、質問に次ぐ質問。すぐに診察台に乗るように言われ、次のようなことを言われました。

 

 「液体窒素で凍らせます。切ってからその場所を凍らせてカサブタにさせて、またそれをやるからね。来週も来てね」

 あ、これが「焼く」ってやつか。

 「根が深いから何回もやるからね、これ酷いから」

 切らなきゃいけないし、酷い状態なんだやっぱり。ん? てことは……。

 気になって、質問してみました。

 「すみません、一個質問したいです。痛いですか?」

 

 「痛いね」

 

 即答だった。さっきまでの矢継ぎ早な質問と変わらないくらい早かった。マジか。痛くないって聞いてたのに。

 歯を食いしばり、身体の掴めるところをぎゅーっと掴みつつ、そう痛くありませんように……と祈りました。

 結果。

 

めちゃくちゃ痛かった!!!!!

 

 いや、治療中は意外と痛くなかったです。凍結させられてるので、感覚がなかったんだと思います。ただ、治療直後からめちゃくちゃ痛かった。意識して歯を食いしばらなくても、勝手に顔の筋肉がぎゅーっと縮まるくらい痛かった。痛くないって言ったの誰だよ、嘘つき!! と親に言ったら、そんな酷いと思わなかったとのこと。

 治療する前、これから2〜3日歩く予定ありますか? と聞かれました。そんなにか。そんなにダメなんか……と思ったら、そうじゃない。この痛みの中で歩くなんて、普通に無理。歩くのが苦痛になることを考慮して、聞いてくれたんだと分かりました。

 そしてこちらが、治療後のイボです(写真注意)↓

 

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 あんまり範囲としては大きくないのですが、根が深いようです。幸い、お風呂などの制限はないと伺ったので、今日はゆっくりお風呂に入りました。お湯が染みて親指取れるかと思いました。

 来週も行かねばならないとのことなので、これから治療頑張って行こうと思います。家族に移さないためにも……!

 

 それでは。

カマキリのプラスチック標本(いきもの大図鑑)

 

 こんにちは、ゼロサンです。

 

 今日、カマキリのプラスチック製標本のガチャガチャを回してきました。といいますのも、昨晩気がどうにかなりそうになり、唐突にカマキリが見たくなりました。

 何故と言われても、分かりません。分かりませんが、カマキリが見たくなったのです。

 そしたら、相互フォロワーさんがカマキリのガチャガチャを買ったというDMをくださいました。聞くところによると、「クオリティがすごいのだ!」とのこと。組み立て後の写真も見せてもらい、迫力とディティールに驚きました。

かまきり|いきもの大図鑑|ガシャポンオフィシャルサイト

 

 自分でも欲しくなった私は、「どこで売ってるの!?」とツイートしました。

 ガチャガチャなので、手当たり次第に探してみるしかないのかな…… と思っていると、また同じ相互フォロワーさんから「ガシャどこ?で探せるよ!」とお知らせを受けます。

 「なるほど! それなら探して買いに行ける!」と思い、県内にある「いきもの大図鑑」の(「いきもの大図鑑」では見つからず「カマキリ」で検索した)ガチャガチャの場所を確認して、今日探しに行きました。

 そうしたら、見事! 欲しかった緑のカマキリと、レアっぽい羽化後のカマキリを手に入れることができました!

 ここからは組み立て中と組み立て後の写真を載せますので、見たい方だけがこの後見てってください。かなりリアルです!

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 まず1枚目はこちら!

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 こちらは、羽化後の組み立て中写真でございます。「肢がハマらない!!」とキレてました。聞いてみると、「ハンドクリームとかつけてみたら?」というアドバイス。滑りが悪いのかなぁ。ハンドクリームなしに、何とかつけることはできました。

 緑の方は簡単につけられたので、色による差なのかなぁ。コツを掴むために組み立て動画を観ていたのですが、皆さん難なく組み立てられてますね。これまでのシリーズよりくっつけやすかったとか。

 

 次はこちら!

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 「完成したーーー!」という喜びで撮った画像。顔をくしくししている可愛い姿です。

 腹部や肢の向きすら分からない状態での組み立てでした。中脚は切り欠きが前になるように取り付け、後ろ脚は切り欠きなく。

 前翅が、だいぶ固かったです。ゆっくりエイム合わせて挿さないと行けない感じ。胴と胸も離れやすい。

 

 次はこちら!

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 推しの配信観ながら緑くん組み立て!

 簡単に組み立てられました。何でや。めちゃくちゃ発色綺麗でカッコいい。

 

 次はこちら!

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 2匹揃った! めちゃくちゃいい!

 ガチャガチャカプセルが台座になっていて、すげーーー! と思いました。

 

 次からは連続で!

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 こっちみんな! でもめちゃくちゃいい。一緒にガチャガチャで買った別の商品のライト、すごく撮影に合う。

 

 次はこちら!
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 このギザギザ、ぼこぼこ、すごく細やかで、500円とは思えません。ギザギザはちょっと痛いくらい。

 

 以上、今日の楽しかった一幕でした。すごかった!

 

 それでは。

現場でやってみて今年良かった活動/遊びの備忘録と、学び。

 

 こんにちは、ゼロサンです。

 

 はてなブログのお題で、「この1年の変化」というものがあったため、参加してみました。記事の最初は、言い訳と自分への愚痴が多くなってしまうと思いますが、その後は備忘録として、自身がこの一年チャレンジしてみたことや具体的な学びなどを記していきます。

 

 やっぱり、私にとってこの1年で大きく変化したことと言えば、就職したことですね。しかもすぐに正社員を辞めたところまでセットで。

 アルバイトもしたことがなかった私が、大学院を出てすぐに就職活動を始めて、即見つけたところが今の児童福祉の職場でした。就職するまでロクな生活をせずに過ごしていたので、生活習慣もすぐに改まるなんてことはないまま、自堕落な自分を無理やり律して仕事を始めました。

 元々、要領がとても悪い気質なので、もう毎日怒られてばかりでした。最初は機嫌よく、すぐに辞めてもらっちゃ困るといった態度だった上司も、柔和な態度は1週間と保ちませんでした。そりゃそうだ。

 次へ次へと考えて進めなければならない仕事を、その「次」がなかなか想像できずに、今でもやらかしてしまいます。仕事どころか、通常のコミュニケーションでも、自分が自分ですべきことに考えが及ぶ前に他人が気付き、気が付いたころには身辺の世話をしてもらってしまい、「ありがとう」を言おうと思い立つ頃にはもうタイミングを逸してしまっている。知能指数は103と中央付近なのに、中でも処理速度は知的ボーダーライン以下の人間の日常がこれです。

 おかげで、正社員ではやっていけませんでした。これまでの人生でも、ずっとこんな形で人に世話してもらって、おんぶにだっこでないと私の身の回りの人までも迷惑をこうむる状態だったので、トラウマティックな自己評価や歪んだ自己肯定感がつきまとっていました。自分もしんどい、他人もしんどい、その他人のしんどさを思うと余計に自分もしんどくなる、のループでした。

 今はパートタイマーとして働き、自分の心を整理する時間を充分に保つことを、日常生活では第一に置いています。

 

 社会生活では、また異なることを目標としています。長年の目標であり、生きる糧ともいえるものです。それは「より善く生きる」こと。理由は割愛しますが、とにかく、昨日よりも善い人間でありたい、一日一日をより善く生きたい、と常に考えています。

 出来ることは、とても限られています。以前まで出来ていたことが、急に出来なくなることなんてザラにあります。でも、それでいい。それでいいから、自分が出来る精いっぱいをすることが、私が生きていく際のひとつの目標となっています。

 これは、この1年をより善く生きていこうとした私の記録です。

 ……嘘です。そんな大層なことではなく、まだ1年しか入っていない児童福祉の現場で、個人的に利用者さんと楽しめた活動や、手ごたえのあった活動を記しておきたいと思います。

 

利用者さんと楽しめた活動①

クイズ

 クイズは古今東西、様々な形で楽しまれていますね。利用者さんの知的発達の度合いにもよりますが、言語を介したコミュニケーションを主としているなら、クイズという題材は扱いやすいのではないかと思います。

 現場でプレイしてきたクイズの中で、特に手ごたえがあったものをいくつか紹介します。

 

『なんの音でしょう』

 これは結構盛り上がったと同時に、各利用者さんの課題に向き合うことが出来ました。クイズの内容は、日常生活で聴く音を流して、何の音か当てるというものです。対応する課題は、音が鳴っている間は静かにすること、集中して音を聞くこと、音だけで情景を想像すること、日常ではこんなにたくさんの音が鳴っているということを知ること。

 答えが出たら、「なぜそう思ったのか?」「どういうところがその音っぽく聞こえたのか?」を訊いてみるのもアリです。予想外の答えが出たり、上手く説明できなかったりしますが、焦ることなく説明できるよう、タイミングよく相槌を打つのが大事。「どんな音がした?」と、擬音を口で表現してもらうのもいいですね。

 余談ですが、日常生活で音を身近に感じられない、もしくは特定の音以外あまり興味を持てない利用者さんもいて、そうした利用者さんたちに対して、公園で落ち葉を踏んだ時に「カサカサ」、大きな木の枝で地面をつついて「コンコン」、と、隣で擬音を口に出して言うのは、何となく効果的な気がしています。後日その音を口ずさんでいることもあり、音を介して世界の幅を少しでも広げられたら、と考えてみたり。

 流す音は自分で収録してもいいです。なければYouTubeから拾ってきたもので構いませんが、良質なASMRに大量に出会ってしまうので、ハマりすぎに注意してください。言語を介したコミュニケーションが主ではないか、難しい場合は、選択肢を用意するのもいいと思います。

○ 以下、用意した生活音

車のエンジンをかける音/ガスコンロを点火させる音/トイレの水を流す音/炭酸の缶ジュースを開ける音/ペットボトルを開ける音/氷の入ったコップに飲み物を注ぐ音/パソコンのタイピング/傘を開く音/ドアを閉める音/掃除機をかける音/カーテンを開け閉めする音/黒板にチョークで書く音/バスケットボールをドリブルする音/キャベツを千切りする音/揚げ物の音/雨の音/ボールペンをノックする音/etc

 

『事業所クイズ』

 事業所のことが好きな利用者さんには効果的ですね。また、月に一度の防災訓練の際に行なってみてもいいかもしれません。非常灯のマーク、火事になったときに危ないところ、避難経路などなど、事業所から避難するときに必要な知識を盛り込めます。防火管理責任者みたいになりますが。

 事業所から卒業する利用者さんがいる場合にも、思い出のひとつとしてクイズ大会を開いてみてもいいでしょう。記念品を用意してみれば、一層楽しめると思います。同じような感じで、学校名や好きな食べ物などを問題として出題する形で、自己紹介クイズをしてみてもいいですね。

 

『私は誰でしょう』

 ヒントを出して、答えが何者かを当てるクイズです。例えば、「私は長いです」「私はみんなの筆箱に入っています」「私はだんだん小さくなります」→答え:鉛筆 など。

 ボブ辞典にも近いものがありますね。ボブ辞典とは、カタカナ語が答えとなり、その答えのカタカナ語がなんであるのかを、ヒントから当てるクイズになります。ただ、ヒントを出す際にはカタカナ語禁止。例えば、「それは楽器です」「それは弦を鳴らします」「それは背負うこともあります」→答え:ギター など。この、ヒントを出す際に、「ピックを使って弾きます」などと言ってはいけません。カタカナ語を出したら、出題者の負けです。

 利用者さんにも出題者をしてもらえる点では、どちらもクリエイティブかつ参加感が高くて楽しめるものとなります。

 

『ひっかけなぞなぞ』

 これはかなり苦戦しました。言葉を扱うのは難しいです。文章で回答しなければならないことも多くあり、苦手な利用者さんも多いですが、解けるとスッキリして「またやりたい!」と言ってもらえます。想像力と、文章を疑うチカラが試されます。問題を覚えながら解くのは非常に難しいので、フリップに書くと分かりやすいかも。

○ 以下出題した問題

Q1 エレベーターが故障したが、だれも緊急ボタンを押さなかった。なぜ?

A1 だれもエレベーターに乗っていなかったから。

Q2 かけっこで、2位の人を抜かしたら何位になる?

A2 2位(1位、と答えてしまう人が多い)

Q3 タクシーの運転手が道を逆走していたのを、警察官が見ていたが、警察官は運転手を捕まえなかった。どうして?

A3 タクシーは逆走していないから(逆走していたのは運転手)

 

ウミガメのスープ

 すごく楽しかったです、私が。

 言語によるコミュニケーションができ、「質問すること」「(情景や人の気持ちを)想像すること」を課題としている利用者さんに効果的な活動だと思います。普通のクイズと違って、質問によりヒントを導き出せるのがいいですね。ただ、先ほどのひっかけなぞなぞのように、ミスリードを誘う問題も多いので、嫌がる利用者さんもいます。

 このゲームは、水平思考パズル(クイズ)と呼ばれる形の推理ゲームです。出題者は、一見不可解な文章を、問題として出題します。回答者は、それに対し「はい」「いいえ」で答えられる質問を繰り返し、数ある可能性の中から出題者の持つ真実を導き出します。

 元ネタのお話及び有名なお話はオカルトチックなものも多いのですが、そうでない問題もあるので、怖いものやグロテスクなものを抜きにして楽しむことも充分に可能です。

元のお話はこちら↓

〈ある男が、とある海の見えるレストランで「ウミガメのスープ」を注文した。
スープを一口飲んだ男は、それが本物の「ウミガメのスープ」であることを確認し、勘定を済ませて帰宅した後、自殺した。一体、なぜ?〉

 こうした問題に対し、回答者は「はい」「いいえ」で答えられる質問をします。「男はウミガメのスープが原因で自殺した?」「海の見えるレストランは関係ある?」「ウミガメのスープは本物だった?」「男の過去に関係がある?」などなど。出題者は、それらの質問に対し嘘偽りなく答えていきます。関係のないことは「関係ありません」と答えてよいです。

 答えを得ることより、質問を繰り返すことに意味を持たせるゲームです。答えは無数に考えられますが、出題者の持つ真実はひとつしかないのです。不満な気持ちを生まないよう、答えはあらかじめ紙に書いて、回答者が違う答えを言ってきたとしたら「その答えも考えられるけど、この(手に持った紙に書かれた)答えは違うんだ」と返すのが無難でしょう。

 ちなみに元のお話の答えはこちら↓

男はかつて数人の仲間と海で遭難し、とある島に漂着した。食料はなく、仲間たちは生き延びるために力尽きて死んだ者の肉を食べ始めたが、男はかたくなに拒否していた。見かねた仲間の一人が、「これはウミガメのスープだから」と嘘をつき、男に人肉のスープを飲ませ、救助が来るまで生き延びさせた。男はレストランで飲んだ「本物のウミガメのスープ」とかつて自分が飲んだスープの味が違うことから真相を悟り、絶望のあまり自ら命を絶った。〉

 元の問題文からは考えられないくらい、複雑な答えですね。これを導くためには、相当な数の質問をしなければなりません。ここまで難しいものは、相当な切れ者の集まりでなければ、出すことはないでしょう。

 基本的には回答権を行使できるのは一度だけで、質問を繰り返して慎重に答えを導き出すゲームとなりますが、支援で使うには大幅なルール改変が必要です。私が行なった際のルールでは、

・ 質問は「はい」「いいえ」以外で答えられるものもOK

・ 回答は何度でもしていいが、なるべく質問してほしい(ここは回答の回数を絞ればよかったなと反省)

・ 2分経ったら1ヒント、最後のヒントから2分経ったら正解発表

 という形で行ないました。「いつ」「誰が」「どこで」「どうして」などで質問するといいよと伝え、「何でも聞いて良いよ」事あるごとに煽ることで、何とか活発に質問が飛び交いました。しかし、文章を扱うのが、職員/利用者さんともに難しく、回答に時間を割かれてしまうのが惜しいポイント。

○ 以下出題した問題

Q1 バレンタインに、ある男子が靴箱を開けると、チョコが7つ入っていた。男子は、「チョコ7つしか入ってない!」と困ってしまった。なぜだろう?

A1 チョコが入っていただけで、靴が入っていなかったから。

Q2 ファミレスにある男がやってきて、「水をくれ!」と言った。店員は、男の様子を見て、男に銃を突きつけた。男は、店員に「ありがとう」と言って帰っていった。どうして?

A2 (男がしゃっくりをしているのを見て、店員はしゃっくりを止めるために驚かせようと思った。)男のしゃっくりを止めたから。

Q3 Aさんは、Bさんが5本指ソックスを履いているのを見て、突然、トイレに行きたくなった。なぜ?

A3 (Aさんは、Bさんの足を見て、「どうしてスリッパを履いていないのだろう?」と自分の足との違いに気付いた。しかし本当におかしなのはAさんで、)Aさんは自分がトイレのスリッパを履いていたことに気付いたから。

Q4 Aさんは、Bさんからペンを借りた。しかし、AさんはBさんと同じペンを持っている。どうして同じものを借りたのだろう?

A4 (ペンは持ち手の白いネームペン。)Aさんが、自分のペンに名前を書くため。

Q5 ある人が、マンションの上の階で、紙吹雪をベランダから散らしている。管理人が怒ってその人のところに行ったが、事情を聞くと納得した。なぜ、紙吹雪を散らしていたのだろう?

A5 (その日は強風。)干していた洗濯物の行方を知るために、風向きを調べていた。(マンションの管理人は、「イタズラじゃなかったんだね。それなら仕方ない、片付けておいてね」で済ませた。)

Q6 ある人が、夜9時に寝て、9時間後に起きたが、まだ同じ日の夜9時だった。なぜだろう? 

A6 日本で夜9時に寝て、飛行機で9時間寝て、時差マイナス9時間のイギリスに着いたから。

Q7 ボブは大人になっても働いてはいなかったが、食べ物には困らなかった。どうして?

A7  ボブはとても幸せな飼い犬で、食べて、寝て、遊ぶことで日々を過ごしていたから。

Q8 話題の本を買ったが、結末を知っていた。なぜ買ったのか?

A8 好きな映画の原作の小説を読みたかったから。

 

『五感クイズ』

 文字通り、五感を使ったクイズです。箱の中身はなんじゃろな(触覚)、これは何味の粉ジュース?(味覚)、何の調味料のにおい?(嗅覚)、何が通ったでしょう(視覚)、そして先に紹介したなんの音でしょう(聴覚)など、感覚を研ぎ澄ませるゲームは言語に頼り切らずに遊ぶことができます。そのあとに、感覚統合の一環として、山登りや公園での全身運動を取り入れてみてもいいかも。

 

『間違い探し』

 難易度の調整ができる、言語によるコミュニケーションが得意でなくても取り組める、と言う意味で重宝してます。

 

利用者さんと楽しめた活動②

テーブルゲーム

 いわゆるボードゲームやカードゲームがこれにあたります。感覚的に取り組めるものもある点、集中力とルールへの理解さえあれば発話ができる/できないにかかわらず楽しめるものもある点は、クイズよりも公平感が増します。また、順番を守ること、ゲームを楽しむためにルールを守ること、集中することを課題としている利用者さんにはもってこいです。カードをめくるなど、細やかな動きも自然に要求されるので、微細運動が苦手な利用者さんにとっては苦痛もあるかも。

 

『マジョリティパーティ』

 本来のマジョリティパーティは、極限の状況下で究極の選択をするとしたらどちらを選ぶかを決め、マジョリティ(多数派)にいるほうが勝ちというゲームになります。しかし、発話を主としたコミュニケーション手段にしない利用者さんと楽しむならば、極端に言えば「犬が好き?猫が好き?」のように単純化された質問にした方が、答えやすくなると思います。

 他にも、例えば「鬼滅の刃といえば?」や、「ディズニーキャラクターといえば?」といった、知っている人が多いものに対する質問も、利用者さんのモチベーションにつながります。「多数派の勝ち」ではなく、「みんなで答えを合わせよう!」と伝えた方がいいかもしれません。他の人が何を選ぶか想像する、何が好きと言っていたか思い出す、そうして人への関心を高めることで、対人認知能力や他者への共感力にアプローチすることが出来ます。

 もしくは、ある一人を指名して「この人はどっちを選ぶと思う?」と聞いてみるのもアリです。利用者さんの好みをリサーチしておくことも重要。

 

『Dobble』

 ドブルと読みます。これは専用のカードが必要なのですが、個人的にはとても重宝しています。

 カードにはいくつかの絵が描かれています。最初はそれを1人1枚ずつ取り、表にした状態で置きます。他のカードは山札となります。準備が完了したら、ゲームスタート。山札からカードを1枚取って、表にします。プレイヤーは、山札からめくったカードと、自分の手持ちのカードを照らし合わせて、共通する絵柄を探します。見つけた人は、手持ちのカードの上に、山札からめくったカードを置きます。次はそのカードが、照らし合わせるカードになります。最終的に、持っているカードの枚数が多い人の勝ちです。

 すべてのカードには、必ず共通する絵柄が1つ描かれているので、だれも不公平にはなりません。加えて、絵が特徴的でかわいいので、絵本が好きな利用者さんなら集中しやすいかもしれません。

 

『ババ抜き』『ジジ抜き』『七並べ』『神経衰弱』『UNO』『絵合わせ』

 この辺りは、だいたい遊んだことがある利用者さんも多く、純粋に楽しめるものになります。ただ、順番を待つのが退屈になりがちで、集中が続かない可能性もあります。順番を意識する、理解することに課題がある場合に有効です。

 

ハゲタカのえじき

 本来は専用のカードが必要ですが、簡易的なものならトランプで代用できます。初めに、手持ちのカードを裏向きで場に出します。次に、せーので表に向けます。場に出したカードの中で、一番大きな数字を出した人が、場のすべてのカードをもらうことが出来ます。これを繰り返し、カードが多かった人の勝ちです。最初に大きい数のカードを出しまくると、後半で負けが続いてどんどんカードを取られます。そう、戦略ゲームなのです。

 

『ダウト』

 言わずと知れた、トランプを用いた嘘つきゲームです。一人1枚ずつで順番に、1、2、3……と、声に出しながらカードを伏せて置いていきます。その際、たとえば、本当は3のカードがなかったとしても、他の数字のカードを伏せながら「3」と言って嘘をついても構いません。

 カードを出した人以外は、そのカードが言ったものと違うと思ったら、流れを止めて「ダウト」と言います。それが嘘のカードだったら(嘘を見抜けたら)、それまで出ていたカードはすべて、嘘をついた人の手札になります。もし嘘でなかったら、「ダウト」と言った人の手札になります。手札がすべてなくなったら上がり、つまり勝ちです。

 人の表情を読み、人を疑うゲームとなります。ゲームをゲームとして楽しめる利用者さん同士で遊べるとよいです。また、利用者さんが好きな音を鳴らせる装置や、効果音アプリなどを使って、「ダウト」と言うことの代わりにしても楽しめます。

 

『バランスゲーム』

 一口にバランスゲームと言っても、色々あります。ジェンガがその代表格でしょう。しかしジェンガは細かな力加減の調整が必要で、なかなか難しい利用者さんもいます。そこで、自作出来て楽しめるものや、簡単に安く道具が手に入るものをいくつか並べてみます。

 1つは『スティッキー』。お互いを支え合っている棒を、輪の中から1本ずつ抜いていくゲームです。

 2つ目は『棒倒し』。ダイソーに売っているタピオカドリンク用のストローやグラス掛けの棒など、割としっかり自立する棒の周りに、ペットボトルキャップのような大きいものを40個ほど置いて、一つずつ取るようにすれば、ちょうどいい難易度にできるかと思います。

 3つ目は『紙コップタワー』。そのまんまです。みんなで協力して、紙コップを上まで積み上げます。最後には片付けもしっかりと。

 4つ目は、これは名称を決めていないのですが、棒倒しで使った棒を立てて、正方形の段ボールを上に乗せ、段ボールの上に順番にペットボトルキャップを乗せていくもの。意外と倒れません。中心よりも遠くに置いた方が高得点、とかにしてみてもいいですね。

 紙コップタワーのような協力ゲームを想定するのであれば、ドミノ倒しも楽しそうですね。また、ハラハラ感を楽しむなら、黒ひげ危機一髪もよいです。ハラハラ感でいえば、早くしなければ風船が割れる系のものも楽しいのですが、風船が割れる音や時間に迫られることが苦手な利用者さんも多く、パニックになってしまう方も少なくないので難しいところ。

 

『カルタ』

 正月にかこつけて数日間にわたり大会を開くことでネタ切れを回避するアイテムです。神経衰弱やDobbleと同様、場全体から目的のものを見つけ出す空間認識能力にアプローチできます。

 

『トントン相撲』

 紙相撲でもいいですし、指人形やシルバニアファミリーなどがあれば使ってみても面白いと思います。ズルはダメだぞ。

 

利用者さんと楽しめた活動③

感覚遊び

 主にスライムです。

 

『スライムづくり』

 スライムは、感触が面白いので、楽しめる利用者さんも多くいます。こねる、つかむ、分量を調整するといった感覚は、料理を作ること、創作活動をすることなどに生きてきます。

 ただ、通常のスライムづくりで使われるホウ砂も洗濯ノリも、口に入れたら大変危険です(特にホウ砂)。口に入れないように注意すること、終わったら手を洗うこと、材料は職員が管理することを徹底しましょう。ビニール手袋をしたり、寒天スライムにして色は着色料でつけたりしてみてもいいです。着色料は数日たっても落ちないことがあるので、こちらも取り扱いには注意したいです。手に着いたものは除光液か、重曹を混ぜた水で、ある程度は取れます。

 

『小麦粉粘土』『米粉(こめこ)粘土』

 小麦粉や米粉に塩を少量混ぜて(塩を混ぜた方がカビが生えず長持ちするというだけ)、粉の倍の量の水を入れれば完成! 特別支援学校でも使われる感覚遊びです。水と粉の配合を調整すれば感触が変わるので、観察に適しています。

 観察をするなら、片栗粉と倍の量の水を混ぜたものをビニール袋や風船に入れても楽しいですよ。片栗粉の水溶液は、強い衝撃を与えると、ダイラタンシー現象と言って、急激に固くなるんです。理科的な知識の素養も育てられ、スライムと違って口に入れても安心。惜しむらくは、周辺一帯と利用者さんの全身が粉まみれになるために、片付けが恐ろしく大変なことですね……(遠い目)

 

『水遊び』『どろんこ遊び』

 準備と後片付けを何も考えなければ世界一楽しい遊びだと思ってます。泥の感触は、土の質によって変わるという点で、小麦粉粘土に通じるものがあります。

 

『知育菓子づくり』

 このコロナでなかなかできないことではありますが、本人が食べる分を作るだけなら、手を洗って消毒すれば大丈夫なように思います。大人買いして大量に作ってみるのも楽しい。

 

『10円玉磨きリレー』

 10円玉に酢を付けてティッシュで磨く微細運動リレー。酢の酸っぱいにおいまみれになりますが、意外と楽しいです。

 

利用者さんと楽しめた活動④

全身運動

 身体を使った活動は、粗大運動が課題の利用者さんには適しています。お祭りや運動会と言った形で、全員参加型にして景品を付けると、みんなと過ごすことが課題な利用者さんでも、混ざるタイミングを見つけやすいかも。チーム戦もあるため、他者の気持ちを想像したり、尊重したりすることを学ぶのにも適しています。

 

『陣取りゲーム』

 ひっくり返し競争や、巨大オセロがこれに当たります。卓上でやればボードゲームでも、スケールを大きくすれば別の楽しみ方になります。ひっくり返し競争とは、2チームに分かれて行なわれるもので、裏表1色ずつのオセロのコマような盤が何枚も床にちりばめられていて、とにかく時間内にその盤をひっくり返しまくって、時間が来た時に自分のチームの色が多い方が勝ちというシンプルなゲームです。全身運動にするには、座布団のような大きさの盤が必要です。

 自分の陣地が多い方が勝ちという陣取りゲームも、種類は多いのですが、ルールが難しくなくみんなで取り組めるものは限られてしまいます。

 

『障害物ゴルフ』

 床に置かれた障害物を乗り越えて、ゴルフのようにボールを転がして、ゴールを目指すというゲームです。リレーにしても楽しいかも。

 

カーリング

 競技としてのカーリングと基本的に得点のシステムは変わらず、投げるものをペットボトルキャップにしたり、ビー玉にしたりしても面白いです。

 

『ストラックアウト』

 的あてです。細長い棒に、洗濯ばさみで的をつけるとちょうどいい感じになります。狙いを定めて投げるのが得意な利用者さんって、実は結構限られている気がします。ドラえもんでものび太くんくらいだしなぁ。

 

『お掃除リレー』

 掃除をリレー競技にしようという画期的な活動。と言ってもぞうきんでリレーするとかになりますが。

 

利用者さんと楽しめた活動⑤

工作/創作活動

 手先を使って表現するのは、言葉で表現することに限界を覚える利用者さんにとって、選択肢を広げることになります。特別支援学校でも、作業の授業などで創作をすることがあります。

 

『段ボールミニカー』

 詳しくはここ↓

youtu.be

  輪ゴムと段ボールとペットボトルキャップとグルーガンで、オリジナル段ボールミニカー(引っ張ると自分で走るやつ)ができます。大掛かりにしても面白いかもしれない。

 

『らくやきマーカー』

 白いお皿に絵を描いてオーブンで焼くだけで、自分だけのオリジナルのお皿ができるよ! というもの。ダイソーとかに売ってます。

 

 あとはわくわくさんYouTubeとか観るとだいたい工作系はあります。

 曼荼羅塗り絵とかも面白いよ。色塗りのバランス感覚と緻密さが求められる……

 

 他にも、活動の中で『ちびむす』も地味に参考にしていたりします。これは学習用の教材だけど。

happylilac.net

 

ここから先は独り言

 これからやりたいゲームもたくさんあります。コンセンサスゲームとか、ToBeContenuedゲーム(自分で考えた、動画をオチの手前で止めてみんなでオチを予想するゲーム)とか。あと、表情を読み取ったり共感性をはぐくんだりするなら、顔や手のサインを使ったボードゲームもやりたいし、同じ理由でコグトレもやりたい。やってみたいこと、まだまだたくさんあるなぁ。

 思えばこの半年ほどは特に、YouTuberか? ってレベルでずっと企画考えてた。公園に行ったりゴミ拾いとかの慈善活動したりもしたし、すごく自由させてもらったなぁとも思う。利用者さんと向き合うことで、自分が子どもに関連した資格を取った理由を思い出したりしていた。

 

 利用者さんに何言われても、傷ついてあげないことが大事だと思う。もちろん、傷つくなって簡単に言いたいわけじゃない。傷つけられたら、傷つく。それは当たり前で、傷ついたことを伝えなければならないこともあるのだけれど。

 叩いたら痛いとか、傷つけられたら痛いとか、そういうことを感覚としてよくわかっていない人も、私が想定しているよりきっと多くて、それよりも大事なことがあると信じている人もいて、だから平気で人を傷つける。人を傷つける言葉以外に手段がない場合もあるし、本当は傷つけたかったんじゃなかったのにって場合もある。

 利用者さんに、「嫌い!」と言われる。真に受けてはいない。きっと、違うことが言いたいんだと思ってる。次の日にはケロっとして、甘えてくる。本当に言いたかったことは「嫌い」なんて言葉じゃない。だから、その言い方では伝わらないよって気持ちで、傷ついてあげないでいる。傷ついてしまったら、利用者さんも傷ついてしまうから。

 動揺してはダメだ。ダメなのだ。自戒。

 一方で、人間関係としては、毅然と「許さない」という対応も重要だと思う。「そういう考え方で人を傷つけるなら、それは許さない」と。実際に自分自身がその利用者さんの行動を許せるかどうかではなく、許されてはならないことなんだと伝えなければならないこともあるのだ。

 ……と、最近なんやかんや考えています。

 

 とにかくこの一年は、楽しかったなぁというのと、大変だったなぁというのと、両方。両方あります。

 気が付いたらものすごく長い文章になっちゃった。

 ここまでご高覧賜りまして、本当に本当にありがとうございます。それでは。

 

お題「#この1年の変化」

VTuberと二次元キャラクターについて。

 こんにちは、ゼロサンです。

 今、『RAINBOW GIRL』という、インターネットでかつて有名だった歌を聴いて、 ”あること" を思い出し、号泣しています。

その "あること” とは何なのか。

 

 

 今週火曜日のこと、私は、未確認動物うまぴさんという、バーチャル馬耳UMAのゲーム実況を観ておりました。チャンネルはこちら↓

www.youtube.com

 で、プレイされていたゲームはここ↓の再生リストにある『Doki Doki Literature Club!(邦訳:ドキドキ文芸部!)』というタイトルの、ギャルゲーを装った米国産メタ系ホラーゲームです。このゲーム、ネタバレによるダメージが結構大きな作品となっておりますので、気になっている方で未プレイもしくは未視聴の方は、この時点で回れ右をしてくださいますと幸いです。 当方、一切の責任を負いません。

 

youtube.com

 

『Doki Doki Literature Club!(邦訳:ドキドキ文芸部!)』とは

 このゲームについて、プレイ済の方、もしくは実況をご覧になったことがある方には既知のことではございますが、一応今回どのように触れるのかだけでも軽く説明させていただきます。

 ストーリーは、主人公がサヨリという幼馴染に連れられて、文芸部に半ば強引に入部させられるところからはじまります。部長で才色兼備のモニカ、おとなしくも文学に対する熱意の高いユリ、最年少でツンデレのナツキとともに文芸部で過ごし、少しずつ好みの女の子と親密になり、ドキドキする展開を夢見ながら、気が付いたら少しずつみんなの様子がおかしくなってゆき……。というのが、1周目のお話です。

 このお話の中でキーになるのは、文芸部の部長「モニカ」の存在です。ゲーム中で日が経つごとに、周回するごとに現れる違和感。「セーブしてね」とアドバイスしたり、妙におどろおどろしくもどこか悟ったような詩を書いて見せたりする彼女の行動に、プレイヤーは「モニカこそが、この世界の神なのでは?」と疑い始めます。

 結果として、その想像は当たらずとも遠からず、しかし本質的にはそうではないことを、プレイヤーは知ることになります。モニカは、神などではなく、ただの「ルートのないサブヒロイン」である、と。彼女は "第4の壁" を乗り越え、「この世界の外側に世界がある」ことと、「自分は主人公のことが好きだけれど、どれだけ自分が主人公のことを愛しても、主人公は自分を選ぶことはできない」ことに気付きます。

 そこで彼女は、世界の理を破り、ゲームのデータを書き換え、破損させ、彼女の友人たちに想定外の激しい苦痛を与えてしまったことに対し、取り返しのつかないことをしてしまったと嘆きながら、自分の望む世界 ―――主人公のそばにいて、ともに愛し合える世界を手に入れるために、大切な友人たちをキャラクターファイルごと消し去り、彼女と主人公の二人きりの世界を作り上げます。

 余談ですが、先に挙げたうまぴさんの配信では、このシーンが圧巻でした。うまぴさんがどれだけ現実世界(バーチャル)からモニカに必死に呼びかけても、当然、モニカは反応しない。モニカは、目の前の "うまぴ君" の向こうにプレイヤーがいることはわかっているのに、”うまぴ君” にしか話しかけることができない。モニカが自分自身の意志で壊したとされる世界の中で、モニカ自身の意志を語っているとされるシーンで、絶対的にすれ違う2人に鳥肌が立ちました。

 この「モニカと二人きりの空間」にたどり着いたプレイヤーは、二つの行動のうち、どちらかを選ぶことになります。なぜなら、この空間にたどり着いたあとに何もしなければ、ゲームは進まないからです。

 二つの行動のうちのひとつは、何もせずにゲームを閉じる。ゲームが進まないと思って閉じることもあるでしょうし、モニカを想うあまり、ふたつめの行動を取れない方もいるでしょう。そのふたつめの行動は……、モニカのキャラクターファイルを消し去る。

 ふたつめの行動をすると、モニカは消え、そして彼女自身の意志で世界を修復します。

 痛い、何をしたの、こんなに嫌われることをしてしまったの――― 本当にあなたを愛しているから、それなら。

 悲痛な叫びと、プレイヤーへの愛を残して。

 

〈実在性〉と〈虚構性〉について

 この作品、本当に作り込みがすごくて、一度や二度実況を観たくらいでは知り尽くせない要素が満載なのですよね。その作り込みというのも、ゲームシステムはもちろん、ストーリーに持たせる含みに関しても考察のしがいがあるものでして。

 ただでさえメタかつショッキングなゲームというだけでも十分に遊びがいがあって面白いのに、そのメタ的な要素を持っているからこそ浮き彫りになるキャラクターの〈実在性〉というか。むしろ、それを表現するためにゲームシステムを登場キャラクターがいじくりまわすというメタ要素を持ってきているというか。

 いえ、キャラクターが実在しているわけではないのですが、キャラクターがキャラクター自身の考える存在し得ない "if" を歌い、自分の〈虚構性〉を嘆き、最後まで可能性に手を伸ばし続ける姿を見ることによって、こちら側もこちら側の考える "if" の話を現実ギリギリまで想像してしまうなぁ、などと考えてしまいます。

 うまぴさんの言っていた、「プレイされているどの世界線でもモニカが記憶を共有されているとしたら」みたいな。

 

 〈実在性〉と〈虚構性〉。私自身も、主にVTuberを語る際によく用いる概念です。VTuberやバーチャルな活動者は、〈実在性〉と〈虚構性〉の両輪によって回っているというのは、バーチャルに生きる存在と向き合う際に気付くべくして気付くことなのでしょう。

 話題から外れるからあまり触れませんが、例えばこういうのとか↓

tragedy.hatenablog.com

 VTuberは、人間(的なふるまいをする存在)でありながら、人間でない。これを「実在性と虚構性の両方がある」と言い換え、しかも〈実在性〉は「実在しているように見せる錯覚」のことで、〈虚構性〉は「そのものが虚構なのだと実感させる真実」のことを指すという観点は、私にはなく、目からうろこが落ちる思いでした。

 

 この観点で言えば、ドキドキ文芸部におけるモニカにも、〈実在性〉と〈虚構性〉の両方があるのではないかと思います。限りなくメタな、〈(このドキドキ文芸部の世界が)虚構であることを表す真実〉を表現することによって、モニカが〈実在しているような錯覚〉を与える。

 そして、モニカが抱える「あなたをつかまえること、自由にすること、どちらが愛なの?(別訳:愛するってどういうこと?君を離さないこと、それとも君を自由にすること?)*1は、等身大の恋する少女のような悩みでありながら、世界を壊して愛する人と二人きりでいる(つかまえる)のか、世界を修復して自身は消える(自由にする)のかという、その身に有り余る悲劇を目の前にした、とてもおぞましい選択であることを、プレイヤーは知っています。

 現実世界でありそうな概念的な悩みを、空想上の具体的で逼迫した選択という形で提示すること。これもまた、〈実在性〉と〈虚構性〉の対比のように映ります。

 

『RAINBOW GIRL』とは?

 もうこの記事は〆に入ろうと思ったのですが、”あること” と書いてしまったのを忘れててなんか急に思い出したので、ここで唐突に『RAINBOW GIRL』について触れていこうと思います。

 『RAINBOW GIRL』は、2007年に2ちゃんねる(現在の5ちゃんねる)内の作曲スレに投稿された作品で、恋愛アドベンチャーゲーム(いわゆるギャルゲーやエロゲーなど)の中の女の子の心情を歌ったものです。恋愛アドベンチャーゲームの女の子は「二次元の女の子」、ゆえに二次元=虹=RAINBOW。

dic.nicovideo.jp

 恋愛アドベンチャーゲームの女の子は、ルートを攻略することができれば、必ず主人公のことを好きになります。しかしRAINBOW GIRLで歌われる二人称の「貴方」は、ゲームの中の主人公ではなく、現実世界のオタク。「生きる世界が違うこんなわたしに、貴方は優しくしてくれた」「ごめんね画面から出れないの」「決められたセリフ通りにしか貴方と会話できない」。私は、「VTuberがRAINBOW GIRLを歌ってくれたらエモいのになぁ」なんてのんきに言っていました。

 VTuberは画面から出てくることができない。二次元と三次元、仮想と現実という形で、生きる世界が違う。それでも私たちは互いを想い合い、思いやり、そして気持ちはまた移ろってしまう。その点において、VTuberが歌ってくれたら歌詞も合うのになぁと思っていたのです。

 しかし、今回のドキドキ文芸部実況での、うまぴさんとモニカのやり取りを見て、「RAINBOW GIRLの歌詞は、突き詰めていけば、モニカではないか?」と考えました。突き詰めていけばも何も、そのまんまやないかいと思ったりしつつ、もう少しだけ補足させていただくとすれば。

 たとえモニカが、消されるときに訴えていたような、「痛み」というものを覚える存在であったとしても、決して彼女は、自身の意志で何かを選択することはできない。彼女は苦痛を覚える存在でありながら、プログラム外のことをしているように見えて、実際は全てプログラムで構成される存在である。―――主人公を好きになることも含めて。

  人を好きになり、目的のために人を消し、世界を壊し、そして消されることに苦痛を覚える。それらが全て仕組まれたプログラムで、どうしようもないことで、決められた運命の中、同じ道をプレイの数だけたどることしかできない。「どうすれば愛を現実に書けるの?(別訳:君が大好きって書きたいのに、どうすればそれが本当になるんだろう?)」と、決して不可能なことを望みながら、最後には「私はもう、何もしない(別訳:だからもう、君を自由にしてあげる)」と、自身の想いを手放すところまで、どうしようもなく、残酷なほどに筋書き通り。

 それがやっぱり、RAINBOW GIRLの「貴方」を見つけて恋してしまった「二次元の女の子」の「貴方との幸せをちょっぴり外で感じてみたかった」に重なって、とんでもなく切ない…… ということに気付いてしまった。そんな夜でした。

 

 以前にキズナアイさんの実況で観たときだって感じいるものがあったのだけれど、それも随分昔だったなぁと思いつつ。想定していたよりも全然覚えていなくて、うまぴさんの配信で頓珍漢なことを言ってしまい、ご迷惑をお掛けしたこともありました。

 うまぴさんの配信で、改めて観ることが出来て良かった。本当に良かった。

 

 久々のブログを、ここまで長々とご高覧賜りまして、誠にありがとうございます。

 それでは。