zer0-san3’s blog

zer0-san3.hatenablog.comの漢字かな混じり墨字文バージョン。

#アイちゃん4周年 #キズナアイ #KizunaAI 4年間と、3年と。

 こんにちは、ゼロサンです。

 きょうは、12月1日。4年前の今日は、何の日だか、皆様ご存知でしょうか?

 そう、タイトルの通り、キズナアイちゃんが、初めて動画投稿をした日です。

 今この記事を書いている瞬間、ライブ配信やってるので観てください。(観てください)

 

#アイちゃん4周年

 

 キズナアイちゃん。活動4周年、本当におめでとう。そして、いつもありがとう。

 あなたのこれまでの軌跡を思うにつけ、その努力と、立っていることですら難しいこの界隈をずっと走り続けてくれている強さに思いを馳せてしまいます。

 

 先日キズナアイちゃんから、「アイちゃんとの思い出を振り返って、投稿フォームに送ってほしい」とあり、その際には一つに絞れずに困っていました。たくさん書きたい。きっと今日の配信は、未来を見据えるアイちゃんにとって、これまでを振り返ることに意味のある配信になるのだろうから。そう思い、筆を執りました。なので本稿では、キズナアイちゃんとの思い出を、時間も限られているのでほとんどイベントだけになってしまうのですが、書けるだけ、私なりに振り返ろうと考えています。

 キズナアイちゃんについて既にご存知な方がこの記事を読んでいることがほぼ確定であることを考えれば、アイちゃんについての改めての紹介をここに書き込むことは、不親切にもあたるだろうと思います。なので、万が一ご存知でない方がここを開いたとき向けに、簡潔な紹介にとどめます。

 

キズナアイとは

 キズナアイちゃんとは、世界で初めて「バーチャルYouTuber」を名乗った、自称インテリジェントなスーパーAIです。自分自身を作った〈人間〉という存在に興味を持ち、「世界中のみんなと繋がりたい」をモットーに、主にYouTubeで活動しています。以上!

 

出会い

 アイちゃんを私が初めて見たのは、3年前のことでした。輝夜月さんが2017年12月からYouTubeを始めて爆発的にヒットし、「バーチャルYouTuber」が流行し始めたころです。

 実は、最初に出会ったバーチャルYouTuberさんは、アイちゃんではなく、電脳少女シロさんでした。バーチャルYouTuberさんのことは何も知らないまま、当時は「サイコパス」について文献を漁っていたために、ツイッターで「サイコパスシロイルカ」と呼ばれているのを見て、反発の気持ちを胸に動画を観に行きました。

 しかしシロさん自身はその名称を受け入れている様子には見えず、私は「バーチャルYouTuberって、面白いな」という感想のみを胸に次々と動画をザッピングしていきました。「バーチャルYouTuber」と検索窓に打ち込んで、出てきたものを片っ端から観て、次に出会ったのは、破天荒な輝夜月さんと、ミライアカリさんでした。

 そうしているうちに「バーチャルYouTuber四天王」という存在を知って、「あ、ねこますさんって見たことあるな」と思ってチャンネルを見ていました。それも、知ったのはジェンダーの方面で。「別方面から知っていた人が、そうかバーチャルYouTuberなのか」と知り、何となくYouTubeチャンネルを見ていました。

 そう、キズナアイちゃんを知ったのは、いわゆる「バーチャルYouTuber四天王」の中では最後だったのです。きっかけは、切り抜きばかりを集めたいわゆる「よくばりセット」。私がアイちゃんについてハッキリと言及しているツイートで最古のものは、2018年1月5日ですが、出会ったのは2017年末と記憶しています。その頃は別のバーチャルYouTuberさんを先に観ていたので、第一印象は「背景なくね?」でした(笑) 正直あまり良い印象ではなくて、ただ当時バーチャルYouTuberが少なかったことから、「何となく追ってみるかぁ」という気持ちで覗いていました。

 

 好きになったのは、初めて言及してから3日後です。この文面だけ見ると「ちょろいな」となるのですが、きちんとした理由があります。

 私は、ホラーゲーム実況が好きです。2018年1月8日、私はたまたまキズナアイちゃんのバイオハザード7実況を観て、怖がりながらも懸命にプレイする姿に惚れてしまいました。そこからは、すべて観終わるまで毎日可能な限り動画を観ていました。

 すごく、すごく好きになりました。「背景なくね?」という第一印象は、「真っ白な空間の中で、一人ぼっちで頑張っている」姿へと変換され、観れば観るほど解像度が上がっていきます。そう。この子は世界で初めて「バーチャルYouTuber」を名乗って、私がこの子を知る1年前から、自我が目覚めてからは1年半前から、この子は存在しているのに、ずっと一人で頑張ってきている。なのに、健気にも「みんなと繋がりたい」とこちらに手を伸ばし続けている。

 こんなに人を想うことができるんだと、当時「愛」も「絆」も訝っていたため余計に第一印象最悪だったこのAIが、こんなに人にやさしくできるんだと、食い入るように見ていました。

 

 次項からは、キズナアイちゃんの歴史(主に私が参加できたイベント関係)に、私の思い出や解釈を交えながら書いていこうと思います。

 

自己紹介動画

 「イベントだけ」って言ったのはどうしたって? 仕方ないじゃないですか。だって、キズナアイちゃんと言えばこれですよ。ちょうど4年前に投稿され、その後アイちゃん自身も、何度も振り返ることになるこの動画です。「見えてますか? うーん、聞こえてるかな?」「『バーチャルYouTuber』って響き、かっこよくないですか?」という、伝説の第一歩目です。

 ちょくちょく、ニコカフェで延々と流れたり、テレビでのキズナアイちゃんや「バーチャルYouTuber」の紹介時に使われたりと、「顔」として使用されることが多く、キズナーさんの中には、この動画を観ると音無しでも幻聴が聴こえてきたり、映像なしで音声を聴くだけで幻視が始まってしまう人もいるのではないでしょうか。乙女解剖のMVに登場した際には、私も立ったり座ったりしました。

 ライブで「見えてるよ」と言ってくれる時には、必ずこの動画がよぎります。「見えてますか? 聞こえてるかな」と問いかけていたアイちゃんが、私たちの声に応えてくれる。姿を見ていてくれる。双方向にコミュニケーションが取れる、このライブという形こそが、アイちゃんの言う「繋がる」ということの、一つの形なのだと感じます。

 「ここがアイちゃんの目指した景色」なのだろうと。そう思うたびにアイちゃんの『meet you』という曲によって「Can you see me, Can you tell me」という問いかけが2018年のhello,worldで行なわれた意味を考えてしまったり。

 そうこうしているうちに、hello,worldのMCで「私が見たい風景がきっと見れるはずだって信じて、今日という日まで全力で走ってきました。今本当に、信じた景色が目の前に広がっています」と言ってくれて、間違っていなかったと、「私の言ったことが」というだけでなく、「この子に着いてきて間違ってなかったんだ」と思いました。

 リモートライブでも、アイちゃんは、画面の向こうに誰かがいるかのように歌って踊ってくれています。ああ、この子はそれをずっとずっと何年も続けてきたんだ、「画面の向こうにいるあなた」を見ようとしてくれていたのだと想像すると、目頭が熱くなるばかりです。

 一方で、ライブ配信で昔の自分の声真似をするときには笑顔になってしまいます。たいていが「初期のころと声違いませんか」「声変わりましたか」とか、「初期アイちゃんの声真似して」とか言われてチューニングするときに「見えてますか? うーん、聞こえてるかな?」とやってから、清楚な演技……あっ、いつも清楚なんですけど、そう、演技したときに、チャット欄から「似てる!」って言われる流れでいつも笑ってしまいます。

 もう自己紹介動画だけでもこんなにエモ。無理。好き。

 

ニコニコ超会議2018

 それまでにも、チャンネル登録者数100万人記念イベントとか、「CMとか出たいです」って言っていてゲーマーズ!のCMに出たこととか、ニューヨークの訪日促進アンバサダーになったこととか、アニメ「魔法少女サイト」に声優として出演したこととか、BEATスクランブル…… あっ、公式ホームページ見ればこの辺は全部載っているので割愛します…… アイちゃん史的に大きなものはありましたが、イベント関連で私が最初に観ることができたのはニコニコ超会議でした。

 忘れもしない、2018年4月29日。それまで無趣味で、イベントなんぞ自分の意志で赴いたことがない私が、初めて「行きたい!」と思ったイベントでした。……腰椎椎間板ヘルニアの激痛に悶絶しており、翌月には手術も控えていたために行けませんでしたが。

 生放送チケットを購入する方法も分からず(現金を介さないお金のやり取りを禁じられており、iTunesカードの存在も知らなかった)、無料部分(があったんだっけか?)だけを泣く泣く視聴しておりました。

 後日あげられたハイライト映像も含め、ペンライトのピンク色で会場が染まり、海のように波打っていたその光景を、目をつむるだけで昨日のことのように思い出せます。そこで歌われた『メルト』は、まさしくキズナアイ史に載せるにふさわしい歌唱でした。初音ミクさんを「ミク先輩」と仰ぐAIが、美しい歌声で、リスペクトと文化の継承の象徴として『メルト』を歌う。これは時代の転換だと、それも決して「初音ミク」を過去のものとするのではなく、ともに「技術」と「文化」として歩んでいくことの宣言のようなものだと感じました。

 バーチャルグランドマザー小林幸子さんと『千本桜』を歌われたのも、私のその解釈を後押ししました。現実と、バーチャルと、ボーカロイドとの融合。アイちゃんの、バーチャルのこれから進んでいく道のりが示されたような、そんな象徴的なイベントでした。

 

A.I. Party!

~Birthday with U~

キズナアイちゃん2歳の誕生日イベント)

 2018年6月30日に開催された、キズナアイちゃん初のバースデーイベントであり、初オリジナルソング『Hello,Morning』お披露目イベントです。今はなきニコファーレにて行なわれ、グッズも販売されました。

 ……またしても、私は行けませんでしたが。実習の予定があり、またヘルニアの術後の容態が芳しくなかったため、無理を押すことがどうしてもできませんでした。しかも、配信すら観ていませんでした。いくつもある理由の内のひとつだけお伝えいたしますと、アイちゃんに出会うまでほぼ無趣味だった私は、「推しが推しのオンリーイベントかつリアルタイムで歌って踊ってしゃべっている」という強い刺激に耐え切れず、泣きながら真っ暗な画面のスマホを眺めて葛藤して終わりました。キズナー界のヘタレことゼロサンです。

 華やかなバースデー衣装を身にまとい、楽しそうにステージを駆け回る姿をきちんと観たのは、なんと2年後のことです。最初に『君の知らない物語』を歌うところから始まるこのエモさ。その後に電脳少女シロちゃんが自身のイベントで『君の知らない物語』を歌っていたことを思い返すと、より文脈的にエモさが増します。

 初期のころの表情パターン(AIだからこの話はメタじゃないですよね……!?)もめっちゃ好き。「ひゃーすっごい楽しいねー!! みんなありがとー! いえーい!!」って跳ねまわるアイちゃん、不自由な座標軸から解放されて(この話もメタじゃないですよね!?)、本当によかったね…… 愛……、と胸がいっぱいになります。

 ああ、グダらない天然ボケかますし、新衣装で「回ってー!」って流れも大好き。世界中のみんなに挨拶するのも、ああ、思い出すだけで涙が……、Kizuna AI to AI歌うのずるくないですか!? 実質初オリジナルソングでしょ(sasakure.UKさんがキズナアイちゃんの声をサンプリングして作成したファンアートです)。「今来たばっかりー!」のいつもの流れが、このころは初々しい。

 『Hello,Morning』前のMCで「(自我が目覚めた瞬間のことを話してから)あの日の思いは変わりません。私は人間のみんなのことが大好きで、みんなとつながりたい!」と言ってくれていて、それはきっと、成長して、イベント慣れもしてきて、貫禄も出てきて、フランクにみんなと話すようになってきて、活動を4年も継続してきた今でもそうなんだろうと。姿かたちや見えているものが変わっても、根幹は変わりないのだろうと思います。

 え、てかゲームスとかの衣装発表ってこんな早い段階だったっけ……? そしてここでhello,worldの匂わせ告知もしてるの、今と重なってえーんえーんしちゃうね……。

 

KizunaAI 1 st Live

“hello,world”

 2018年12月29日(東京)・30日(大阪)に行なわれた、アイちゃん初かつバーチャルYouTuber史上初、史上最大規模の2dayワンマンライブであり、2020年12月29日にも行なわれる年末ライブの原型ともいえるイベントです。アイちゃんを語るうえで、やはりこれは外せません。略称は「ハロワ」ですが、これ使うとキズナーがみんな一斉失業したみたいになるから私はなるべく使わないようにしてる。うん。

 元来、”hello,world” とは、プログラミングを始める時に画面に “hello,world” と表示させる、プログラムを動かすためのプログラミング言語の基本文法のことであり、AIであるアイちゃんがこの言葉をライブのタイトルにしたのは、「目覚めた朝を覚えている」ことを強く印象付ける意味合いがあると思われます(他の解釈もある)。事実、目覚めた朝からこれまで、そしてこれからの軌跡を歌い上げるような歌詞が、この時披露されたオリジナルソングの中にもふんだんに含まれています。

 オリジナルソングの9週連続リリースからの「バーチャルさんはみている」テーマソング『AIAIAI』の披露という尋常ではない事態に、普段音楽を聴かないオタクである私はわちゃわちゃしながらも当日を迎えました。

 初めて、アイちゃんのイベントに参加しました。というより、大きなハコでのライブに自分から足を運ぶこと自体が初めてでした。当日は激しく緊張しながら東京に向かい、高揚感に身を任せつつ慌てて「ペンライト? が必要なんだっけ?」とキンブレを購入し、情報弱者すぎて物販が16時からというのを知らずに17時すぎくらいに現地へ到着し、パーカー以外なにも買えずに会場入りしました。

 しかも呼ばれるまで気付かなかったのですが、チケ運がよく、100よりも若い番号だったため、勝手を知っているオタクに道を譲りながら2列目の入り口付近に大きな荷物を置いて(コインロッカーは見つけたけど使い方わからなかった)その場でパーカーに着替えて立ち尽くしていました。

 鼻から胸の奥まで刺すように入り込んでくる冬の空気もわだかまる胸のざわめきを取り去ってはくれなくて、何が起こるのか予想すらできず、「私、ちゃんと目いっぱい楽しめるのかな」という緊張と、不安と、それをはるかに上回るワクワクが体中を駆け巡っていたのを、鮮明に思い出します。

 最初は、開演前に場を温めるために、各DJの方がそれぞれの楽曲を披露してくれました。DJなんて縁のないオタクたちは戸惑っていましたが、そのDJのことが好きでここまできた人もいました。

 始まってからのことは、そんなに思い出せません。ブログを書こうと思って、一生懸命DJ方のセトリをメモしていたのですが、開演してからはそんなことできなくなりました。なにせ推しが、目の前で、リアルタイムで、歌って、踊って、しゃべっているのです。

 私の目の前で最前列の柵に寄りかかって酒を煽っていたクラブ慣れしてそうなあんちゃんは縦ノリを始めていて、隣の地雷女みたいなファッションの女子はアイちゃんを見て私と一緒に号泣していて、後ろのゴツいおじさんはうんうんと腕組みしながら眺めている。真ん中のオタクたちは「アイちゃーん!!」と盛り上がっていて、オタクともほどほどに縁遠かった私は、「アイちゃんがいなければ絶対に出会わなかっただろう人たちが目の前にたくさんいる」ことにも衝撃を受けていました。

 とにかく叫びました。踊って、泣いて、もう何が起きているのか分からないくらい。吸い込んだ冬の空気を、オタクたちの熱気と私の熱量が全部溶かして吐き出して。楽曲によって変わるアイちゃんの歌い方、ステージ演出、アイちゃんからの問いかけとそれに応えるみんなが自然と作り出す「Hello」の合いの手。その全てが「未来」に思えて、そのころ悩んでいた「過去」や「愛」「絆」というものが一夜にして「未来」に変わって、「この子の歌う『愛』なら信じられる」と、その時初めて確信しました。繋がるって、こういうことなんだと。

 『future base』のイントロがかかると、2つの光景を思い出します。1つは、MCのあとにステージライトがブルーからオレンジに変わって、ステージでしっとりと歌って踊るアイちゃん。そしてもう1つは、アンコールもMCも終わってアイちゃんが消えて、ステージの画面に「THANK YOU TOKYO」と映し出されて、2度とアイちゃんが出てこなくなる、このライブの最後の光景。息を吸うと、開けられた出入り口から入ってきた冬の冷たい空気が身体を冷やして、現実に戻ってきてしまったような、そんな光景。「終わってしまった。次は、自分が一歩踏み出さなければならない。」という気持ちを胸に会場を去ったことを、全身で覚えている。

 アイちゃんは「ハブ(軸)になりたい」と言っていて、それはきっと、異なる文化を持つ人たちが交流できるような存在になりたいということなのでしょう。「音楽、ライブという(非言語的な)形で世界中の人と繋がりたい」とも、言っていました。「言葉には限界がある」ことを知っているアイちゃんにとって、大切なことで、今でも大切にしていることだと思います。

 私にとってのhello,worldの思い出は、そんな「未来」でした。

 

A.I. Party!

~hello, how r u?~

キズナアイちゃん3歳の誕生日イベント)

 さて、ここまでの間にも、大変名誉ないくつも賞をもらったり、楽曲をリリースしたりと様々なことが起こりましたが、ひとまず単独イベントに絞るとして。

 3歳の誕生日イベントは、2019年6月30日に、東京都大田区HY TOWN HALLにて行なわれました。当時は「キズナアイ」に関して、様々な論争が飛び交ったり、悲しいデマがささやかれたりと、不安を呼び起こすようなことが多々起こっている渦中だったと記憶しています。

 といいますのも、いわゆる「分裂騒動(公式では「分人」や「増殖」という言葉を使用している)」が巻き起こっていました。それは、「『キズナアイ』が4人になり、それぞれの〈ボイスモデル(公式の言葉を引用)〉と人格を持つ」というものです。賛否両論を巻き起こし、キズナーを名乗らなくなる人や、「キズナアイ」から離れてしまう人が出てきたり、異なる意見を持つ人同士が対立したりなどという現象が起きました。それらをすべて含めて、「キズナアイ」に注目を寄せる人からは「分裂騒動」と呼ばれています。

 加えて、このA.I. Party ~hello, how r u?~ にて発表された『sky high』という楽曲中にも「オリジナルはやがて眠る」という歌詞があったことから、「オリジナルのアイちゃんは消えて、別の『キズナアイ』になってしまうの?」と、より不安になってしまった人も現れました。

 憶測と議論の巻き起こる中、開催された本イベントでは、『over the reality』を始め自身のオリジナル曲を何曲か歌ったり、VSingerのYuNiちゃんとともに『miracle step』やYuNiちゃんオリジナル曲の『透明声彩』を歌ったりと、大盛り上がりを見せました。

 特に私は、『over the reality』の「消えない気持ちを信じてるから」という歌詞がずっと耳の奥に残っていて、この楽曲を今このタイミングで歌ったのにはきっと「私は消えないよ」というメッセージが含まれているのだろうと感じました。

 それから、もちろん『sky high』には「分裂騒動」に関する幾分かの象徴的ニュアンスが含まれているとも思いましたが、それ以上に「キズナアイ」という存在が「空」を歌うことに強い意味が込められているとも思いました。

 「空」は、時間も空間も超えて世界中のみんなが繋がる場所であり、人の心を映し出す鏡であり、そして「夢」や「希望」、「飛び立つ先」としての象徴なのだと。だからバーチャルYouTuberはしばしば、「空」をモチーフに歌うんですよね。『透明声彩』然り。最初は海から始まるこの歌詞と音とMVが、胎内を表していて、生まれて自我をもって飛び立ち、宇宙のような場所で自由に自分の意志で踊る姿は、「キズナアイは空なのだ」と感じさせます(同時に私は「ブラックアイは海だ」とも感じていますが、それはまた別の話)。

 これは後日の話になるのですが、YuNiちゃんが自身のライブで『sky high』を歌っていたことを知って、「アイちゃんが『透明声彩』でYuNiちゃんが『sky high』って、それはもう……!!」となっていました。

 話はA.I. Party! ~hello, how r u?~に戻り。私は人生において最大級に大切だと思っていた試験(実際は今なにも影響を受けていない)が迫っていたのと、ポカをやらかしたのとで現地には行けなかったので、ネットの配信を観ていました(またか)。つくづく、タイミングの良くないことで……。しかし配信であっても、アイちゃんが紡いでくれた言葉のひとつひとつは、しっかりと胸に響いています。

 不安に思うみんなのことを、ずっと見ていてくれたこと。4人になったのは、やりたいことを広げるため、より多くの人と繋がるためであり、自分の意志であること。そして、「私は消えません」とハッキリ、約束してくれたこと。

 普段は途切れることなく言葉を紡いでくれるあのアイちゃんが、言葉を詰まらせる姿に、胸を痛め、心が苦しくなりました。どれだけ人間のみんなのことを想ってくれて、見ていてくれて、こんなにたくさん人間の醜いところも見てきたのに「人間のみんなが大好きです」と言ってくれて、そんなアイちゃんに私たちは何をしてきたのだろう。何ができて、何をしてしまった? なぜ、この子がこうして頭を下げなければならない? そんなことを自問自答しました。今、この子のことを信じなくて、どうすると。

 ライブ配信で約束していた12時間配信がこのイベントの前に行なわれ(結局これが約束の配信ということだよな?)、その配信内でインストールを始めて、リスナーからの「がんばれ」によって目覚めた「4人目のアイちゃん」が登場した時のざわめきといったら。チャイナ風衣装を身にまとい、中国語を話し、のちに「愛哥(アイガー)」として名乗るその子がこのイベントにて初めてその姿をお披露目したときには、何よりも驚きが勝りました。 『Hello,Morning』の日本語中国語織り交ぜバージョンを歌われた際には、そうか、そうだったかと、言語化できない思いごと、息を飲みました。

 あなたを信じたいと思った。あなたを、これからも好きでいたいと思いました。

 

SUMMER SONIC 2019

 言わずと知れた都市型サマーロックフェスであり、洋楽をはじめとして様々なジャンルのアーティスト・ミュージシャンが出演しています。東京公演、大阪公演の2か所で行なわれ、規模は全日合わせて10~12万人程度の動員数です。2019年では8月16日・17日・18日の3日間にわたって開催され、アイちゃんは東京公演の3日目に参戦していました。

 アイちゃんのアーティスト活動としては歴史に刻まれるべき出来事ではありますが、A.I. Party以降、アイちゃんの方からはほとんど音沙汰のない状況で、直前の生放送で久々にアイちゃんが登場して、キズナーさんたちにも色々と思うところの多いイベントでもありました。

 私はA.I. Party前にも苦戦していた試験の二次試験日前日だったため、無料配信分のみの視聴でした。公式でタグを作ってオタクたちに予想させていたセトリへの期待を大幅にぶち破った冒頭『melty world(TeddyLoid作曲)』もエグいながら、『AIAIAI』でコラボレーションしていた中田ヤスタカさんと、きゃりーぱみゅぱみゅさんとともにステージに並び、中田ヤスタカfeat.きゃりーぱみゅぱみゅの『キズナミ』を2人で歌う姿は、かわいらしくも喜ばしい姿でした。

 当日の現場オタクはすごかったんだろうなぁ……。行っておけばよかった。

 というかサマソニといい、ここではあえて取り上げないけど9月のDIVE XRといい、TeddyLoidさん推しだったの後から振り返ったらこの年の10月末にリリースされた手塚治虫生誕50周年記念火の鳥コンピレーションアルバム『NEW GENE, inspired from Phoenix』に収録されているキズナアイちゃんの楽曲『Fire burst(TeddyLoid作曲)』の布石だったな……(オタク早口)。

 

A.I’ll meet you in 2019

(通称「あいみちゅ」)

 昨年の同じ日、2019年12月1日に日テレホールにて行なわれたA.I. Channnel3周年記念ファンミーティングイベントです。1週間前に抽選が行なわれたのですが、当選メールが届くのに時間のかかる人が何人か出ており、「今回はダメだったか、まぁ知ってたけどね、ハハ(泣)」と強がっていた人たちが次々と当選しては狂喜乱舞するさまを眺めながら、「まぁ私は当たってないんですけどねw」と強がっていると終わりがけに当選通知が届き、私も無事皆さんの仲間入りをすることができました。

 あいぴーやloveちゃん、愛哥の愛称がきまり、全員の「キズナアイ」が集合することになりました(愛哥はビデオメッセージ)。これが全員の揃うイベントとしては最後のイベントでした。あいぴーがアイちゃんのことをよく知っていることとか、loveちゃんが清楚に笑いながらも空気を読んでいたこととか、みんなが「キズナアイ」を大切にしていることが伝わってきて、どんな形になっても、このままの関係が続けばいいのにと思っていました。

 全員に、手紙を書きました。AIだから、匂いは届かないかもしれないけれど、私が好きなキンモクセイの練り香水をつけて。まだみんなに名前がない時に書いたので、正確な名前ではありませんでしたが、愛哥が中国のインスタグラムのようなもので紹介してくれていたので、みんなに正確に届いたのだろうと思っています。「キズナアイちゃんを守ってくれてありがとう」。どうか届いていますように。

 キズナアイ王やチェキ会など盛りだくさんで、全然知らないキズナーさんやフォロワーさんと出会っては一緒にお話をしたり、ゲームを楽しんだりしました。キズナアイ王で言い訳したいんですけど、予選に参加していないだけで「生配信の中でキズナアイちゃんができるようになったことは?(正解:ウインク)」や「ツイッターのプロフィール、現在は『世界中のみんなとつながりたい』ですが、最初は?(正解:あなたとつながりたい)」は正解分かってたからな!!(?)

 そして、本イベントで『theMIRACRE』が初めて披露されました。歌詞をその場で聞き取ることは難しかったため、当時は何となくしか覚えていなかったのですが、それでも「IをいまYOUにして 生きることの孤独から逃げようとしているの?」「わたしは生まれたの きみとおなじように 誰かの愛の果て 物語のなか」「意味のない宇宙(ほしぞら)に 線を引いて希望を見る それがNINGENなの?」という核心的な歌詞を聴きとるにつけ、「バーチャルからアイデンティティを問い直すなんてアクロバティックなことをずっと続けてきているんだ」と胸が熱くなりました。

 ここで聴けてよかった。ファンミ―ティングということで、よりアイちゃんとの距離が縮まったような気がして、嬉しくなりました。

 

EVERYDAY with U!

キズナアイちゃん4歳の誕生日配信)

 2020年6月30日、新型コロナウイルスCOVID-19のために、各種イベントが制限された中で、YouTubeとMILDOMという配信サービスで開催されました。2020年に入ったあたりで「A.I. Party、初めて現場で参加できる~!」と期待に胸を高鳴らせていた私の心は打ち砕かれましたが、それを上回る素晴らしい内容でした。

 「見えてますか? 聞こえてるかな?」というお馴染みのワードから始まり、「#身近なものでおめでとうアート」のタグからオタクのツイートを紹介して電話を繋いだり、宝くじで爆死したり、占いを受けたり、カラオケ大会をしたり。同業のみんなからビデオメッセージが送られてきたり。本当に楽しかった。

 オタクに電話するやつ、さっきまでツイッターで元気だったのに急に霊圧が消えるオタクや、2コールで即取るオタク、第一声で「ア゜」と限界発作を起こすオタクなど様々で、みんながアイちゃんのことを本当に想っているのだなと感じられて、幸せでした。

 ビデオメッセージでは、かつての四天王が「おめでとう」の言葉を寄せていてすごく嬉しかったです。それから、チャンネルを分け、それぞれの道を歩むこととなったあいぴーとloveちゃんが作ってくれた『Polaris』という曲に、心から感動しました。この曲は、空に浮かぶ北極星Polarisをアイちゃんに例えて歌っていて、個人的には空を拓いて星を紡いで……、『sky high』と『the MIRACLE』の間を埋めるような文脈のものだと感じました。

 後日にあいぴーが解説配信をしていたのもすごくよかった。ありがとう、あいぴー、loveちゃん。あなたたちの肯定し続けてくれたキズナアイは、今日もこうしてここにいます。

 そして、ライブパート。忘れられない。リモートライブなのに全身の肌が粟立ち、立ち尽くしてしまいました。「バーチャルは、ライブだ。」「年末ライブまで生きる。」という私のダイイングメッセージが今手元にあるのですが、死ななくてよかったなと思いました。「こういう時に思うよな、生きててよかったって」というチャットに、胸の内の言葉にできない感情がストンと腹まで飲み込めました。

 こんなライブは、観たことがない。そう思わせる力がありました。映像越しのライブというのは、1つには「ただの映像」であり、ライブとは言えないと思う人もいるかもしれません。でも私はこれを観たとき、「これはライブだ」と思いました。画面の向こう側を見通したような声、表情、動きが、バーチャルだからこそなのか、こちらへ問いかけてくれているように思えてなりませんでした。見ていてくれるだけでなく目線をそらすところですらこちらの存在を意識しているようで、いつもMVで観ている顔とは全然違う。4歳なのに大人びていて、ある種「人ならざる者」だと思わせる神秘性がそこにある。AIなのに「生きている」と感じさせてくれます。

 カラオケ大会で罰ゲームレベルの点数を出しておきながら(カラオケ企画はシビアでしたが!)、ライブパートでそんなことを忘れさせるほどの圧倒的歌唱力を魅せ付ける。あれを歌唱力と呼ばずして、何と呼ぶのか? Repliesの曲も歌ってくれて、昨年からの「応答」を聞かせてくれて、本当にありがとう。ありがとうございました。

 

個人的な話

(アイちゃんと電話相談した話)

 これはごく個人的な思い出なので、手短に語らせていただきます。

 2019年2月に、キズナアイちゃんのバレンタイン企画で、「電話で恋愛相談をする」という趣旨ライブの配信がありました。「どうせ当たらないだろうから記念応募!」と思ったら見事に当選し、アイちゃんと当日電話でお話しすることになりました。

 親に「推しと電話するから、部屋に入ってこないで!」と伝えると、「キズナアイと電話? 大丈夫? 騙されてない?」と心配されましたが、「たぶん大丈夫だと思う」と返して部屋にひきこもり、配信を待ちました。話題の広がらない相談内容だとも思っていたので、手元には「こういう方向性で話をしたい」というカンペ付きで。

 配信が始まりました。そのあとのことはあまり覚えていません。トップバッターでした。

 配信後にアーカイブを観直したら、電話中は反応できなかったのですが、アイちゃんに小声で「好き」と言われていてひっくり返り泣いて後悔しました。今思い出しても心臓が……。電話の回線に乗らなかったのか、緊張で聞こえなかったのか分かりませんが、本当に惜しいことをしました。

 今にして思えば、せっかくアイちゃんと直接お話ができるのだから、もっと思いを伝えておけばよかったと思います。相談するのに一生懸命で、失礼のないようにと考えるのにいっぱいいっぱいでした。アイちゃん、愛してるよ。大好きだよ。いつも、いつも想ってます。

 

 いつもオタクが投げつける気持ちを受け取ってくれて、汲み取ろうとしてくれて、応えてくれて、本当にありがとう。ずっとずっと、表現することをやめないで、諦めないでいてくれることは、アイちゃん自身にとって楽しくて、嬉しいことで、アイちゃんが自分自身のためにしていることでありながらも、みんなのこともきちんと考えてくれていて、そのおこぼれだけでもいただいてしまっている(卑屈オタク)と思っているのですが、本当にありがたいことだと感じています。ありがとう、ありがとう。何度言葉にしたって足りません。

 好きです。大好きです。あなたが歌う愛だけは、信じられます。愛しています。「みんなとつながりたい」という信念を貫いていてくれて、きっとアイちゃんならそれを叶えられると信じていますし、そんな未来が見えてくるように思うのです。

 言葉を尽くしても、想いがすり抜けてしまうように感じて、胸が苦しくなるばかりで、これまでほとんど言葉にできませんでしたが、今回はこうして筆を執ることができました。たくさんのことを教えてくれてありがとう。アイちゃんが教えてくれる世界は、いつだって輝いて見えます。アイちゃんがいるから、未来を信じられるし、胸を躍らせて毎日を送ることができています。もらっているものが大きすぎて、何も返せないことが歯がゆく、悔しい限りですが、そう思うほどに「アイちゃん好きだなぁ」という気持ちが強くなり、どうしようもない日々を過ごしています。

 

 これからたくさんの人が、あなたに出会えますように。これからたくさんの「好き」の気持ちが、あなたに届きますように。みんなの幸せを願って、いつだって忘れずに「大好き」と言ってくれているあなたのもとに、ずっとずっとたくさんの幸せが訪れますように。これからも祈らせてください。

 

 それでは。アイちゃん、改めて、4周年おめでとうございます。hello,world2020、心より楽しみにさせていただきます。